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橋下新大阪府知事へ 岩国市民投票問題で申し入れ

申し入れ

大阪府知事 橋下 徹様

 橋下さん、あなたは、大阪府知事選直前から、米軍艦載機の移駐反対とそれが原因での市庁舎建設費援助差止めをめぐって、辞任した井原勝介岩国前市長の非難を始め、府知事当選以降も非難を強めています。これは、明らかに2月3日告示になった岩国市長選を利用した、米軍艦載機移駐を承認する悪質な政治介入です。
 あなたは、米軍艦載機の移駐について、岩国市民が、基地騒音の強化、米軍兵士の犯罪の増加などを心配し、87、4パーセントもの人びとが反対に投じた市民投票を、「国の防衛政策に地方自治体が異議を差し挟むべきでない」と非難しています。
 これまでも深刻な基地被害を受けてきた岩国市民が、被害が一層増強されることを心配し、拒否を表明することのどこが悪いのでしょうか。また、市長が市民投票で、市民の意思を確認し、それの基づいて市政を行い、国・政府に「もの申す」ことのどこがいけないのでしょうか。
 今回政府がカットした岩國新市庁舎建設の35億円補助金は、1996年SACO合意に基づく、普天間からの空中給油機受け入れと引き換えにに確約された49億円の一部であり、今回の厚木基地からの空母艦載機移駐拒否とは、まったく関係のない補助金です。しかしそれを強引に、一方的に、国が約束を反故にしてきたことをご存知ですか。このような国のやり方に対し、府政を預かるものとして井原市長とともに、国に抗議するのが本来の首長の役割ではないでしょうか。
 わたしたちは、現状を知ることなく、マスコミと自分の地位を利用して住民投票を批判するあなたの姿勢を見るにつけ、これからの大阪府の自治がどうなるのかと非常に憂慮します。
 あなたは、「住民投票は議会で成立した条例に基づいて行われ、住民の意思が明確に示されたもの。とやかく言われるのは筋違いだ」という岩国市長の反論に対して、「もう少し憲法を勉強してほしい」と反論しました。これに対して政治学者や憲法学者などが、「住民の意思の確認・表明なのだから、憲法が制限することはあり得ない」「住民の声を直接聞いて、その結果を地方自治体の意向として国に示して実現を図っていい、というのが憲法の考え方だ」と、あなたの勉強不足を指摘しています。また、あなたと同じ弁護士出身の愛知県の神田知事は、「国の方針に対して地方自治体もすべて唯々諾々と飲み込むのはおかしい」「住民投票は民主主義で重要な手段のひとつ」と批判しています。
 これらに対してもあなたは、「学者なんかに政治の現場での生の憲法がわかるわけがない」と反論し、「ではあなたは現場を知っているのか」との質問に「現場は知らない」とまったく矛盾する答えをしたそうですね。
 わたしたちは、大阪府知事になったばかりのあなたのこの傲慢な政治姿勢に、重大に危惧をいだいています。もし、政府がこの大阪で関西空港や伊丹空港を、米軍や自衛隊に軍事使用させ、深刻な騒音被害や基地被害を生み出しても、あなたは、「それは政府の専管事項である。府民が異議を申し立てるのは筋違いだ」というのですか。それは、府知事としての任務放棄ではないでしょうか。あなたは、岩国市長、市政と市民に、そうしたことを強要しているのです。
 静かで安全な生活を願う岩国市民に心を寄せ、平和を願うわたしたち大阪府民はあなたに、岩国市民に基地被害の受け入れを押しつけるこれまでの不当な発言を反省し、謝罪した上、撤回するよう強く求めます。
 また、大阪府政を行うに当たっても、府民の気持ちを尊重し、府民の平和と安全のために心を尽くされるよう申し入れます。

2008年2月6日
しないさせない戦争協力・関西ネットワーク代表 増田京子、服部良一、中北龍太郎、川村賢市
関西共同行動代表 和田喜太郎、原田恵子
若野正太郎(泉州沖に空港をつくらせない住民連絡会代表)、吉本ひろ子(大阪府民)、中村研(大阪府民、なにわユニオン)、栄篤志(石垣島白保に空港をつくらせない大阪の会代表)、金城良明(自主・平和・民主のための広範な国民連合)、川瀬俊治、恩地庸之(みのお・へいわのまちをつくる会代表)、大野進(全港湾大阪支部委員長)、石田俊幸(大阪全労協議長)

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