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「辺野古」県民投票を振り返って

【 『 辺野古』 県民投票の会・ 代表】元山仁士郎

3月 24 日2019関西のつどいでの、元山仁士郎さん( 『辺野古』県民投票の会代表)講演「 『辺野古』県民投票を振り返って 《沖縄の意思》にどうこたえるか」の報告です ( 文責/齋藤郁夫 ) 。



県民投票の会結成は2018年4月 18 日、 40 人ほどでのスタートだった。署名運動のメインスローガンは『話そう、基地のこと。決めよう、沖縄の未来』にした。署名期間は5月 23 日~7月 23 日の2か月間。集まった条例請求署名 10 万950筆(有効署名数9万2848) 。 法定必要数2万3171筆の4倍の署名数だった。参考までに、地位協定の見直し・基地の整理縮小を問うた1996年の県民投票の請求署名数は3万2994筆(有効署名数)だった。

2018年 10 月 26 日県民投票条例成立。今年1月 29 日、埋め立て賛成・反対に「どちらでもない」を加え条例が改正され、全市町村が参加できたのがよかった。投票締めきりの1時間前に、投票所と間違えて会の事務所に飛び込んできた若者もあった。投票の結果は、 60 万5385票(投票率 52.48 %)。反対、 43 万4273票(投票総数の72 %)。賛成、 11 万4933票(同 19 %)。どちらでもない、5万2682票(同8.7% )、だった。

私(元山)にとって署名の目的は、世代間の対話(戦争体験者の高齢化・世代間の《断絶》の修復)と島々の対話(沖縄には大小160もの島がある。島の課題を知る・共通体験の創出)により、感覚の違いを知り、埋めることだった。米軍基地は本島に集中しているが、周辺の島には別の問題がある。埋め立て承認の取り消し訴訟の最高裁判決が、沖縄の選挙結果は民意ではないと述べていることも意識した。私も 10 個の島に行った。基地をめぐる利害があるから言いにくいのではないかとの予想をこえて、話してみるといろいろな意見があった。

意見の相違・成果・課題

条例請求署名について、キャンプシュワブゲート前の闘いの現場から、翁長知事の埋め立て承認撤回を遅らせるということ、ゲート前等の闘いの現場から人を削ぐことになるとの理由で反対意見があった。でも、翁長知事の「撤回判断を縛らない」という表明と現地に足を運べない人が署名に動いたことで、乗り越えることができた。

県民投票の会の運動は、沖縄政治史上初めての市民・若者主導の運動として、歴史に刻まれた。市民と若者に運動参加の機会を創出でき、名護市長選後の落胆ムードを打破し、沖縄全体の議論を促進させることができたし、日本政府、日本に住む人々への明確な問題提起をすることができた。 ( 陰の声『すごいことです』 )
今後の課題は、県民投票で盛り上がった意識を継続させること、 デマやフェイクニュースの精査、県民投票の署名収集のノウハウの引き継ぎ、日本政府・日本に住む人々の意識変革だ。ヤマト本土に望むのは、県民投票のことをネットで拡散すること、辺野古の問題について、自分たちが住む市町村議会での意見書採択の働きかけや請願だ。


関西共同行動ニュース No80