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【巻頭言】 7/1閣議決定後の反戦平和運動  中北龍太郎

私たちは6月30日、自民党に対し「集団的自衛権の行使を容認するな」と申入れ、翌7月1日には閣議決定の撤回を申し入れました。両日で自民党大阪府連前に延べ千人の人びとが結集しました。7/1閣議決定(以下7/1決定)は、日本を戦争する国へ大転換しようとするものです。7/1決定後、私たちは反戦平和運動の新たな飛躍が求められています。



集団的自衛権は、同盟国だけで結束しそれ以外の国を仮想敵とみなす軍事同盟のための道具です。また、国家が領域外での軍事行動を正当化する法的武器として使われてきました。そして、安倍政権による行使容認の実際の意味は日米軍事同盟の強化・深化にあり、自衛隊が米軍と肩を並べて戦うことを目的としています。

米国は世界中に米軍基地の網の目を張りめぐらし、いたるところに軍隊を展開させています。そのため、米国が個別的自衛権を発動する紛争の種は全世界に拡散しており、同時に同盟国に集団的自衛権の行使を要請する契機は無数にころがっています。しかも、米国は先制的自衛権の発動を正当と位置付け、これまで個別的自衛権、集団的自衛権のいずれをも拡大解釈し濫用してきました。

74年に国連総会で決議された「侵略の定義」によれば、先制的自衛権の発動は明らかに侵略にあたります。米国との自衛権の共同行使に道が開かれると、日本が侵略国家の道を突き進む危険性はきわめて高くなります。しかも、日本が攻撃を仕掛ければ相手国から反撃を招くことは必至であり、集団的自衛権の行使に一度踏み込めば、日本は際限のない戦争の泥沼に落ち込んでしまいます。

戦争する国への大転換は、でたらめな憲法解釈によって実行されました。7/1閣議決定は、日本への急迫不正の侵害に限定していた72年の政府見解における自衛権発動の要件に、この要件と全く矛盾する「日本と密接な関係にある他国への攻撃」をつぎはぎして、まるでインチキ手品のように、集団的自衛権の行使も合憲としています。しかしながら、集団的自衛権の行使は、憲法9条1項の禁じる「国際紛争の解決の手段としての武力行使」そのものであり、7/1決定自体が違憲であり無効です。明文改憲でしかできないことを解釈改憲で無理矢理強行した7/1決定は、憲法9条・立憲主義・法治国家を破壊するクーデターにほかなりません。

現在協議が進められ年内にも取りまとめられようとしている日米防衛協力指針(新ガイドライン)は、集団的自衛権の行使に対応できるように改定されようとしています。これに続いて、来年の通常国会では、7/1決定に法的根拠を与え、集団的自衛権の行使を現実化し、米軍と自衛隊が共に戦う新たな枠組みをつくるための法整備が企まれています。例えば、①自衛隊法における自衛隊の任務に集団的自衛出動を加える、②周辺事態法やPKO法に集団的自衛権対応型の条項を追加、③公務員・民間人の動員を定めた武力攻撃事態法・国民保護法・米軍行動関連支援法も集団的自衛権対応型に改めるなどです。それにとどまらず、時限立法の海外派兵特別法に代えて海外派兵一般法の制定なども予想されます。さらには、より包括的な国家安全保障基本法案が提案される可能性も否定できません。

7月1日の閣議では同時に、辺野古基地新設のための費用637億円の支出、反対運動を排除するための立ち入り禁止水域の大幅な拡大が決定されました。そしてこの日に工事が着手されました。二つの閣議決定が同時になされたのは決して偶然ではなく、集団的自衛権の行使容認と新基地建設とが一体だからです。まさに、集団的自衛権発動の最前線基地として沖縄の軍事要塞化が推し進められているのです。こうした基地新設に対して、沖縄県民の8割が反対しています。来る11月16日投票の知事選での勝利が基地新設を阻む決定的な鍵になっています。沖縄の闘いと固く連帯し、11/9「とめよう!戦争への道 めざそう!アジアの平和 関西のつどい」を成功させ、直接民主主義を断固として実践し、戦争する国づくりと沖縄基地強化をやめさせ、戦争も基地もない世界を共につくりだしましょう!






関西共同行動ニュース No66