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●迫りくる次なる大惨事を防ぐために 【ストップ・ザ・もんじゅ】 池島芙紀子


原発の危険性に目覚めて30年余。「もんじゅ」の危険性・非経済性・核疑惑を訴え始めて23年。どうすれば大惨事を防ぐ事が出来るのか、片時も頭から離れない難題に全力を傾けて来たつもりだが、とりわけこの10年程は原発震災に大きな危惧を抱いて、映画『山のかなた』を制作。350名の国会議員に送り、多くの議員へのロビー活動や院内集会等を続けてきた。

しかし、その努力は間に合わず、11年3月11日、恐れていた原発震災が現実のものとなってしまった。反対運動の力不足のために、幼い子ども達を犠牲にし、ヒバクさせてしまった。痛恨の涙を飲んでから早や二年になろうとしている。さすがにこれで日本も脱原発に向かうだろうと思いきや、どっこい、12月の衆議院選挙で、自民党が圧勝し、原発で利益を得る財界と政界、官僚達は、又、原発推進へと歴史のネジを逆行させようとしている。まるで福島などなかったかのように。しかし、愚かな政治家を選ぶのは浮動票と呼ばれる多くの国民。果たして私達は、そこへの働きかけが十分出来ていたのか?このままでは、遅かれ早かれ日本は第二の福島を迎え、破滅の道を辿るであろう。反対運動の在りようを再考しなければならない。

(1)「さよなら原発3・10関西2万人行動を成功させよう
 二年前の事故直後、やむにやまれぬ思いで緊急集会を呼びかけた。「集まろう中之島 歩こう御堂筋」という簡単なフレーズに、なんと僅か2週間で3千5百人が集まり御堂筋をデモで訴えた。更に昨年の3・11では、中央公会堂のホールも借りて、総勢7千人が集まりデモを行った。そして今年は、ようやく、党派を超えて実行委員会に結集。3月10日(日)2万人をめざして準備を進めている。関西共同行動や、シーサーネットの皆さんにも、二年前の第一回より多大のご協力を頂き深く感謝している所。場所は中之島一帯。デモは3コース。ゲストに福島の武藤るい子さん、歌とギターにkayoさんを迎え、今年はちびっ子広場や若者音楽広場も設け、若い人達や子連れの人達が参加しやすい、ソフトなイメージにしたいと思う。関西では過去最大多数の参加で、自民党政権や原発推進派に反撃し、原発NO!の国民の意思を表したい。ぜひ回りの人への声掛けをよろしく!

(2)「ノーモアヒバクシャ関西のつどい」
 こちらは、4月21日(日)エルおおさかの大ホールにて、島田恵監督の新作映画『福島・六カ所 未来への提言』の上映と、福島から佐藤幸子さん、福井から中嶌哲演さん、更に経済学者の所源亮さんをお招きして、「原発と経済のからくり」を解明して頂こうという内容。のん気で人ごとと思っている関西人に、少しでもヒバクの実態と原発のからくりを知って欲しいと思う。こちらにもぜひ参加を!

(3)福島4号機の核燃料問題及び全国の原発の使用済み核燃料の保管問題について
 今、最もリスクが高いのが、福島4号機の使用済み燃料の存在だと思う。このことに気づかせてくれたのは米国の原子力専門家・アーニー・ガンダーセンであった。昨年8月に来日された時に院内集会を開き講演して頂いたが、彼が最も危惧するのは爆発でボロボロの4号機に1533体・約1万本を超える燃料がプールで冷やされているが、大きな余震に襲われ、水が抜けたらジルコニウム火災という人類未知の大惨事になりかねない。一刻も早く、高い位置から、より安全な位置に移動させる必要がある」と。

 直ちに緊急の全国署名に取り組み、東電や国へのヒヤリングを二回行い、署名の第一次提出を11月に行った。ようやく東電も「移動開始の時期を一ヶ月早めて今年の11月から、又全工程も一年短縮する」と発表したが、ジルコニウム火災についての対策は全く心許ない限り。そこで、署名を二月末まで続行し、国に強く対策を迫りたいと思っている。昨年末から年始に掛けて、宮城県沖や福島浜通りで地震が続き、果たして間に合うのか、生きた心地がしないのだが…。

 更にこの取り組みを通して見えてきた大きなことは、全国の使用済み燃料が全てプールでの水冷保管であり、大きな盲点となっている事だ。例え、原発の再稼動を止めても、地震の大動乱期に入った日本で、すでに六カ所再処理工場には全国から3千トンもの使用済み燃料が集められ、全国各地の原発サイトにもプールで冷やされている使用済み燃料が福島のように地震や津波で冷やせなくなる危険性は避けられない。一刻も早く、外国のように乾式キャスクで保管すべきだと思う。改訂版の署名にもぜひご協力下さるよう、心から切望します。




関西共同行動ニュース No61