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『戦後60年 この日本のあり様を根底から問う!―第1回弁論始まる― 徐翠珍(靖国合祀イヤです訴訟)

 06年8月11日、原告9名が靖国神社と国を被告に「合祀取消」を求めて大阪地裁に提訴しました。
 第一回弁論はまず2名の原告、楊元煌さん、古川佳子さんの冒頭陳述から始まります。
 楊元煌さんは台湾原住民(セイダッカ族)出身、1930年におきた「霧社事件」で日本軍に殺害された頭目の孫であり、同じく「霧社事件」で犠牲となった「花岡二郎」の義理の甥にあたります。合祀取消要求の対象になるのは第一回「高砂義勇隊」として徴用され、戦死させられた義父です。
 「霧社事件」で生き残った子供たちが青年になると「高砂義勇隊」として南洋の戦場に送られ、多くの若者は二度と故郷の土を踏むことはありませんでした。二代にわたる日帝からの虐殺。この残酷な「二代族滅」を、今、彼らは怒りを込め糾弾し続けている。
 靖国神社には、この「高砂義勇隊」をはじめ約2万8千名が合祀されています。台湾を侵略した日本軍「加害者」と「被害者」が一緒に祀られ続けているのです。
楊元煌さんは長く歴史の中に封印されたこの事実を知る中で、大きな怒りをもって「合祀取消訴訟」に立ち上がりました。
原告古川佳子さんは知る人ぞ知る1972年「箕面忠魂碑訴訟」の元原告です。戦死した二人の兄は「天皇に忠義を尽くすために死んだのではない」。侵略軍の手先として囚われ続けている兄たちに、「悔しかったら安らかに眠ってなんかいないで、共に闘おう」と呼びかけ、合祀取消の声を上げました。
 原告9名、それぞれになみなみならない決意をもっての「合祀取消訴訟」です。
 思えば靖国に親族を合祀されている人は山ほどいるはずです。天皇の兵士としての戦死を賛美されることに「NO」の声を発せず、黙っていることで「合祀」を喜んでいる人として「カウント」されるのです。かっての侵略戦争に「NO」と言えなかった民衆が、結果として侵略兵士として駆り出されていったその構造と同じではないでしょうか。
 しかもこの闘いを取り巻く今日の日本の状況は、小泉政権から安倍政権へと、戦後民主主義を全否定するがごとき有り様です。靖国合祀拒否の闘いとは、アジアの民衆と日本のわずかな良心との共同作業として、戦後60年のこの日本の有り様を根底から問い直す闘いでもあります。多くの仲間たちの支援、注目を呼びかけます。
 この訴訟にかける原告たちの思いと決意にじっくりと耳を傾けたいと思います。第一回裁判の傍聴・裁判報告学習集会(10月24日(火)1時30開廷/大阪地裁/同日6時30/エル大阪)への結集を!
関西共同行動ニュース No42