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ストップ!ヤマサクラ61(日米共同軍事演習)大集会に800人が参加  【関西共同行動】 古橋雅夫


ヤマサクラ61演習の米軍作成の図


 82年から始まった在日米陸軍「富士山」と陸上自衛隊「桜」との共同図上軍事演習は、作戦名《ヤマサクラ》と称して、以来年2回の略称YS-1に始まり、今年はヤマサクラ61(YS-61)が陸自中部方面総監部のある伊丹駐屯地で1月31日から2月5日まで実施された。この方面隊指揮所演習の奇数番は国内で実施され輪番制であるが、内ここ伊丹では00年と07年に次ぎ3度目の演習である。都度演習反対を訴えて、今回も年末から抗議行動への参加・呼びかけが広く開始された。
 この図上演習は、コンピュータを駆使しての自衛隊(2府4県)4500人、米軍(ハワイ・韓国)1500人の計6000人規模での連係プレーによるシミュレーション作戦の実施である。そのシナリオは架空であっても内容は時々の世界情勢とは無縁ではない。問題は、こうした演習を通じての日米安保体制の強化、日米による軍事力の対外的プレゼンスの表明、そして民生分野での管理・協力体制の浸透である。今回はオブザーバーとしてオーストラリア陸軍の参加もある。
 「陸・海・空軍はこれを持たない」とする憲法に違反した暴力装置、自衛隊は、故にそのシナリオを仔細には明らかにしないが、イラン・アフガニスタンからの撤収を決めたオバマ米大統領が、今年年頭に表明したアジア太平洋地域の同盟国との関係強化・オーストラリアへの米軍駐留という「新国防戦略」に沿ったものである。ある日突然、仮想国とされているが中国と北朝鮮の連合軍が本州・大阪を占領する。そしてそれにいかなる反撃をするかという筋書きだそうだが、米国の中国けん制を強く意識した内容で、米戦略に従属したこのような演習こそがアジアでの緊張を作り出しており、排外主義を鼓舞しているのだ。
 こうした事態を踏まえ、「人間の鎖」で伊丹基地を包囲し、中止要請文を渡すべく59団体による実行委が結成され、1月22日基地近くの昆陽(こや)池公園に800人が結集した。
 ステージでは政党・市民派議員・運動団体からはしないさせない戦争協力ネットワークの代表が発言した。また、遠く沖縄・名護市からヘリ基地反対を訴える比嘉靖さんによる「基地をなくすというパブリックイシューこそが私たちの連帯の基礎である」という力強い連帯のあいさつを受けた。参加者全員が赤字で「怒」と書かれた紙を掲げて最後に「団結!ガンバロウ!」を斉唱してデモに移り、基地包囲のヒューマンチェーンを行った。

■編集後記■
3・11から1年。なぜ復興が進まないか。それは原発からの放射能の放出が止まないからであり、事故そのものが収束していないからだ。にもかかわらず財界は再稼働を訴え、マスコミは電力危機をあおる。墓穴を掘るとはこのことだ。真犯人は必ず現場に戻る例えだ。その3月を前に大特急で今号を発行す。ここがロードスだ(古橋)。












関西共同行動ニュース No59