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3.1独立運動 100周年事業 参加報告

【 韓統連大阪本部事務局長】 崔誠一(チェ・ソンイル)

韓統連母国訪問団15年ぶりにソウル訪問

2019年3月1日、韓国ソウルで3・1独立運動100周年記念行事が開催されました。私が所属する在日韓国民主統一連合(韓統連)は、この行事に参加するため、 15年ぶりに母国訪問団を構成してソウルを訪問しました。



韓統連は結成以来、日本の地で朴正煕(パク・チョンヒ)独裁政権をはじめ韓国の歴代軍事独裁政権に反対するとともに、朝鮮半島の自主的平和統一の実現に向けて活動をしています。しかし、このことが不当にも韓国内で国家保安法上の「反国家団体」と規定され、韓統連の幹部・会員は旅券発給の制限を受けてきました。

盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代の一時期、旅券発給が緩和されましたが、その後の李明博(イ・ミョンパク)政権、朴槿恵(パク・クネ)政権時代に再び旅券発給が制限され、キャンドル革命によって朴槿恵政権が倒れて以降、初めて母国訪問団を構成してソウルを訪問しました。

3・1独立運動とは

3・1独立運動とは、日本帝国主義による朝鮮植民地統治が始まった1910年以降、日帝の残虐な支配に対し朝鮮民衆の怒りは高まり、ついに3月1日、ソウルのタプコル公園に多数の学生と市民が集まる中「独立宣言書」を朗読、一斉に「朝鮮独立万歳!」を叫び、大極旗を振りながら市街に繰り出しました。その後、デモ行進は全国に拡大、運動の過程で多くの民衆は民族的・階級的に目覚め、独立運動の原点となりました。

3・1独立運動の特徴は、民族自決に基づき独立を勝ち取ろうという自主精神と、思想信条の違いを乗りこえた団結精神にあります。この3・1独立運動から今年、100周年を迎えました。

3・1運動100周年汎国民大会などに参加

韓統連母国訪問団は2月 28日、ソウルに集合して公式日程が始まりました。

最初に訪問団の代表が韓国の国会で記者会見を開き、訪問団の紹介と韓統連の名誉回復問題についてブリーフィングを行い、夜はソウル市内で、受け入れ団体である海外民主統一人士帰国推進委員会と6・ 15
共同宣言実践南側委員会による歓迎祝賀会が開かれました。

3月1日当日、龍山(ヨンサン)駅前で開かれた強制徴用労働者像合同参拝と駐韓日本大使館前での朝鮮学校への差別糾弾・金曜行動に参加し、両行事で訪問団のメンバーからアピールを行いました。

続いて、光化門広場に移動して、3・1運動100年汎国民大会に参加しました。

大会では各市民社会団体代表の挨拶、各種文化公演などを通じ、3・1運動の精神を継承して平和と繁栄、統一を実現させていくことを確認しました。

この大会では各民主統一人士の映像メッセージとともに、今回、旅券が発給されなかった孫亨根(ソン・ヒョングン)韓統連中央本部議長の映像メッセージが上映されました。

大会終了後、ソウル市庁舎内で開かれた自主統一民族大会に参加、大会では訪問団のメンバーが挨拶を行うとともに、合唱を披露し、参加者から温かい拍手を受けました。



非武装地帯平和紀行

訪問団は3月2日、受け入れ団体が準備してくれた非武装地帯(DMZ)平和紀行に参加しました。

私が印象に残った場所は2002年6月、韓国京畿道(キョンギド)で米軍装甲車にひき殺されたシン・ヒョスンさん、シム・ミソンさん(事件当時、中学1年生の 14歳)の追慕碑を訪問したことです。この悲惨な事件は当時、韓国国内で大きく取り上げられ、事件の真相究明と責任者の処罰、不平等な韓米駐屯軍地位協定(SOFA)の改正を求める運動が起こり、私も駐大阪米国総領事館に抗議行動に行った記憶があります。

その他に平和紀行では、南北を鉄道でつなぐ都羅山(トラサン)駅などを見学しました。

2日の夜は、お世話になった国内の団体と個人の方々への答礼の意味を込めた食事会を開催し、大いに交流を深めました。



3・1独立運動100周年事業を終えて

今回、3・1独立運動100周年を契機にソウルを訪問した韓統連母国訪問団は、3・1汎国民大会をはじめ各種行事に積極的に参加し、韓国内進歩団体・人士などから大歓迎を受けました。

それだけでなく、全ての参加者とともに3・1独立運動精神の継承、日本政府の過去清算、朝鮮半島の平和と繁栄を訴え、決意を共有することができました。

個人的には 10年ぶりのソウル訪問でした。 10年前に比べ現在のソウルの街並みは、とても整理され、きれいになっていたのが印象的で、地下鉄のほとんどの駅では転落防止用のフェンスが設置されており、街の至る所にハングルの他に英語・日本語が表記され「日本人でも、十分ソウルを楽しめる」と感じました。

今回の母国訪問団の成果を土台に正しい韓日関係の構築、朝鮮半島の自主的平和統一の実現に向け、より力強く進んでいきたいと思います。


関西共同行動ニュース No80