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南の島を戦場にするな! 【南西諸島への自衛隊配備に反対する大阪の会】 堀 文夫


 岸田自公政権は「離島防衛」「台湾有事」を口実に、琉球弧の島々に自衛隊基地建設し、対中戦争の最前線基地化、軍事要塞化を進めています。

 今回は与那国島と石垣島の状況を見ていきます。

■与那国島の状況

 2016年に陸自駐屯地が開設された与那国島では、2022年11月に行われた日米共同統合演習「キーン・ソード23」で、与那国空港に陸自最新鋭の走行装輪車「16式機動戦闘車(MCV)を運び込み、基地まで通学路もある住宅街の公道を沖縄県内で初めて走行させました。2023年度には電子戦部隊が追加配備され、地対空ミサイル部隊の配備に向けての準備も進められています。



▼住民避難を口実に基地の拡張が

 有事の際の島民避難のためにと与那国空港の滑走路延伸と、新たな港湾建設を糸数健一町長が先頭に立って防衛省に働きかけています。島には北側の祖納(そない)港湾しかなく、南側に「比川港湾」の新設を求めています。計画ではカタブル浜から多くの生物が生息し琉球列島の中でも最大級の「樽舞湿原」を根こそぎ掘り起こし、奥行き1.2キロメートル、幅300メートルと広大で、完成すれば駐屯地とつながり「軍港」として機能することは明らかで、島の南西部一帯が軍事基地とされてしまいます。



▼地域活性化のはずがミサイル基地に

 与那国島では2005年に策定された「与那国・自立ビジョン」で「国境交流を通じた地域の活性化と人づくり」などに取り組んできました。ところが2007年に与那国町防衛協会が設立され、基地誘致派は「経済活性化」や「過疎化の歯止め」のためにと理由を挙げて誘致活動を行い、2025年の住民投票で自衛隊誘致が決まりました。

 駐屯地が開設された当初は一時的に人口が増えましたが、徐々に人口は減り続けています。基地ができても「経済活性化」や「過疎化の歯止め」にならないことが明らかになっています。またミサイル部隊の配備に関しては、最も積極的に基地誘致を訴えた外間守吉前町長ですら「ミサイル部隊の配備だけはどうしても阻止しなければならない」と表明し、「そもそも自衛隊を誘致したのは、沿岸監視部隊であるとの確認を得たからであって(中略)、私たち保守のグループでもミサイル配備阻止に向け、運動を起こしていこうと話し合っている」(23年4月27日付赤旗)と述べています。

■石垣島の状況

 石垣島では、2023年3月16日に陸自駐屯地が開設され地対艦ミサイル部隊、地対空ミサイル部隊が配備されましたが、防衛省は新たに基地に隣接する民有地取得のための経費を24年度予算に計上しています。また別の地域での用地取得に向けて地権者と接触しており、基地の更なる拡大が進められています。





▼長射程ミサイルの配備先候補で誘致派からも反対の声!

 22年12月の閣議決定された「安保3文書」で「敵基地攻撃能力」の保有が明記され、長射程化をすすめる一二式地対艦ミサイル(SSM)の配備先として石垣駐屯地が候補地と報道されました。報道後の石垣市議会では与野党それぞれから同名の「石垣駐屯地への長射程ミサイル配備に関する意見書」が提出され、どちらも可決されました。両意見書とも、過去の防衛省主催の住民説明会で、「あくまでも専守防衛のための配備」と説明がなされてきたとして、「自ら戦争を引き起こすような反撃能力を持つ長射程ミサイルの配備は容認できない」(野党案)「情報公開と住民説明を強く求める」(与党案)と訴えています。
「島を戦場にする」長射程ミサイルの配備に対する新たな反対の動きが始まっています。




関西共同行動ニュース No95