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進歩的政権交代へと期待が高まる韓国 【韓統連大阪本部】崔誠一

韓国では2011年1月、韓進重工業解雇労働者の復職を要求して高層クレーンに300日以上もろう城闘争を行なった民主労総釜山本部のキム・ジンスク氏の闘いと、その闘いに連帯して全国的に広まった「希望のバス」運動。韓国の経済主権を売り飛ばす行為だと李明博政権を糾弾し、連日キャンドル集会を行った「韓米自由貿易協定(韓米FTA)」国会批准無効・廃棄の闘いなど、様々な闘いがありました。
 そして2012年4月の総選挙、12月の大統領選挙で、韓国の民主化と祖国の平和統一を願う進歩勢力の勝利に向けた大きな担保を作ったのが、昨年10月26日に実施されたソウル市長補欠選挙での朴元淳(パク・ウォンスン)新市長の誕生です。



 『朴元淳新ソウル市長誕生の要因』
朴市長は野党単一候補として出馬し、与党ハンナラ党候補に約30万票の差をつけてソウル市長に当選しました。朴市長が当選した要因の一つは、20代から40代までの若い世代が朴市長に投票したという選挙分析が出ています。この若い世代は李明博政権発足以降、貧富の差が拡大して学費や就職・雇用・子育てなど生活苦に直面している世代で、格差の解消と福祉の向上を求めて朴市長に投票しました。逆に言えば、政権発足以降、民衆の生活を向上させようとしなかった李明博政権に対し、ソウル市民が厳しい審判を下した結果です。
また今回のソウル市長補欠選挙では、前述したように朴市長は民主党・民主労働党などの野党と市民社会勢力の単一候補として出馬し当選しました。しかし野党などが協力・連帯できなかった地域区では与党ハンナラ党が勝利しました。このことの意味は、今の韓国では進歩的な政党・団体が協力・連帯しなければ誰も勝利てきないということです。団結することが、どれだけ大事かということを見せてくれた選挙です。
『統合進歩党の結成 そして総選挙・大統領選挙へ』
 ソウル市長選挙後の12月11日、今度は進歩勢力の民主労働党・国民参与党・新しい進歩統合連帯の3者が統合して「統合進歩党」が発足し、民主労働党の李正姫(イ・ジョンヒ)代表をはじめ3名の共同代表が選ばれました。
 「統合進歩党」の綱領では▼質の高い福祉社会の実現▼労働3権の保障▼国家保安法など悪法の撤廃▼駐韓米軍の撤退・韓米同盟の解体など40項目の進歩的政策を掲げ、4月の総選挙では20議席以上の獲得を目標に準備を進めています。
 昨年韓国では「1%(資本家・大企業)に税金を!99%(庶民)に福祉を!」のスローガンが掲げられ、多くの民衆が支持をしました。
 2012年、韓国は選挙の年。「統合進歩党」をはじめとする進歩勢力と民衆が団結し、総選挙と大統領選挙で勝利して進歩的政権交代を実現しなければなりません。その可能性は高まっています。
 今年、韓国の選挙から目が離せません。





関西共同行動ニュース No58