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米軍基地建設強行!―呆れかえった当局の対応― 【米軍基地建設を憂う宇川有志の会事務局長】永井友昭



新聞等でご存知の方も多いと思いますが、丹後町宇川地区の米軍基地建設が5月27日(火)の早朝6時半より始まりました。
4月16日・17日の防衛省の住民説明会で、「5月中に工事開始」と一方的に宣言され、それに対する(建設の)大前提である「住民の安全安心の確保が何もなされていないのに、そのようなことは許されない」という圧倒的な住民の声で「住民の理解」も「安心の確保」もまったく不十分ということが逆に確認され、「今後とも丁寧に説明対応していく」ということであったのですが、そういうことはなされないままにこのようなことになってしまいました。
また、「具体的な工事の日程や内容は前もって知らせる」ということでしたが、これも無視された形での工事着工でした。
説明会以後、市民団体からの質問提出や抗議が続く中、防衛省からも市からも何の情報もないままでしたが、5月24日(土)の京都新聞がこの件で衝撃のスクープをものにしました。即ち、「5月2日に業者が決まり5月14日にその業者に建設許可が出され、来週明け(5月28日)には工事着工予定」と在日米陸軍司令部広報部(神奈川県座間市)に確認したということです。

その後の経過を簡単にまとめると、
5月24日(土)京都新聞が「週明け(5月26日)にも工事開始」を米軍に直接確認としてスクープ。この日と翌日は土日で市や防衛局とは連絡取れず。 
5月26日(月) 朝8時頃から現地にクレーン車など工事関係車両が自衛隊へ。警察や米軍関係者などが現地周辺に参集。午前中、市の「対策室」や防衛局の「連絡所」、府の担当部署へ連絡するも、「全く聞いてない」を繰り返す。
午後1時半頃、防衛局より「明日の午前から米軍が工事を始める」との連絡が市、府へ入り、「対策室」は宇川各区長(袖志、尾和と上下連合区長)へ連絡。
5月27日(火) 朝6時半より、現地で工事開始。警備の警察大型バス9台以上。防衛局の桝賀企画部長以下が現地で工事開始を支援。住民の相手はせず。9時前からの反対の抗議行動には百数十人。10時半ころからの「対策室」「連絡所」への申し入れには約50人。
・・・・というような流れです。



この経過で明らかになったのは、米軍は5月14日の段階で工事を許可していながら、そのことも5月27日の工事開始のことも、防衛省にも京都府にも京丹後市にも全く知らせていなかった、という重大な事実です。
 防衛局は説明会で「米軍はこちらの事情をよく理解しています。安全安心を含めしっかりやってくれます。」と繰り返し、京都府は5月20日に「工事のスケジュールや内容を事前に住民に周知すること」と新しい申し入れを防衛省に出し、京丹後市は「安全安心が確保にはまだ課題がある」と言っていた、そのすべての頭越しにこの工事着工だけが前日の午後に「明日の朝から」と一方的に通告されたということです。それ以外の工事にかかわる具体的内容も一切ありません(その後も何もありません)。



防衛大臣も、京都府知事も、京丹後市長も見事に米軍にコケにされた(しっかり顔に泥を塗られた)ということです。26日(月)より行われた様々な当局への抗議行動では、市、府、防衛省に「米軍にこれだけコケにされて平気なのか。」「今日の明日で、一方的な工事など許されない。工事をやめさせろ。」と強い要請が繰り返しなされました。
ところが、中山市長も山田府知事も、防衛省と米軍へ一言の抗議も遺憾表明もしない(できない)。小野寺防衛大臣も米軍に対し何も言わない(言えない)ということでした。この方々は一体どこの国の政治家なのか、その不甲斐なさに怒りよりも情けなさで悲しくなってきました。府の担当者や防衛省の担当者は「とりあえず工事の前に知らせていただいただけでもありがたい」などと言い出す始末でした。
これが日米地位協定と日米安保体制の現実ということです。その生の姿をまざまざと見せつけられたこの数日間でした。米軍は地域住民(日本人全般)のことなど全く眼中にない。その国益のためにやりたいことをやるだけ、日本はそれに黙って従うしかないということのようです。こういう国は普通主権国家とは言いません。俗に植民地とか属国と言われます。今後この丹後で(特に現地で)起こることが正直とても心配です。
こんな方々が市民のトップ、府民のトップ、国の防衛のトップをやっている(国のトップも・・)。我々市民、府民、国民の側に立ってものを言ってはいただけない。彼らはどこの国の政治家か。こんな人たちが「国民を守らなければならない」と偉そうに言う。何かあれば全て米軍へ差し出して最初に逃げ出すのが彼らではと思われてなりません。これが、安倍首相の取り戻したい日本という国の姿、集団的自衛権の行き着く先ということだと、今回強烈に学習させていただきました。

トップがこれだけ不甲斐ないと、せめて我々庶民ぐらいまともでなければならない、と逆に強く思います。基地建設の現地に住む者として、黙ることなく、これからも言葉と行動を続けて行きたいと思っています。差し当たっては地元のグループから出されている市と防衛局への質問状の回答期限がこの月末となっています。どんなものが出てくるのか(出てこないのか)・・。                 

※5月31日(土)の夕方5時半より、TBS(4ch)の「報道特集」でこの基地の件が冒頭より特集されました。



関西共同行動ニュース No65