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『九条の会 4・1大阪講演会報告』 星川洋史(関西共同行動)

 「『なぜ九条を変えてはいけないのか』ということを分かっていないような方こそ、参加してほしい。自由な言論を押さえつける『国民投票法』が取りざたされている。今こそ、憲法を守る声を大きくしたい。」(三月二〇日の記者会見での大谷明宏さんの発言)との願いを込めて「九条の会・おおさか」発足一周年記念講演集会が、四月一日大阪国際会議場でもたれ、約二〇〇〇名が参加した。
 講演会は、津村明子さん(大阪府生活協同組合連合会会長)の司会、直木孝次郎さんの開会の挨拶で始まった。リレートークの最初は、音楽評論家の日下部吉彦さんと元毎日新聞大阪本社編集局長の古野喜政さんが行い、古野さんは戦争の悲惨さと言論の自由の大切さを語り「今日ここに集まった一人が五人、一〇人に憲法の大切さを話していこうと訴えた。ザ・ファンクの音楽の後のリレートークでは呼びかけ人の清史彦さん(真宗大谷派瑞興寺住職)と松浦悟郎さん(日本カトリック正義と平和協議会会長)が話した。清さんは「憲法九条は、『殺すな』命を傷つけてはならないというお釈迦様の教えそのものです。声高に『愛国心』を強調する人々が、他国の言いなりになってこの国を悪い方向へ進めようとしているのではないか」と話し、松浦さんは、紛争が続くユーゴの青年や息子を軍隊に送ったロシア人の母親の憲法九条に寄せる熱い思いを紹介し、「憲法九条は人々の希望です。これを手放さないよう声を上げていきましょう。」と訴えた。
 音楽九条の会の演奏、他言無用のライブの後、この日のメインの大谷明宏さん(ジャーナリスト)が講演した。大谷さんは、「自衛隊イラク派兵への疑問を問いかけるビラ配布が弾圧され、相談するだけで処罰される『共謀罪』や、愛国心を押しつける教育基本法の動きがある」と警告し、「『なぜこんな息苦しい世の中になったのか。なぜ反対しなかったのか』と未来の世代に問われないように危険な動きを止めなければならない。」と訴えた。司会の津村さんが講演会のまとめを行い、五月三日には、様々な憲法集会が行われることを紹介し、「いつの日か『九条を守ることができてよかったね』と喜びあえる日が来ることを願います」と締めくくった。
 二〇〇〇人の参加は、確かに少なくはない。しかし、大谷さんが願った「なぜ九条を変えてはいけないのか」ということを分かっていないような人々を集めることには遠く及んでいない。関西共同行動が独自の取り組みを強めるとともに、他の憲法団体の人たちとともにどう協力し、貢献していくのかが問われていることを痛感させられた講演会だった。
関西共同行動ニュース No40