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●基地も安保もいらない! 【関西共同行動】 中北龍太郎

■はじめに
沖縄基地問題は、安保と改憲の行方をも決していく分水嶺です。沖縄基地の闘いの勝利は、安保体制を克服する潮流を創り出し、改憲の動きを断ち切り、九条を活かした平和の世を建設する、そうした道を切り拓くための決定的な一里塚ともなります。
私たちは、こうした認識を踏まえて、「一〇・一二 戦争あかん基地いらん関西集会」や「一一・三 武力で平和はつくれない大阪憲法集会」で、沖縄基地問題で動揺を重ねている鳩山政権のその揺らぎを主体的に反戦平和運動のチャンスとしていかし、普天間基地閉鎖・辺野古新基地建設阻止を実現し、そして反戦平和のための本物のチェンジへの道筋を創っていこうと意志一致しました。
鳩山政権は、二〇一〇年の一定時期(五月ころとも言われている)まで普天間基地の移設先を先送りすると決めました。このような迷走が深まっている状況をより大きなチャンスにしていきましょう。

■基地はいらない
二万一千人が参加して開かれた「一一・八辺野古への新基地建設と県内移設に反対する県民大会」は、「新政権に代わった今、あらためて、県民の新基地建設ノーの意思を明確に」するとともに、「世界一危険な普天間基地は一日も早く閉鎖し返還すべきだ。」と決議しました。
鳩山政権は、こうした沖縄県民の基地NOの声に応えて、普天間基地の閉鎖と辺野古新基地建設を中止する責務を負っています。民主党は、先の衆院選のマニフェストに「沖縄県民の負担軽減の観点から、米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む」と盛り込み、選挙戦のさなかにおいても鳩山民主党代表は「普天間基地は国外、最低でも県外に移設する」と明言していたからです。公約違反はあってはならないことであり、それは沖縄県民や国民に対するペテン・裏切りだとの厳しい批判は免れません。
海兵隊のベース・普天間基地の周辺では米国の安全基準で利用禁止区域とされているところに公共施設・保育所・病院が一八か所、住宅が八〇〇戸、約三六〇〇人が暮らしており、米軍ヘリの事故が起きれば多数の死傷者が出ることは必至で、普天間基地はまさに世界で最も危険な基地です。
普天間基地の撤去は人命問題であり、代替基地建設を撤去の条件にすること自体人命軽視にほかなりません。
辺野古に作られようとしているのは飛行場・ヘリ着陸場・軍港が一体化された最新鋭の巨大海上基地です。飛躍的に強化された海兵隊基地が半永久的に沖縄に居座り続けることになるのです。他方、サンゴとジュゴンの豊かな美ら海は破壊され、周辺住民は新たな基地被害に苦しむことになります。
国土面積にしてわずか〇・六%のところに米軍基地の七五%も押しつけられてきた沖縄に、基地をたらい回しして新たな基地を押しつけるような国策は、絶対に許されない蛮行です。命は宝という思いから発せられた人殺しのための軍隊・基地はいらない沖縄県民の願いは、絶対的な普遍性があります。私たちは、この思い・願いをしっかり共有し、連帯を深めましょう。

■安保もいらない
普天間基地の沖縄海兵隊は、ベトナム・湾岸・アフガン・イラク戦争で常に先陣を切って殴りこみの任務を遂行してきており、文字どおり侵略の尖兵としての役割を担ってきました。その拠点の強化は、海兵隊の侵略性をより一層強めることになります。
沖縄基地の再編成を要の一つとする米軍再編は、対中、対北朝鮮との戦争を想定して、日本をその戦略根拠地、最前線基地にしていくことを目的に着々と実行に移されています。アメリカはまた、世界を牛耳っていくために、世界中にはりめぐらした侵略のための軍事基地網をさらに強化しようとしており、グアムと沖縄の基地強化もその一環で、両基地を連動させてアジア太平洋における米軍のプレゼンスを高めようとしています。
オバマ政権はこうした野望を強行するために、日本政府に恫喝まがいの強圧をかけてきています。それは、日米安保を根拠に日本を属国化してきたアメリカの対日支配政策の本質をむき出しにするものです。脱対米従属と言ってきた鳩山首相も、外圧の前に腰砕けになり、辺野古基地NOを明言せず迷走を深めています。鳩山政権も安保の金縛りにあってしまっているのです。
沖縄の新基地建設の動きは、安保が存在するがゆえに起きているのです。安保こそまさに諸悪の根源なのです。二〇一〇年は安保改定五〇年の年です。来年こそ、新基地建設の動きの根幹にある安保を根本から問い直す年にしましょう。そのことを通じて、基地の押しつけあいという不毛な堂々巡りを克服していきましょう。

■九条を選びとろう!
普天間基地問題がどのような結末をむかえるかは、これからの日本が戦争の道か平和の道か、そのどちらの方向を進むことになるのかを決することにもなります。普天間基地閉鎖・辺野古新基地建設断念は、安保に大きな風穴を開け、米軍とともに戦う体制づくりをやめさせる決定的な転機となります。他方、普天間基地の辺野古への移設は、日米軍事同盟の深化を決定づける契機となります。
後者の道をたどれば、同盟の深化とともに、ともに戦う体制づくりが進行し、集団的自衛権の行使、武力行使を目的とした海外派兵に至る危険性がどんどん高まっていきます。民主党政権がこうした軍事政策を進めれば、自民党はそれを後押しすることは必定であり、かくして本格的な安保翼賛体制がつくられることになります。
そうなれば、九条改憲はまさに一秒前ということになりかねません。その兆候は、鳩山政権が国会法改正によって、内閣法制局長官の国会での答弁を禁止しようとしていることにも表れています。
答弁禁止は、「集団的自衛権の行使、武力行使を目的とした海外派兵は違憲」としてきた内閣法制局長の見解を封じ込め、戦争のできる国づくりのための解釈改憲を自由自在にしようする企みといえます。こうした解釈改憲が明文改憲の露払いとなっていくのです。
揺らいでいる鳩山政権を前に、民衆運動がイニシアティブを発揮し、沖縄の人びととともに、基地のない平和な島、安保ではなく九条をいかす、そんな未来を選びとりましょう。






11.8 辺野古への新基地建設と県内移設に反対する沖縄県民大会



関西共同行動ニュース No52