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●編集後記

海外に生活するにはパスポートが必要だ。ところで「在日」朝鮮人は日本在住のパスポートを持っていない。なぜか。百年前の韓国併合以降、「日本政府」が朝鮮人を「日本人」としてパスポートなしに連行してきたからだ。戦争になって死に玉に不足してくると「君も今日から立派な日本人」として前線に送り込んだ。そして戦争に負けるや否や、「あとはよろしく」とばかり、サンフランシスコ条約でもって「朝鮮・台湾、そして北方4島の放棄」を条件に、戦後賠償を免れ無事経済復興を早々と果たした。それだけではない。保守政権の要ともいえる「軍人恩給」はその「放棄」を理由に「元日本兵」には適応されなかった。と同時に一方「戦犯裁判」では、「同罪」として多くが刑死を宣告された。日本人は、戦争が終わったのちにも彼らを踏み台にして「戦後処理」をやり過ごし、挙句の果てに国内にあっては戦時中大臣でもあった岸信介を総理大臣として日米安保を強行採決するという売国的輩を登場させた。
まだある。戦中広くアジアに散在した日本人は、悲惨な状況中で帰国したわけだが、そこでも「朝鮮人」は今や「非日本人だから」という理由でわずかな帰国船にも乗せてもらえなかった。取り残された多くの朝鮮人は戦後どのように生き延びてきたのか。自分を「日本人」として規定するのであれば、そのことを知らなければならない。ある時は「日本人」、ある時は「朝鮮人」とし得る「国籍」とはそもそも何なのか。「戸籍」につながる「単一民族」云々こそは、「天皇制」を支え「日の丸」を掲げる「共同幻想」の最たるものであり、粉砕しなければならない第一のものだ。多くの諸先達の労苦は、憲法前文にあるまさに「主権在民」とは何なのかを戦後65年を経てなお「外国人」である朝鮮人の尊厳と、逆照射された「日本人」の有様に警告を発しつつ、今日まで試されてきた。僕はそれを引き継ぐ。「在特会」の横暴を許さない。(古橋)


関西共同行動ニュース No53