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【巻頭言】民衆運動の高揚で脱安保・原発・ハシズムを! 中北龍太郎

◆はじめに
 野田政権は自・公両党との「大連合」で、権力者たちの「悲願」であった消費大増税を遂に実現しました。この極悪の先例で味をしめた権力者たちは、衆院解散・総選挙後、集団的自衛権行使の解釈改憲、原発政策の再確立そして明文改憲などの民衆を敵に回す窮極の悪政を、大連合・大連立によって実行せんと暗躍・画策してくるでしょう。近々結成されようとしている橋下・維新党=ハシズムは、悪政実行の先兵として煽動のピエロの役回りを果たすことになるでしょう。私たちは、こうした時代のファッショ的転回を許すわけにはいきません。  オスプレイ配備・低空飛行訓練と原発政策の復権に抗議・抵抗する民衆の闘いの高揚によって、悪政大連合・大連立の動きを封じ込め、基地も戦争も原発もない民衆の時代を切り拓こう!



防衛省「米・操縦ミス報告」追認・県に説明 8/29



◆許すな!オスプレイ配備・低空飛行訓練
オスプレイの普天間基地への配備の動きは、オスプレイの安全性が懸念されることから、マスメディアでも軍事問題にしてはめずらしく久しぶりに頻繁に大きく取り上げられています。ここでは、闘いの糧のために、余り取りあげられていない3つの問題点について簡潔に指摘しておきます。

防衛省は8月28日、今年4月にオスプレイがモロッコで起こした墜落事故に関する調査結果を発表しました(といっても、米側報告書のうのみ・まるのみですが)。そこでは、人為ミスが強調されています。しかし、とてもじゃないがこの結論を信じるわけにはいきません。米軍には、オスプレイ墜落事故の原因を人為ミスで誤魔化そうとした前歴があることも、その原因の一つです。2010年にアフガニスタンで起きた墜落事故について、エンジンの構造的欠陥と見ていた調査委員会に対し、軍上層部が「操縦ミスが原因」と横ヤリをいれた事実が内部告発で明るみになっています。このように米軍には、オスプレイの機体の構造の欠陥を隠ぺいせんとする体質があります。これが第1の問題点です。

オスプレイが普天間基地に配備されると、訓練地は沖縄では、北部訓練場(ヘリパッド12カ所)、中部訓練場(同32)、伊江島補助飛行場(同6)を拠点に、本島の全域で低空飛行訓練が行われることになります。本土では、この訓練は岩国とキャンプ富士を拠点に7つのルートで実施されることになります。こうした飛行ルートは今年6月発表の米軍報告書にもとづくものですが、この文書には、「時と場合によっては、別の場所に展開することもある。」とも書かれています。つまり、日本全国どこででも低空飛行訓練が行われることになるということです。オスプレイの低空飛行の全国化、これが第2の問題点です。

オスプレイにはオートローテーション(回転翼機のエンジンが故障したとき、ローター=回転翼が自動回転して無事に着陸できる機能)がありません。この事実は、米国防総省の諮問団体のオスプレイ担当研究員が米下院公聴会で暴露した事実です。日本の航空法には、「回転翼機は発動機が停止しても自動回転飛行で安全着陸できなければならない」と定められています。オスプレイの構造は、明確に航空法違反です。ところが、安保体制の下で、米軍機には航空法が適用されないことになっており、そのため違法状態もOKということになっています。安保による治外法権の結果市民が危険にさらされるという事態が、大手を振ることになるのです。これが第3の問題点です。

オスプレイ配備によって、沖縄の基地はオスプレイ基地に化すことになります。オスプレイ配備は米世界軍事戦略の要として進められています。そのため、オスプレイ配備に対する闘いは、基地と安保をなくしていく限りなく大きな1歩になる可能性を持っています。今沖縄では、オスプレイ配備の闘いがオール沖縄・島ぐるみで展開されています。本土でも今秋、オスプレイ配備・低空飛行を許さない闘いを盛り上げましょう。

◆人間破壊の政治を打破する民衆運動を!
オスプレイ配備に象徴される米軍基地の再編強化とともに、安保体制強化のもう一つの柱である日米軍事一体化=世界でともに戦う態勢づくりも進んでいます。民主党政権は、動的防衛力構想を基軸に様ざまな安保強化政策を実行に移してきました。自民党はといえば、民主党に負けじと、集団的自衛権の法制化や派兵恒久法の制定の提唱など、これまで以上に露骨にタカ派色の強い軍事政策を打ち出すようになりました。安保翼賛体制は、領土問題でナショナリズムを煽って、集団的自衛権の行使、そして9条改憲へと突き進むきな臭い様相を示しています。アメリカは、8月15日発表の第3次アーミテージレポートにも見られるように、日本政府に対し、米軍の統合空海戦闘力と自衛隊の動的防衛力の一体化、集団的自衛権の行使を強く迫っています。

戦争のための安保強化を進める権力者たちは、原発政策の復権そしてその再確立をも狙っています。3.11福島原発事故によって原発難民となり、暮らしを破壊された人びとの受難を切り捨て、原発事故の未解明のまま、安全・事故対策もなしに大飯原発再稼働が強行されました。3・11事故によって原発のとてつもない危険性が誰の目にも明らかになり、また、原発が日常的環境汚染、危険で厄介な廃棄物の生産、何十世代にもわたる負の遺産など、人類と共存できない存在であることもはっきりしました。それでも、権力者たちは原発政策を推し進めようというのです。今ほど人間破壊の政治がまかり通り、民意と政治がかけ離れた時代はかってありません。



オスプレイ反対・関西 三百人デモ 8/5


基地と原発はどちらも、差別構造の下で強要されてきた、いのちを破壊し、ないがしろにする存在でした。3.11により、私たちは根本的転換、新しい社会のあり方を追求することが求められています。こうした情況下、脱原発を求め、権力者たちの民意からかけ離れた人間破壊の政治を変えようとする人びとの行動が新たな大きなうねりを創りだしています。また、基地強化に怒る沖縄の人びとの闘いはかってない新しい地平に達しようとしています。

私たちは、3・11後の大転換期の今、安保・戦争か基地のない世界か、正面から白か黒かの決着を迫られています。沖縄・反原発をはじめ諸運動との連帯を強め、地方の犠牲に依存した安保・原発体制から脱却し、基地も原発もない社会、人が人として生きるにふさわしい世を築いていこう。こうした私たちの進む道を妨害する権力者たちを退場させよう。その悪辣な妨害者の一翼、憲法破壊のハシズムは永くない、その矛盾と限界の顕在化により早晩崩壊するでしょう。大阪の地から発生したハシズムを大阪の地で1日も早く葬り去ろう。

人間破壊の権力政治を乗り越える直接行動、直接民主主義の実践を推し進めよう。



関西共同行動ニュース No60