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●岩国・愛宕山を守る会の活動について 【愛宕山を守る会・世話人代表】 岡村 寛

岩国市民の悲願であった米軍基地戦闘機の墜落防止、騒音軽減等のための、基地沖合1qの「滑走路工事」が、米軍再編計画によりその受け皿とされようとしています。
また、その移設工事埋め立て用土砂供給の為、岩国市の中央部に位置する愛宕山を切り崩し、その跡地に、21世紀型多機能都市建設を山口県が都市計画決定し、新住宅市街地開発事業として「愛宕山地域開発事業」を始めた。しかし、その埋め立て用土砂搬入が終了した途端、山口県は、経済状況の変化により住宅需要の減少、地価の下落、巨額の赤字の発生を理由に《愛宕山を削っただけ》で事業の中止を決定しました。
「滑走路移設工事」は防衛省の思いやり予算を使い、また「愛宕山地域開発事業」中止後の跡地は、米軍再編に伴う”米軍会計社の住宅用地の有力候補“と早々に防衛大臣は意思を表明し、山口県知事は一貫して国に買い取り要求している。
岩国市民はこうした国や県のやり方に困惑し、憤りました。市議会は混乱し、市民が分裂するなかで、市民は、平成18 年3月住民投票で米軍再編に反対の意思を示し、広域合併による新市長選挙でも米軍再編反対の市長を再選する等明確に国の政策に「NO」の意思を示しました。しかし国は、建設途中(最終年度)の市庁舎の補助金(35億円)のカット、再編事業交付団体の除外等なりふり構わない理不尽なやり方で押し通し、市議会を操り予算成立を盾に市長辞任に追い込み、市長選挙戦は、再編容認派の候補者のデマ、中傷にまみれた下品な市長選挙となり再編容認派の市長が僅差で当選しました。国は、旬日足らずで市庁舎補助金の交付決定を、また「アメとムチ」の象徴の再編事業交付団体に岩国市を指定するなど露骨に強行しました。
国は、再編スケジュールが岩国で支障なく進み市民の反対も無くなったと言い始めました。市民の間にも無力感、諦め感が漂い、「外交・防衛は国の専管事項」、「国のやることに抵抗は無駄」という雰囲気が広がり始めました。
我々、愛宕山周辺の牛野谷地区自治会有志は、このような事態を心配し、放置するのではなく、我々地元の関心事項を国や県にはっきり主張する必要があるとして08年7月9日「愛宕山を守る会」(以下「守る会」という)を立ち上げました。
「守る会」の目的は、「愛宕山に米軍住宅・施設は要らない」一点です。設立総会には、地元住民を中心に百名が参加し、目的貫徹の為、あらゆる行動をすることを誓いました。同年7月14日には、岩国市内の市民団体8グループの支援を受けて「愛宕山を護る市民連絡協議会」も発足しました。
「守る会」の目的を達成するための基本的な要望事項は、次の通りです。

(1)愛宕山地域開発跡地に米軍住宅・施設建設反対
(2)愛宕山地域開発事業は、縮小してでも県民、市民の為に当初の目的に添った計画を実行すること
(3)愛宕山地域開発跡地にあった「風道・水路」(法定外公共物)の現状復帰
(4)愛宕山地域開発事業について、地元住民の要望・意向を考慮すること

「守る会」は、発足以来、抗議行動、署名活動、各種集会や要請活動など精力的に行い、岩国市民のみならず全国の心有る人たちにご支援を頂き、それなりの成果をあげることができました。これまで皆さまのご支援・ご協力に心より感謝し熱くお礼申し上げます。これからも宜しくお願いいたします。

現在岩国では、岩国基地に関連する4件の裁判が同時進行で行われています。今まで岩国市民はおとなしく戦前からある基地については、国のやることだとして、一定の理解を示してきました。
しかし、今回の米軍再編に伴う米軍岩国基地の機能強化とそれに伴う国や県の地元対応について、不満・疑問等、市民の意識に変化が起こり、明確に市民の意思を表明し始めました。

■その1■海の裁判(沖合移設事業埋め立て承認処分取り消し請求訴訟・行政訴訟)/提訴日:平成20年2月7日(口頭弁論9回終了、次回2月23日)/原告団長:田村順玄さん、原告18名/被告:山口県(処分行政庁:山口県知事)
■その2■空の裁判(岩国爆音訴訟・民事訴訟)/提訴日:平成21年3月23日(口頭弁論3回終了、次回2月25日)/原告団長:津田利明さん、原告654名(追加提訴含む)/被告:国
■その3■陸の裁判(愛宕山開発事業認可取消請求訴訟・行政訴訟)/提訴日:平成21年7月31日(口頭弁論1回終了、次回1月14日)/原告団長:岡村寛さん、原告19名/被告:国(処分行政庁:中国地方整備局)
■その4■テーブルの裁判(愛宕山開発に係る市長協議報告非開示決定取消請求訴訟・行政訴訟)/提訴日:平成21年9月2日(口頭弁論1回終了、次回2月10日)/原告団長:岡田久男さん、原告1名/被告:岩国市(処分行政庁:岩国市長)おかげさまでどの裁判も満杯の傍聴者でした。裁判所の傍聴席を埋め尽くすことも大切な裁判支援です。ぜひ、傍聴にご参加ください。
最後に、我々の行動にご支援と訴訟維持の為、ご負担のならない範囲での金額で資金カンパのご協力をお願いいたします。
★郵便振替口座「01320―9―100651」加入者名:愛宕山を守る会(他行からの振込口座「店番139 預金種目 当座/口座番号 0100651」)






関西共同行動ニュース No52