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●今、アフガンでは何が起こっているか 西谷文和さん(イラクの子どもを救う会代表) (講演要約)
シーサーネット一〇年年次総会より 




 この文書は、西谷さんの7月22日しないさせない戦争協力関西ネットワークの年次総会での記念講演のまとめです。西谷さんは、パソコン(DVD)で多くの資料を駆使して、詳しい、全面的な説明をされましたが、それを1500字でまとめるのは到底不可能でした。西谷さんの意を汲めてないところはすべて私の責任です―星川

■復興支援、中身は軍事道路建設
 鳩山政権になって、4500億円のアフガン援助を決めていますが、その中味がどうなのかを監視する必要があります。
 カンダハルの空港に行きました。そこは、だだっぴろい空港で周囲数キロ何もない砂漠の中の空港です。周囲に民家が迫っている普天間基地とは真逆です。民家や木などがあれば、タリバンがそこからロケット砲などを打ち込むからです。
 カンダハルの掃討作戦のための3万人の米兵を受け入れるために、今、空港の中に基地を造る工事をしています。空港からカンダハル市街までの道は一本道の国道ですか、仕掛け爆弾道路といわれています。タリバンが、通る米兵をねらって爆弾を仕掛けるのです。
 基地を拡張するための費用はペンタゴンが出すと思われますが、その基地にアクセスする道路も造ります。その道路の下には上下水道も、電気ガスも通します。これらの費用は、復興費だと言うことになり、日本からの援助が使われる可能性が大いにあります。

■テロリスト?アメリカが育てた
 オバマは、イラク戦争は間違っていたが、アフガン戦争は正義の戦争だと開き直っています。理由はアフガンにはアルカイダやタリバンなどテロリストがいるからというのです。しかし、歴史を見るとそんな簡単なことではありません。
 タリバンはパキスタンが作った軍隊です。パキスタンとアメリカは同盟国です。アルカイダ、タリバンを含むゲリラの武器はアメリカやサウジが供給してきました。その武器で内戦が勃発しました。カスピ海からの石油パイプラインの構想のためにアメリカやパキスタンは内戦を鎮めたかったのです。そのためにタリバンを使ってアフガンを間接支配しようとしました。そのタリバンにアルカイダが紛れ込み9・11を起こしました。そしてアメリカはアルカイダは敵だ、それをかくまうタリバンも敵だと戦争を続けているのです。
 これが歴史です。しかし、私たち多くはここからのことしか知らされていないのです。タリバンや、アルカイダはずっとアメリカの敵のテロリストだと教えられていますが、アメリカはマッチポンプの闘いをやっているのです。

■戦争は儲けの種
 戦争はなぜ起こるのでしょうか。テロリストがいるから、宗教が違うから、民族が違うからなどというのは口実であって、実際は儲かるからです。それは、戦争の民営化が進んでいることからも明らかです。アメリカに次ぐ第2の軍隊はイギリス軍ではなく傭兵です。民間軍事会社・PMCが戦争を請け負っています。
 ブッシュ前大統領の父のブッシュ元大統領やチェイニー、パウエル前国務長官、ライス国務長官などブッシュ政権関係者がこの民間軍事会社の経営にかかわっています。ブッシュ政権はまるごと軍産、石油複合体だったのです。サウジのビン・ラディン一族とブッシュ一族は、9・11テロのときに同じ会合に参加していました。民間軍事会社一族なのです。
 アメリカは、物づくりをやめた国ですが、軍需産業だけは手放しません。この不況の中で、これら関係者が労働者を含めて、戦争での景気回復を望むことにならないよう注意しなければなりません。そして、それら戦争をあおるマスメディアにも注意が必要です。湾岸戦争、イラク戦争、トンキンワン事件も嘘をメディアが広げ、戦争をあおりました。満州事変もそうです。この問題を深く追求する必要があります。変えていくのは難しいことですが。

■オバマも菅政権も厳重な監視を
 こんな事ではだめだとアメリカの人々は、イラク戦争に反対しているオバマを選びました。しかしオバマはアメリカ国民と世界の人びとの期待を裏切っています。オバマの背後には、巨大な選挙資金を出した投資会社、軍事産業、これとつながったカリフォルニア大学、マイクロソフト、これとつながる東芝などがあり、これらは戦争遂行であり原発開発です。
 日本の政権交代でも、民主党は選挙民の期待を裏切っています。
 共和―民主、自民―民主ではなく、民意につながる本当の第三極が必要なのでしょう。





関西共同行動ニュース No54