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●「君が代不起立」の教員に戒告処分が発せられる! 大阪府教委は府立高校15校の入学式で、「君が代起立」の職務命令・処分をすすめようとした。
【Dサポーターズ・教育の自由を取り戻す会】松村宜彦


いま府立高校で起こっている事態を報告します。今年3月に卒業式を控えた府立東寝屋川高校で、3年教員に対して校長から執拗な君が代斉唱時の「起立か否か」の問い合わせ、起立の強要がおこなわれました。そして府立高校で初めて、3年の教員に対して校長が「君が代起立」の職務命令を出し、起立に応じない4名の教員に、4月早々府教委は今までになかった重い処分の「戒告処分」を行ないました。
大阪府教委は府議会で、橋下知事のとりまき議員に卒業式・入学式での君が代起立の管理・徹底を迫られ、教育長自ら「私が直接教員に職務命令を出してでも、起立を徹底する」と答弁しました。しかし、教育長には教員に直接の職務命令を発する権限などなく、まさに違法な勇み足の答弁だったのです。
そして矢継ぎ早に、卒業式で複数名の不起立があったと報告のあった府立高校15校で、入学式に向け校長が職務命令の発動をほのめかして、1年担任団に「君が代起立」を強要しようとしました。実は事前に、15校の校長一人一人を府教委幹部の居並ぶ中に呼び出し、しつこく「現場で新1年担任の全員を起立させよ」と迫った府教委の動きがあったのです。
しかし東寝屋川校長に対しては、保護者OB有志を初めとする数団体が「君が代強制撤回」の申し入れ・要請を行い結果的に、1年担任団に対しては個別呼び出し、職務命令は発せられませんでした。この申し入れの中には、枚方の「不起立調査抹消」裁判で、起立・不起立の調査は思想・信条の調査にあたり違法であると断じた、大阪高裁判決文の校長手渡しも含まれています。名前のあがった北河内の他の4校でも、校長が入学式の数日前に職務命令は出さないことを言明するなど、職場の取り組みで君が代強制の異常な事態をくいとめました。
攻撃の矛先が、思想・信条の自由を初めとする子どもの権利を守ろうとする教員にじかに向けられています。本来、生徒・児童の成長を保護者とともに祝う場である卒業式・入学式で、違法な教員への思想調査と強制にあたる職務命令が乱発されようとしています。今、この事態を大きく社会に知らせ、教員と市民・保護者がともに子どもを大切にする式とは、教育とは何なのかを発信することが必要と考えられます。





関西共同行動ニュース No53