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●脱原発へ 【ストップ・ザ・もんじゅ】 池島芙紀子

■はじめに

 11年5月13日、日本の歴史上、画期的な第一歩が踏み出された。菅総理が、「浜岡原発の停止」と「エネルギー基本政策の見直し」を表明したことである。停止は廃止ではなく、決して大喜びする状況ではないが、ようやく、実質的に、脱原発へと流れを変えようとしている姿勢を私は評価したい。この流れをいかに正しく早く、確実なものにするかが大事なのだ。

■30年の歩み

 原発の危険性に気付いて市民運動を始めて30年、中でも超危険な高速増殖炉「もんじゅ」を止めたいとの思いで「ストップ・ザ・もんじゅ」を設立してから21年、そして原子力政策の転換をめざして、脱原発政策実現全国ネットワークを設立して12年の月日が流れた。

 また、「もんじゅ」のオリジナルビデオを2本制作。同じく「もんじゅ」の全国百万人署名を2回、意見広告4回、推進側との公開討論会十数回、国会議員会館での院内集会やシンポジウム数回、国会議員へのニュースを含めて4種類のニュースを発送し、チェルノブイリの集会を始め、エネルギーや防災をテーマに又海外のゲストを招いての講演会等々、我ながらよくもまあと思うほどに多くの取り組みを続けてきた。

 しかし、世の中の人々の目は冷たく、反原発というだけで、環境ネットワークすら、関電に気兼ねをして私を差別。行政や企業の助成金など一切審査対象にもならなかった。曲がりなりにも、事務所を維持し、複数のスタッフで運動を続けられたのは、全国の会員の物心両面にわたる支援と、スタッフや仲間たちの献身的な支えによるものと感謝している。

■二つの重大課題

 さて、この数年、私は多くの課題の中でも、「超危険で無駄な『もんじゅ』を止めること」と「原発災害をくい止めること」の二点を最大課題として位置付けて取組んできた。何とかこの二つの課題の重要性を、一刻も早く、一人でも多くの人に知らせるにはどうすれば良いのか、悩んだ結果、ついに自作の映画「山のかなた」まで制作したのだが、大変な苦労の末に生まれた割には、各地での上映が進まず、多くの赤字をかかえてしまった。一方、「もんじゅ」の危険性と無駄をわかりやすく一枚にまとめたカラーリーフレットの方は、大変好評で、わずか4ヶ月で一万枚を突破してしまい、各地の学習会で活用して頂いた。

 今年の2月、この「山のかなた」のDVDと、「もんじゅ」のカラーリーフレットを、国会議員の約半数350人(全閣僚、予算、決算委、経産、文科、環境各委員)に送付し、原子力政策の見直しを強く要望した。その直後に3・11を迎えたこともあって、かなりの議員や秘書が見てくれた様子が、最近の電話の対応の変化で、感じることができる。DVDの中に、石橋克彦先生の講演録「原発震災」を入れたことと、カラーリーフレットには当会が10年間敦賀の白木浜に通って調査した「もんじゅ」事故の時の風向調査と海流調査を地図上にまとめたものを載せたのだが、偏西風によって東京を直撃することと、海流が、日本海を北上し、津軽海峡をまわって太平洋を茨城まで南下し、日本列島の2/3を汚染することが判明。議員たちも驚いた事と思う。ちなみに、関西は、わずか「もんじゅ」から30kmに近畿の水ガメ琵琶湖があり、琵琶湖の汚染は免れないし、水はやがて、淀川から大阪湾に流れ、瀬戸内海と太平洋をも汚染してしまうであろう。この事態だけでも、各府県で、知事や行政に、本気で「原子力防災」と「政策見直し」を求める行動を強めなければと思う。特に大阪府知事の脱原発宣言をより強固に具体的に進めさせるため、早急に緊急行動を行うとともに、広域連合の中で孤立させないよう、他府県の取り組みも重要だと思う。
 今日の関東は明日の関西。
 今日の福島は明日の我が身、と考えて。

■脱原発へ

 何とか大惨事を防ぎたいという強い思いで走り続けた30年だったが、「日本を滅ぼす原発震災」〜大地震におびえる日本列島〜と題して広瀬隆さんの講演を4月10日に準備している最中に、3・11を迎えてしまった。私たちの苦闘が間に合わず、福島の人たちをヒバクさせてしまったことは本当に悔しいが、今は、更なる悲劇を防ぐために、何をなすべきか、正に正念場、決戦の時だと考えている。

 3・11以降、すぐに取り組んだのは三つ。まず、関電への質問書をまとめ、正式に説明討論会を要望したこと。もう一つは、関西の反原発グループに呼びかけて、4・16緊急の「原発いらん!関西行動」を実施したことである。反響は大変大きく、二千人に対応できるよう当日のスタッフを増やしたのだが、予想をはるかに越える三千五百人の人たちが、関西一円からかけつけて、中之島公園はあふれかえってしまった。幼い子供連れの若い夫婦の姿が多く御堂筋を、バギーを押したり、ダッコしたりして、最後まで歩かれた姿を見て胸が熱くなってしまった。

 現在は、その第二弾として、6・11世界同日アクションに呼応し、再び、中之島公園剣先ひろばに集まり、御堂筋デモを企画、呼びかけているので、ぜひ広めて頂きたい。

 三つ目は、脱原発要求の全国署名である。準備に手間取ってスタートが4月16日になってしまったが、こちらも全国から、続々呼びかけ団体が入り、5月17日現在で87団体となった。ぜひ、まだの団体は、加わって協力して頂きたい。過去2回の百万人署名の経験を活かして、政府への要望を積み上げたいと思っています。要望項目は、福島の原発震災をふまえて、今、最も危険で一刻も早く廃炉にすべき浜岡・伊方・「もんじゅ」・美浜・敦賀原発と再処理工場の閉鎖を前面に打ち出しています。

 最後に今後のとり組みとして、7月18日に「脱原発のエネルギー政策を考える」と題して再び広瀬隆さんを呼んで、天王寺区民センターで講演会を企画しているので、ぜひ参加してください。明日から2日間上京して、多くの議員さんや秘書さんに会い、有効なロビー活動にしたいと思う。活動を支えるために、ぜひニュースの購読をお願いしたいのと、少人数でもよいので、各地での学習会や上映会(「もんじゅ」のビデオや「山のかなた」など)に呼んで頂きたいと思います。脱原発の勝利の展望が見えてきました。
共に頑張りましょう。

■6月11日(土)/PM2時〜/中之島・剣崎公園/原発いらん!関西行動(雨天決行)/PM3時デモ〜御堂筋南下/賛同団体募集中





関西共同行動ニュース No56