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『改憲法案に反対する、国会内外の闘い』 高田 健(許すな!憲法改悪・市民連絡会事務局)

 「アーミテージレポート2」などに象徴される米国の圧力のなかで、訪米の手みやげにしたいとばかりに安倍首相はなりふりかまわず「改憲手続き法」の成立を急いでいる。
 与党は3月末、単独で「併合修正案」なるものを国会に提出した。これは従来の議論の経過から修正案では外すことになっていた公務員・教員の「地位利用」による国民投票運動に対する罰則規定を入れるなど、より強硬な法案になっている。民主党は4月10日、同党案の修正案を出して対抗しようとしている。それはテレビのスポット広告の全面禁止など、市民の意見を一部取り入れてはいるものの、その修正案の内容はもともとの同党案にはなかった「公務員・教員の地位利用の禁止」を罰則は伴わない「訓示規定」として新たに導入するなど、与党との妥協を考慮に入れたより後退したものになっている。
 その他、従来から指摘されてきた改憲手続き法案が持っている多くの問題点と合わせて考えるなら、これらの法案はいかに触ってみても、改憲案を成立させるために有利に仕組まれた法案であるという本質に変わりがなく、一旦、廃案にして出直す以外にないことがますます明らかになってきている。
 東京では「許すな!憲法改悪・市民連絡会」や「憲法会議」など、憲法8団体が幅広く事務局を構成し、01年5・3憲法集会から6年にわたる共同を積み重ねてきた「5・3憲法集会実行委員会」は、こうした動きに反撃し、国会内外で運動を強めようと「STOP!改憲手続き法」の行動を相次いで積極的に提起してきた。
 この通常国会の開会日には社民党や共産党の党首も参加する院内集会を行い、その後3月29日までに7回にわたる衆議院議員面会所での集会や、3月2日に二千人が参加した日比谷野外音楽堂での集会などを開いた。同実行委員会は4月12日にも日比谷野外音楽堂での集会や議面集会を準備しており、憲法施行60周年の5月3日には一万人の銀座パレードも準備している。
 一方、昨年の臨時国会での教育基本法改悪反対の高揚をつくり出すうえで重要な役割を果たした国会前ヒューマンチェーンの運動を引き継いで、「STOP!改憲手続き法、国会へ行こうアクション、安倍内閣の暴走を許さない!止めよう、戦争のできる国づくり・ひとづくり、九条改憲反対、改定教育基本法関連三法改悪反対、米軍再編特措法反対、少年法改悪反対、共謀罪反対、イラク特措法延長反対」の行動が3月中には二波にわたってとり組まれた。この運動は一人一人が呼びかけ人となって主体的に行動しようと言う主旨で呼びかけられ、現在、千人ほどの市民が呼びかけ人になっている。国会前での市民の行動に対して、このところの警察の干渉・介入は目に余るものがあるが、そうした弾圧をはね返して行動が続けられている。国会の前ではリレートークの合間にはシュプレヒコールが響き、さまざまなメッセージボードやリボンが掲げられ、キャンドルやペンライトが灯された。第二波の行動では喜納昌吉参議院議員も持ち歌の「花」を歌って参加した。ひきつづき4月17日に第三波のヒューマン・チェーン行動も呼びかけられている。
 同時に市民連絡会や宗教者、その他の市民団体のよびかけによる民主党や公明党の議員などに対するロビー活動もくり返し取り組まれ、さまざまな団体からは国会議員へのFAXや電話、メールなどでの働きかけが呼びかけられた。こうした結果、衆議院憲法調査特別委員会の委員のところには数日で千枚にものぼるFAXが届くようになり、委員長の中山太郎の事務所ではFAXのコンセントを抜いてしまったといわれるほどだった。こうした行動をはじめ、全国各地でこれらに呼応し、連帯する行動が起こされた。4月中旬の衆議院での攻防とそれにつづく参議院での攻防を見据えて、国会外の運動はいま急速に盛り上がっている。4月6日に発表された「読売新聞」の世論調査、10日に発表されたNHKの世論調査ともに、九条を変えるべきではないとの声が九条改憲の声を大きく上まわっており、この傾向がこの数年の趨勢になっていることが示された。ガンバればそれだけ前進できる情勢だと思っている。

関西共同行動ニュース No44