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戦争法を《ロック》(封印!廃止!)するためにできること 【 戦争法廃止ロックアクション】 荒木淳子



 11月5日に4団体共催で行われた「戦争法を《ロック》(封印!廃止!)するためにできること」は、非常にタイムリーな内容で、意義深い集まりとなりました。

 まず最初に、かつて自衛隊レンジャー部隊に所属し、今は戦争法に全面的に反対しておられる井筒高雄さん。自衛隊のリアルをよく知っている方のお話を聞ける機会はめったにないので、貴重な機会でした。

① 自衛隊はそもそも専守防衛が前提の訓練・研究しか行っておらず、演習場と駐屯地内での訓練しか経験していない。戦地で何ができるかもまったくわからない状況であること。

② 負傷した際は近くの救命センターへ行くという対応で、病院などない海外の戦地で負傷しても、救命措置のノウハウがまったく伴っていない。他国の軍隊なら死なないような怪我でも死者が出る可能性がある。

 一番おどろいたのが、安倍首相が安全と言い続け、自衛隊が担うことになる後方支援は、戦争時に最も「攻撃対象」になるため、アメリカではすでに民間の軍事会社に依頼したりしている。それをこのたびの戦争法可決で、アメリカの負担と責任をなくすために、日本の自衛隊がただで担うことになる、というとんでもない事実でした。

 実戦への備えがまったくないまま、自衛隊は海外の紛争地に派遣されることになります。まっさきに死ぬことになるのは、キャリアも技術もない若者たちです。戦争法可決で一番大変な状況に追いやられる自衛隊ですが、今のところ、自衛隊内部から戦争法に反対する声があがってくるのはなかなか難しい状況であるということでした。



 二人目の講師は、改憲派の憲法学者として名を知られ、長年市民運動をしてきた方々の目から見ると「反対側」のサイドにいたはずの小林節さん。その小林さんが安倍政権に反対する市民側の急先鋒となり、全国を講演して回っておられる姿を見て、社会が大きく動きつつあることを実感された方も多いでしょう。その動きは今のところマイナスの方に大きく振れているように見えます。ですが、安倍政権のやりたい放題を目の当たりにして多くの市民が声を上げ始めた今こそ、社会の大きな変革のチャンスはあります。

 小林節さんが提唱するのは、共産党を含めた野党が、さまざまな確執や葛藤を乗り超えて共闘し、選挙で安倍政権をひっくり返し、政権を奪取すること。ばらばらに選挙を戦っていた野党の票を全部あわせれば4割を超える得票があるのだから、野党が協力すれば、それは絶対に実現できる。小選挙区制が悪いなどと嘆いていても始まらない。我々は今ある制度で勝利を勝ち取ることをまず考えるべきで、3割の支持しかない自公が政権をとれたわけだから、できないことはないと言われます。野党の中には、政策が違うのだから共闘はできないという人もいるが、違う党が協力するのだから、政策が違うのは当たり前。共闘して選挙で勝利を勝ち取った自公のやり方に、我々も賢く学ぶべきだというお話でした。共産党が呼びかけたこの野党連合を実現させることが、今の状況を根底から覆す唯一の方法であるという小林さんの確信に満ちたお話に、多くの人が勇気づけられた講演でした。



 お二人の講師に加え、パネルディスカッションでは自称《選挙ジョッキー》座間宮ガレイさんと、創価学会員で戦争法に公然と反対を唱え、日ごろからロックアクションにも参加している米本明子さんが参加されました。

 座間宮さんからは、大阪で22日に投開票が行われるW選挙は、大阪のみならず日本の今後に大きな影響を与える重要な選挙であるというお話がありました。

 大阪維新が府市選挙で2勝することになれば、大阪維新に合流する議員が増え政党交付金が増える。そうなれば来年の参院選で大阪維新の候補者が増え、野党が割れる。野党が割れれば、自民党が勝利する。こう考えれば、戦争法を止めるために大阪にいるみなさんが今取り組むべきことは明白で、白紙票には意味がない。白紙票は敵方を利するだけだというお話でした。



 パネルディスカッションも大変盛り上がり、わずか2時間強ではとても時間が足りないくらいのぜいたくな内容でした。400名の会場は、立ち見続出までとはいきませんでしたが、平日の夜にもかかわらず満席。戦争法が可決したいま、私たちは何をするべきか? 今後の活動につながる内容で、参加してくださったみなさんが少しばかり元気になり、笑顔で会場を後にした有意義な集会でした。

※次回ロックアクション・ニューイヤーデモ
1月6日(水)中之島水上ステージ 18時半~


関西共同行動ニュース No70