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最近の世界情勢の特徴は、むき出しの軍事弾圧と軍事国家の横暴
ミャンマーの人たちの闘いを支援し、在日ミャンマー人とつながろう

中村大蔵【ミャンマーの人々とつながる会・兵庫代表】

■増える在日ミャンマー人労働者

介護施設に外国人労働者は増える一方である。それだけ日本人に嫌われているのが介護労働現場である。介護福祉士等を養成する学校に入学する日本人学生も激減し、専門学校や大学の学生も毎年減り続け、廃校や募集停止を選択せざるを得ないところは、歴史を誇る学校にまで波及してきた。その中で増え続けているのは外国からの入学生であり、介護労働者である。私の職場(特別養護老人ホーム)もその例外ではない。

現在実習中の学生を含め、ベトナム、フィリピン、インドネシア、ミャンマー、中国、韓国出身の人たちがいる。全国的に見て圧倒的に多いのはベトナムからの人たちであるが、最近の傾向としてミャンマーからの人が増えている。この傾向はコンビニの現場と同じである。

コロナ下で彼ら彼女たちの生活労働環境は悪化している。帰国もままならず、実家への送金もまた思うようにならない。特にミャンマーでは国軍への不服従運動もあって、現地金融機関が「混乱状態」のようで、日本からの送金も難しくなっている。家族の来日も困難であり、外国人労働者はより孤独な生活を強いられている。にもかかわらず、国への送金手段確保に苦慮している。

■軍政権を支援する日本政府と企業

その中の一人。ミャンマーからのAさんの言動には心を打たれた。会話のキッカケは「メッチャ」なる言葉だった。この言葉を介護記録にも使用していることを知った私が、おせっかいにもその使い方を「指導」したことに始まる。

その彼女が実習最終日の別れの際に「(家族もさることながら)スーチーさんが心配だ」と語ったことが、私との距離をグッと近づけた。奇しくも私とスーチーさんは45年の生まれである。クーデターで軍により身柄を拘束され自由が剥奪されたまま、密室の裁判にかけられている。『朝日新聞』(2021.11.18)では、「現地メディアによるとスーチーさんへの求刑は100年を超す」と報道されている。

その一方で、「国軍は日米要人と相次ぎ接触」との記事もある。その一人は、日本財団会長でミャンマー国民和解担当の、日本政府代表を務めた笹川陽平である。

笹川はかの有名な笹川良一の実息子であり、競艇ギャンブルからあがる豊富な財力をバックに福祉事業やハンセン病対策に参入している人である。

日本政府はミャンマーで対立する双方の勢力と特別な接点と回路を有していることを誇っている。その日本側組織は一般社団法人「日本ミャンマー協会」と「日本財団」である。協会の会長は元郵政相の渡邊秀央であり、最高顧問は麻生太郎である。同協会の加盟団体には丸紅、三菱商事、トヨタ自動車、キリンビールなどの大企業が名を連ねている。

日本財団の笹川陽平は、国軍がクーデターの口実とした、2020年のミャンマー総選挙に日本から派遣された選挙監視団の代表である。笹川は選挙直後に「選挙が自由かつ公正な方法で平和的に組織された」と表明した。今、その笹川は「司法のことはコメントできない」と、国軍擁護の発言をしている。(『朝日新聞』2021.11.20)

「ミャンマー国軍育ての親は旧日本軍である。」(ミャンマー・エーウィン中将)と言われるほど、日本がミャンマーを占領し支配していた歴史は、今も色濃く蔭を落としている。

その日本は現在もミャンマー最大の支援国である。2013年安倍政権は5000億円にのぼる累積債務を帳消しにした。19年度、日本の対ミャンマーODA(政府開発援助)は1893億円と他国に比してダントツである。

中露が東南アジア政策のもと軍事政権寄りの姿勢を取る中で、日本の存在もまた軍事政権支援の姿勢である。

今回の軍クーデターは総選挙に不正があったことを理由にしているが、明確なことは国軍の支配確立であり、スーチーさんが率いる「国民民主連盟(NLD)」潰しと、「国民統一政府」(NUG)壊滅にある。選挙に不正があったなら、騒ぐのは先ず有権者であり、その国の国民であることは洋の東西を問わない。しかし、アメリカ大統領選挙でも騒いだのは破れたトランプ前大統領であった。近年の不正選挙を訴える最大勢力は破れた側にあるようだ。

■自分が出来ることをやって 死ぬのは意味がある

さて、前述のAさんの言葉に戻ろう。Aさんが外国にいて自国の政権を批判することは、それは勇気のいることである。国にいる親兄弟の身に危険が迫ることも覚悟しなければならない。

そのことを案ずる私に、Aさんが言った言葉に私は心打たれた。「人間誰でも生まれたら死ぬので、いま自分が出来ることをやって死ぬのは意味があると思います」。私は、一瞬Aさんの瞳を覗いた。このような言葉を吐く人が、今この世に、しかも目の前にいることにいたく感激した。

闘うミャンマーの人たちを支援するために、街頭カンパ活動に取り組む京都の女子大生の言葉。「嘆き悲しむことしか出来なかった私に、行動する勇気をくれたのはミャンマーの同じ〝Z世代〟。声を挙げ力を合わせ強大な権力に立ち向かう姿に、民主主義とは何なのかを教えられているように感じています」。

この言葉にも感激した。人の命は枯れず燃えていること、若い人たちの限りない力を知った。

私は、在日ミャンマー人たちの抗議集会(神戸)に何回か参加した。ここでもまたまた感動した。若い人たちの多いことに。奈良の縫製工場に働く若い女性たち(技能実習生)とも出会った。さらに、多民族国家ミャンマーを反映した、カラフルな民族衣装を纏った人たちの意気軒高な姿にも見惚れた。ミャンマーの国土は日本の1.8倍。そこに135の民族が住んでいる。まさしく多民族国家である。

私たちは軍政権に抗議し、在日ミャンマー人の闘いを支えために「ミャンマーの人たちとつながる会」を7月に結成した。募金活動は勿論のこと、ミャンマーの人たちのあらゆる呼びかけに応えようと思う。

ミャンマーでの情勢は日々切迫している。軍による犠牲者もおびただしい数にのぼる。去る5日には市民のデモに軍車両が突っ込み発砲も常態化し、多数の死傷者が出た模様である。一刻も早い支援の強化が要請されている。








関西共同行動ニュース No89