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近畿初の米軍基地/経ヶ岬へのXバンドの基地建設をとめよう!

【関西共同行動】 星川洋史

今年2月22日の日米首脳会談で、京丹後市にある航空自衛隊経ケ岬分屯基地の隣に移動式早期警戒レーダー「X(エックス)バンドレーダー」の基地をつくると合意し発表された。基地建設の目的は「朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)からグァムの米軍基地を狙うミサイルを察知し、イージス艦に搭載しているPAC3やSM3などの迎撃ミサイルで撃ち落とす」ことにあるという。

この基地が建設されれば、レーダーの稼働のための冷却に毎日50トンの水が使われ、海水温の上昇で寒ブリ漁など丹後半島沖の豊かな漁場への大打撃が予想される。この巨大レーダーが発する強力な電磁波による人体や他の生物への被害も考えられる。またこの海域での操業の制限や、操業と安全確保のための無線通信電波の使用制限も予測されている。半径6キロの空域が飛行禁止区域となる。

この米軍基地建設に伴って経ヶ岬には160人の米軍人・軍属とその家族が移り住むことになるという。沖縄の基地周辺で多発しているような米軍人・軍属による犯罪や事故が予想され、日米地位協定に基づいて米軍犯罪者が守られ、地域住民の安全は犠牲にされる。Xバンドレーダー基地建設は、自然ゆたかで風光明媚な丹後半島とそこに
住む人びとにとって打撃こそあれ何もいいところはない。

万が一、日米両政府が言うように、北朝鮮がグァムに向けてミサイルを発射するような事態になれば、それを察知し、ミサイル発車前に迎撃用のミサイルPAC3やSM3搭載艦に報せるための通信基地や艦船を事前に攻撃することになる。京丹後市と経ヶ岬そしてその周辺は戦渦に巻きこまれることになるのだ。日米両政府の発表によってさえ、「日本の防衛」には何も関係の無い基地建設のために。

Xバンドレーダー基地建設は、この間、安倍自民党政権が急速に推し進めている中国敵視政策の上に、朝鮮・韓国敵視政策を上乗せし、それを拡大強化し、具体化するものである。「尖閣」問題を口実にした南西諸島への自衛隊の配備、オスプレイの普天間配備の強行、自衛隊へのオスプレイの導入と海兵隊機能の導入と一体である。また、あいば野や高知でのオスプレイを使った日米合同軍事演習や、八尾空港でのオスプレイ訓練の計略など、近畿での軍事態勢の強化、米軍との一体化の強行の一環をなしている。それらは全体として集団的自衛権行使の合憲化、敵基地先制攻撃能力の確保などの一環をなすものであり、東アジアの緊張を一層高めるものである。

今京都では、「止めよう!経ヶ岬の米軍レーダー・危険な戦争準備を許さない緊急京都府民の会」や「米軍専用レーダー基地の設置の撤回を求める京都府民の会」が結成され、京都府知事、京丹後市長、伊根町長への申し入れや、集会、署名運動が取り組まれている。しかし9月1日、山田京都府知事や中山京丹後市長は、多くの府民の反対や心配の声を無視して受け入れを表明した。ボーリングなどの工事も着手されている。反対運動の強化が急がれなければならない。9月20日には、「緊急府民の会南部連絡会」の主催で「京都に米軍基地はいらない!緊急集会」が開催され、10月27日には「止めよう戦争への道 めざそうアジアの平和2013のつどい」(午後1時、エルシアター)でもアピールが予定されている。関西全体でのXバンドレーダー基地建設反対の運動が求められている。




関西共同行動ニュース No63