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原発再稼働は日本破滅の一里塚全国の運動体が原発廃止の知恵・力量を出し合おう!
 【たんぽぽ舎・再稼働阻止全国ネットワーク】 柳田 真


1 諸外国の注目―日本は再び原発大国になるのか?

 2011年の東京電力福島第一原発事故は1号~4号の4つもの原発が事故を起こす、多重原発事故だった。4基もの同時事故は世界で初めてであった。79年の米国のスリーマイル事故は1基のみ。旧ソ連のチェルノブイリ事故も1基のみ。そしてどちらも一応終息した。が、しかし日本の東電福島事故は4基の多重事故のみならず、4年近くたつのに未だに終息できていない。放射能汚染水も克服できず海を汚染しつづけている。12 万人以上が福島県外へ避難し、補償も全く不誠意、不十分。核燃料デブリはどこにあるのか、所在もつかめていない。諸外国が福島事故を注視するわけだ。それにもかかわらず、九電力会社・原子力ムラ(実体は原子力帝国)、原子力規制委員会、安倍内閣は原発再稼働をドンドン推し進める。14年12月衆院選勝利後は一段と原発推進に前のめりになっている。それは選挙中には言わなかった原発の新設を公言したり、たとえば12月14日の投開票日の翌15日、Jパワーが建設中の青森県の大間原発について原子力規制委員会への適合性審査の申請を行うことを事前発表し、16日に正式申請したことにもあらわれている。全国の運動体が原子力ムラ(実体は原子力利権共有帝国)とどう闘うか、2度目の大惨事がおきる前に原発廃止を勝ち取れるか、知恵と力量を出し合うことが問われています。



 諸外国も、日本は再び原発大国に戻るのかどうかと注目するわけです。

2 原発再稼働が急速に進行―川内につづき高浜・伊方と続々・・・

 12月衆院選後、原発再稼働は国民の多くの反対(世論調査では60%以上の反対)にもかかわらず、急速に進もうとしています。

 九州電力川内原発は14年3月に規制委員会で申請書適合、10月~ 11月に地元了解(薩摩川内市と鹿児島県)を強行突破した(第1番目)。そして翌月の12月に関西電力高浜原発3号・4号が申請書適合(2番目)。12月の毎日新聞報道では四国電力伊方原発が2月に申請書を出す(3番目となる可能性)と報じている。加圧水型原発の再稼働が急速進行だ。闘いのカギは高浜に近い大都市(京都・滋賀・大阪)の阻止活動だ。福井を包んで関西・北信越の闘いが期待される。

 安倍政権は原発輸出と武器輸出を成長戦略の柱としている。武器輸出へは税金を投入して武器産業を手厚く保護して、政・官・財にうまみの多い「第2の公共事業」にしようとしている。

3 原発再稼働は日本破滅の一里塚、2つの理由

1つは、原発再稼働すると10年以内に大事故をおこす―これは原発反対派の文書ではなく、原発推進側の文書の中のことばだ。それは『このまま日本で原発を再稼働させたら、今後10年以内に、福島第一と同じような事故がまた起こる。原子力推進政策の総元締めともいえる政府の原子力委員会(近藤駿介委員長)の小委員会が、日本の原発が過酷事故を起こす「事故発生頻度」を試算したところ、抜本的な安全強化策を施さないまま、原発を安易に再稼働させると、最悪の場合、日本にある原発のどれかが、10年以内に放射性物質を大量に飛散させる過酷事故を起こすという、衝撃的な結果が出た。(13年2月発行『原発事故報告書の真実とウソ』文春新書の185ページより)』というものです。

 もう一つは、原発再稼働の危険は、日本の自然環境~自然条件からも特に指摘されています。それは95年の阪神淡路大震災~2011年の東日本大震災~2014年12月19日に至る政府の地震調査委員会が公表した「全国地震動予測地図」の最新改訂版における〈首都直下地震の確率急上昇〉という見出しです。これだけ地震と津波と火山噴火の多い国で、原発再稼働は自殺行為だ。

4 原発に固執する理由はなぜか?日本核武装したい(原発をもつ)

 原発がゼロとなれば、原爆(核兵器)を作る技術と手段を失う。日本が狙う国連の常任理事国の5国(米ソ中英仏)はいずれも原爆=核兵器をもっている。核兵器は大国であることの「あかし」となっている。※歴代自民党政権は核武装したいと考えてきた(『隠して核武装する日本』槌田敦・藤田祐幸らの著書を参考)。

 また、もんじゅは高純度プルトニウム=核兵器級プルトニウムを作れる特殊な原子炉だ。青森県六ヶ所の再処理工場とならんで核兵器を作るさいの必須の施設だ。去る14年12月もんじゅ廃止をめざす19年目(19回目)の集会が福井県敦賀市内で開かれた。参加者は東京の自治体労組の参加者も含めて公表600名(500名との報道もあった)であった。

 そのすこし前、柏崎刈羽原発廃止をめざす集会が1000名、川内原発集会が7500名、上関原発反対集会が7000名、1年前の伊方原発反対集会が1万名弱。全国どこの地も原発反対集会の人数が増えているのに、もんじゅ廃炉全国集会では減っている。もんじゅの本質=日本核武装の狙いを正面からバクロ・批判することを避けている一部指導層にも原因があると思う。

 はやぶさロケットの開発にも注目する必要がある。ロケットも原爆を運搬する大事な手段だ。うかれているばかりではすまされない。また、小泉元首相も原発反対発言と共に「日本核武装に反対する」と発言しているではないか。



5 阻止ネットは関西大飯の闘いから生まれた。高浜阻止は関西の大衆的闘いがカギ。プラス全国の連帯。

 阻止ネット(再稼働阻止全国ネットワーク)が、12年11月に東京で5団体と個人の300名の結集で結成された。

 5団体とは、関西のストップ大飯原発現地アクションを原動力として、福島事故緊急会議、経産省前テントひろば、たんぽぽ舎、反原発自治体議員・市民連盟の5団体である。

 この2年間の活動をとおして原発現地(全国17)の人々と大都市(東京圏・関西圏)の結びつき、人と人とが知り合い、交流し、連帯を深めてきた。

 また、原子力規制委員会への幻想や期待が当初運動の一部にあった中で、それを事実と規制委員会交渉―抗議闘争で打ち破ってきたことは大きい。一番手の川内闘争では「全国各地からの結集の中心軸」をになった。多い時は、東京から150名程が九州現地まで参加している。

 そもそも阻止ネットの結成の契機は関西電力大飯原発再稼働阻止闘争から生まれたものだ。

 12年6月の民主党野田内閣が大飯の再稼働を認める決定をしたことに対して、東京官邸前20万人行動と呼応して福井現地での行動を関西の皆さんが中心になって組織したものだ。この時、私たちも東京からバスで応援に行った。これらの闘いの組織化―高揚が、阻止ネットの実体を作った。今年2015年はこの闘いの正念場だ。

 原発再稼働をどうやって阻止するのか。私たちの知恵と力量が問われている。





関西共同行動ニュース No67