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沖縄はレジスタンスの時代に入った 【前参議院議員】 山内徳信

【1】暴走を止めねば

私は7月21日の参議院選挙の結果を受け、いよいよ大変な時代がやってくると、あれこれ思い悶々としている8月の初旬、中北龍太郎弁護士から一通の手紙が届いた。それは「沖縄基地問題と安倍政権」というタイトルでの原稿の依頼であった。私は書くことによって心の整理をしたいと思いお引き受けした。

権力者側は「ねじれ国会」があたかも悪であるかの如く、選挙戦では「ねじれ国会の解消」を強調していた。これこそ有権者の意思、判断を否定し無視する発言であった。

世は暴走を肯定し認めようとする風潮がある。これこそ危険である。東に暴走老人あれば、西の難波に歴史認識欠如の暴走市長あり。自治体の首長は本来、自治体の本務に専念すべきであって、大阪府知事は維新の会の幹事長、大阪市長は維新の会の共同代表、それこそ府民を軽視するものではないのか。府民、市民の皆さん!二兎を追う者は一兎も得ずです。

暴走の先頭に立って旗を振り、国民の反応を確かめようとしているのが安倍晋三自民党内閣総理大臣ではなかろうか。

総理にしてはいけない人物、総理になってはいけない人物が総理になってしまった。これが日本の明(平和)暗(戦争)の分かれ道になっては、国民は不幸この上ないことだ。

【2】ヴァイゼッカーと安倍晋三

ヴァイゼッカーは84年5月23日の選挙で第8代大統領に選出されたドイツ連邦共和国の大統領である。彼の85年5月8日のドイツ降伏(敗戦)40周年の「荒れ野の40年」と題する演説の中で『過去に眼を閉ざす者は、未来を見通すことなどできない』と、格調高い演説は国際社会に感銘を与え、信頼を獲得していったのです。

それにひきかえ安倍晋三首相の演説や国会答弁等を聞くにつけ愕然とし、この人は総理になるべき人物ではないことがよく分かる。

憲法改悪への執念、アジア太平洋戦争の加害者としての反省のなさ、侵略戦争を美化し日本の植民地支配を肯定、村山談話や河野談話への抵抗、従軍慰安婦や軍夫への無反省、自衛隊の国防軍への格上げ、天皇の元首化、憲法9条を改悪し、戦争の出来る国づくりに道を開こうとするが如きは、アジア太平洋戦争の反省と教訓から何一つ学んでいない最低の総理ではないだろうか。しかも、人類初の広島、長崎の被爆国の体験者として、また福島第一原発事故の当事国として、世界に向かって憲法九条(戦争の放棄)を守り抜き平和国家建設を高らかと謳い上げて行く、それ以外に日本の生きていく道はないことを自覚すべきである。

「武器を持つ国は武器にて滅び、基地を持つ国は基地にて滅ぶ(阿波根昌鴻の言葉)」と言うことを知るべきである。

【3】安倍総理よ、日本のヒトラーになるな

私は13年5月8日の参院予算委員会で、日本の将来を案じ安倍総理と緊張した質疑を交わした。それは沖縄戦を生き抜いてきた戦中世代の人間・山内徳信から「安倍総理よ、日本のヒトラーとなるな!」と追及され、さすがに彼は不快感を顔に表し、「ヒトラー発言は容認できない」と言った。安倍総理は、戦後の歴代総理の中で突出した極右的総理だと思う。歴史認識のない人物を選出した有権者や自民党の責任は極めて大きく、アジア外交は完全に孤立し、日本の目指す平和友好国家として歩んできた日本外交を大きく損ねることになった。総理の一連の言動は日本を大きく傷付けることになってしまった。





【4】沖縄基地問題は日本最大の人権問題だ

全国の皆さんへ訴えたい!日本最大の人権問題は、沖縄への米軍基地の理不尽な押し付けであり、基地から派生する想像を絶する生活破壊の諸問題である。

日本国民(本土)は卑怯です。皆さんが選んだ政治家の殆んどは醜い政治家であり、政治屋です。他人の痛みなど自らの痛みとして受け止めようとしません。沖縄の基地問題の痛みなど自分とは関係ないと思っているのです。安全保障のため基地は必要だという。自分達が安全に暮らすためには基地が必要だと言うならば、その負担も、その義務も全国民で負担すべきではないのか!

何故に全国面積の0.6%しかない沖縄、人口比は1%だ。その沖縄に全国米軍基地の74%が沖縄に押しつけられているのだ。これを差別と言わずして何と言うのか。これを人権蹂躙と言わずして何と言うのか。

日本は少なくとも独立国家、主権国家だ。民主主義の国家と言うならば、沖縄の人々の人権蹂躙と構造的差別を解消していくべきだ。主権国家であると言うならば、日米地位協定の根本的改正を県民は強く要求しているのだ。

沖縄が日本に復帰したのが72年である。復帰後今日まで41年の間に、米軍機の墜落事故は、なんと45件を数えている。

復帰前(59年)の旧石川市宮森小学校(現うるま市宮森小学校)への墜落事故では18名の小学生が犠牲となり、多くの市民が巻き添えとなった。68年の嘉手納飛行場所属のB52戦略爆撃機が離陸に失敗、嘉手納町屋良地域への墜落爆発炎上。04年普天間飛行場所属の大型ヘリコプターが宜野湾市内の国際大学構内へ墜落炎上等々。沖縄は今も戦場の中にあるような生活環境だ。

沖縄の人々は、普天間飛行場の即時閉鎖返還を求め、名護市辺野古への新基地建設計画と高江へのヘリパッド建設に反対し、世界一危険な普天間飛行場へのMV22オスプレイ配備に県民ぐるみの反対闘争を根気強く闘い続けているのは、日本政府から差別され、人権が蹂躙されてきた沖縄県民の止むに止まれぬ人間の尊厳をかけた闘いであるからだ。

日米両政府を相手に自らの人権と尊厳を守り抜くために、沖縄のシルバーたちはレジスタンスの時代に入った。

本土の仲間達よ、共に闘いましょう!






関西共同行動ニュース No63