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『憲法を守ろう近畿の集い』報告 長崎由美子(護憲大阪の会)

 11月18日 エル大阪で「憲法を守ろう近畿の集い」が、参加者600人弱で開催された。憲法行脚の会近畿主催で、政治評論家の佐高信さん、土井たか子さんそして衆議院議員辻元清美さんの鼎談が熱く語られた。自民党による新憲法草案が10月28日に発表され、いよいよ憲法改悪の危機が高まる中、しっかりと憲法を活かし守る闘いを広げるためにも有意義な集いであったと思う。
 トップバッターの辻元清美さんは、憲法調査特別委員会のヨーロッパ視察から当日帰国したばかりで、欧州各国の国民投票制度視察報告からスタートした。スペインではフランコなどの独裁政権を国民投票で支えた反省から多数派の暴走を食い止める手続きがある。スイスは国民投票を年四回し、遺伝子組み換え認可についてなど決めている。
 オーストラリアはドイツとの併合をヒットラー時代国民投票で90%の賛成で成立した反省を持ち、憲法の根幹を変える事には慎重である。総じて国民投票に批判的な面を持ちながら慎重に運用している。憲法改正にも慎重である。国会で与党が3分の2を越えた憲法調査会の殺伐とした雰囲気もリアルに伝えた。
 この後、佐高信さんからは小泉が自らなぞらえる織田信長が改革の名の下に大量殺戮したことをあげ、殺す側に立つ者を認められない。満州引き上げを経験したのなかにし礼のことばで、関東軍が市民を守らなかったことをあげ、軍隊は害あって益なし、憲法九条こそ本当に国民を守るものであるなどと提起し、土井たか子さんは、憲法の3原則、主権在民、平和主義、基本的人権の尊重に反する法律は排除されることを語り、議会制民主主義がないがしろにされる国会の有様を嘆いた。そして九条を変えないと言いながら、第2項を変えることで戦争放棄を骨抜きにする欺瞞を怒った。
 憲法は改正であって改悪とは分けるべきだ。改憲論者である小林節慶応大教授が、小泉の暴走で法律が憲法を無視するようななかで憲法を改正できないと護憲を言い出している。新聞は、米軍基地のグアム移転費用や再編費用を日本が3000億円負担することを報道もしない。以前なら大問題になっていたと語った。佐高さんからは、城山三郎の戦争体験から原爆も白い衣で防げると信じられていた愚かさ、戦争の悲惨さを代償にして得た唯一ものが平和憲法であると語られた。
 最後に、これからどうして憲法を守る闘いをしていくか、佐高さんからはどう周りに分かりやすく説得していくかが大切であること、土井さんは憲法九条を守る幅広いネットワークをいかに作り出すかについて語った。辻元さんからは、長野県では憲法九条改悪反対の署名を県民の半分を集める運動を始めたことを紹介した。憲法改悪が、市民の自由も民主主義も平和も奪うことになることをいかに生活に根ざした言葉で語れるかが、今後の運動のカギであることを実感した。

関西共同行動ニュース No39