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自衛隊に市民の監視を! 国会議員秘書 服部良一

解散風が吹き荒れた昨年秋の臨時国会、インド洋の給油延長が審議されている真っ最中に起きた田母神事件は、文民統制の危機として国内外に大きな衝撃が走った。アパグループの懸賞論文「真の近現代史観」で最優秀賞となった前空幕長田母神論文が「侵略は濡れ衣」と政府の公式見解を否定、また集団的自衛権や武器使用に関する憲法解釈についても政府見解を否定する持論を展開、防衛省は直ちに空幕長を解任し火消しに躍起になる一方、懲戒処分を避け七千万円の定年退職金を支払うという腰の引けた対応に批判が高まった。
国会では十一月十三日、参議院外交防衛委員会に田母神を参考人招致し追求したが、そのふてぶてしい居直りは唖然とするものであった。航空自衛隊教育課や小松基地「第6航空団」が懸賞論文応募に組織的に関与していた実態も判明したわけだが、田母神自身の関与を聞かれて「私が指示をすれば千を超える応募があっただろう」という発言に「軍事クーデター」の影が頭をよぎった方も多いのではないか。事実自衛隊幹部学校では二〇〇三年から右翼講師による「国家観・歴史観」講座が開設され、組織的に偏向教育が行われていた。こうした危機感を反映し十二月には参議院外交防衛委委員会として都内の幕僚統合学校に視察に入り、「防衛省・自衛隊における教育のあり方を総点検し、国を守る意識や歴史観も含めて、適切な教育を行うこと。」という委員会付帯決議もあげることとなった。
しかし昨年末ようやく防衛省自身による調査報告書が出たが、この中では「文民統制の面からも適切でない重大な事案」とし「歴史観・国家観」の講義についても「バランスを欠いていた」と認める一方で、防衛省の組織的関与や処分等についても問題なかったとした。しかし、今一番必要なのは、再発防止策はもちろん、自衛隊そのもののあり方について根本的な議論ではないか。ドイツで行われている「オンブズパーソン制度」の導入を含めて市民による自衛隊の意識や政治的発言、教育をチェックしていくことがなければ、暴走を引き戻すことが出来なかった戦前と同じ轍を踏むことにもなりかねないと思う。一過性の問題で終わらせてはならない。

■国会報告。

@ 高江のヘリパットの件―沖縄の国会議員団と防衛省地方協力局長(井上源三)との交渉。議員出席は、照屋・赤嶺・糸数・山内。私は出席出来ませんでしたが、かなり激しいやりとりが。
B 公共事業チェックの会―泡瀬干潟問題で、内閣府とのやりとりがありました。
A 教科書検定問題での要請―琉大高島教授や執筆者石川さん、教科書ネット俵さんから国会議員団への要請。赤嶺・糸数・山内・神本議員参加。


関西共同行動ニュース No49