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【巻頭言】 安倍政権打倒、安倍改憲阻止! 中北龍太郎

■森友究明―倒閣へ

森友疑惑の闇は深まるばかりです。財務省は文書の改ざんを認めました。公文書改ざんは、民主主義の根幹を揺るがす国民への背信行為です。ではなぜ改ざんは行われたのか、誰が誰の指示でやったのか。これらについて、首相のいう「全容解明」は全くできていません。証人喚問で佐川前理財局長は、一方で、「刑事訴追を受ける恐れがある」と証言を拒否しながら、他方で、首相官邸など政権の関与はなかったと断言しました。こんな猿芝居が許される訳がありません。これで安倍政権は幕引きを図るつもりのようですが、とんでもない話です。

昨年2月安倍首相は「私や妻が関係していれば首相も国会議員も辞める」と明言しました。学園にタダ同然の安値で国有地を売ったのはどうしてなのか、二人が「関係している」のか、こうした疑問を徹底的に究明する必要があります。そのためにも、名誉校長に就任し、「いい土地ですから、前に進めてください」 と発言したとされる昭恵氏、売買交渉をまとめた前任の理財局長迫田英典氏、学園の依頼を受けて理財局に照会をした昭恵氏付の職員谷査恵子氏の証人喚問は不可欠です。

すでに、約8.2億円の値引きをもっともらしく見せかけるために、財務省が業者にごみは実際よりも深くにあるといったうその報告書を作らせ、また、学園側に4千台分のダンプでゴミ撤去をしたと口裏を合わせるように頼んだと報じられています。次々と忖度政治の実態が明らかとなり、市民の大きな怒りをかっています。3月中旬公表の内閣支持率は、朝日新聞が 31%、毎日新聞が 33%と急落しました。広範な市民運動の爆発で、さらに支持率を押し下げましょう。

安倍政権の強権政治、悪の弊害が一挙に吹き出しています。南スーダンPKOの日報に続いてイラク戦争の日報までも隠蔽した防衛省。裁量労働制に関わるデータをねつ造した厚労省。「総理のご意向」文書を告発した前川喜平文科前事務次官の授業に不当な介入をした文科省。そして、財務省による今回の改ざん。 こうした諸問題の原因に、政権の都合で行政を歪める安倍政権の本質があります。それでも、安倍政権は9条改憲の動きをやめようとはしていません。森友問題の全容解明を求める下からの倒閣運動と上からの改憲の動きのせめぎ合いを制して、勝利を勝ち取りましょう。
安倍政権を打倒しましょう。



■9条改憲を阻止しよう

3月 22 日自民党憲法改正推進本部が9条を中心とした改憲4項目の方向性を取りまとめ、 25日の自民党大会で報告されました。昨年5月3日安倍首相は9条1、2項を残したまま9条に自衛隊を明記するという案を発表しました。大会で報告された案は、この提案に沿ったものでした。条文案は9条の2を新設し、「前条の規定は、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な自衛の措置をとることを妨げず、そのための実力組織として…自衛隊を保持する。」というものです。

首相は自衛隊を明記しても「何も変わらない」と言っています。この発言は、自衛隊を支持する多数の市民に向けられたものです。多くの市民は災害救助活動に活躍する自衛隊をイメージし、あるいは、専守防衛原則や、一人も殺さず殺されもしなかった海外活動を評価しています。首相はそこにつけこんで「何も変わらない」と言っているのです。だがしかし、安保関連法=戦争法によって、自衛隊は大きく変化しています。「存立危機事態」の名のもとに、他国への攻撃でも自衛隊が軍事行動をとることが可能になっているのです。小野寺防衛相は、北朝鮮のミサイルが日本の上空を通過しアメリカ領グアムを攻撃する場合も「存立危機事態」にあたりうると言っています。そして、戦争法の下で、日米同盟のグローバル化と米軍・自衛隊の一体化が急速に進んでいます。自衛隊は、市民がイメージするかつての姿ではありません。首相の言は、こうした変容を棚に上げたもので、デタラメもいいところです。

改憲案の「自衛の措置」とは、自衛隊が自衛権を行使する実力組織だということです。ここでいう自衛権とは、国連憲章 51条にいう「個別的又は集団的自衛権の固有の権利」を指し、決して個別的自衛権に限られず、集団的自衛権を含みます。したがって、改憲により、全面的な集団的自衛権の行使が可能になり、同盟国のために世界中で軍事行動ができるようになるのです。まさに、際限なき海外での武力行使に道が開かれるのです。

それだけではありません。憲法に自衛隊を明記することは、日本は軍事力を行使する国となることを内外に宣言することになります。世界中の軍隊はすべて「自衛のため」にしか軍事力を行使できない建前ですから、この意味で、日本はありきたりの「普通の国」になってしまいます。もはや非戦の国、平和国家を標榜できません。そればかりか、日本会議の「論客」が述べるように「『国家の安全』が立法上、憲法に根拠をもつ正当な立法理由になる」「(憲法は)安全保障を強化していく際の『後押しの力』へとその役割を変える」ことになるでしょう。「国家の安全」に名を借りた人権制約に歯止めがかからなくなってしまいます。 このように、 安倍改憲は、この国のかたちを根本から変えることになるのです。

自民党大会で、安倍首相は「いよいよ憲法改正に取り組むときがきた」と、9条改憲への執念をむき出しにしました。しかし大会では、改憲案の条文まで確定できず、たたき台素案にとどまっています。これは、安倍改憲が重大な壁に突き当たっていることを示しています。年内の改憲発議・国民投票ができなければ、来年前半は統一地方選や天皇退位・新天皇即位などの日程が立て込みます。そして、来年夏には参院選です。参院選までに改憲を許さず、参院選で改憲勢力の議席を3分の2以下にすれば改憲を阻止することができます。何としても、安倍改憲を阻止しましょう 。




関西共同行動ニュース No77