がしょん。

がしょん。

がしょん。がしょん。

がしょん。がしょん。がしょん。

がしょんがしょん。がしょんがしょん。

がしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょんがしょん。

「中継です。現在私は不気味に行進を続ける恐怖ロボの、その背中を追っています」

「このあたりには元は街があったのですが、恐怖ロボの爆撃により、今や瓦礫が散乱するのみとなっております」

「ある時はミサイルの雨を降らせて人の住む大小さまざまな集落を滅ぼし、ある時はひとりの人間を捕まえてじわじわと嬲り殺す、そんな凶行が幾度となく繰り返されてきました」

「今日の恐怖ロボの様子は、どうも何かを探しているようにも見えます。黙々と、足早に前へ前へと歩を進めています。自らが滅ぼした街の跡で、いったい何を求めているというのでしょうか?」

「……あっ、皆様! 見えますでしょうか!? 恐怖ロボの前方、見えますでしょうか、子供がいます! 子供が二人います!」

「手をつないで走っています。兄弟でしょうか、お兄さんと思われる大きなほうの子が、小さな子の手を引っ張って走っています。追ってくる恐怖ロボから逃れようと、必死に走っています」

「恐怖ロボは悠然と、その兄弟を追って歩いていきます。距離がどんどん離れていきます。恐怖ロボ、追いつけません……あっと、何でしょうか? 恐怖ロボが、右手をゆっくりと兄弟に向けました」

「あっ! 恐怖ロボが何かを撃ち出し、ああ、お兄さんのほうに突き刺さりました! ご覧ください、恐怖ロボ、錨のようなものを射出して、兄弟の、お兄さんのほうを仕留めてしまい……何をするのでしょうか、チェーンを一気に巻き戻してお兄さんの体を引き寄せました」

「お兄さんはどうやら心臓のあたりを貫かれたようです。すでにぐったりとしています、おそらく即死だったのでしょう……あっと、恐怖ロボ、いつの間にか左手にドリルを装着しています、あたりに回転音がけたたましく響いております! いったい何をしようと言うのでしょうか!?」

「なんということでしょう、恐怖ロボ、左手のドリルをお兄さんの死骸に突き込んでいます!! 鮮血が、肉片が激しく周囲に飛び散っています!! ああ、右腕が千切れ飛んでいきました! 恐怖ロボ、まるで愉しむかのように、お兄さんの体のあちこちにドリルを突き込んでいます! なんと惨たらしい光景なのでありましょうか!!」

「悲鳴が聞こえます……一緒に逃げていた弟さんのようです。お兄さんの惨状を見てでしょうか、座り込み、全身を震わせて泣き叫んでいます。座り込んでいる、というより……どうやら立ち上がることができないようです。腰が抜けてしまったようです。お兄ちゃん、と泣き叫ぶ声が聞こえます。弟さんの目の前で、お兄さんの死骸が今、恐怖ロボに蹂躙されています。酷い光景です」

「あっと、恐怖ロボが再び歩き出しました……お兄さんの体は見るも無残、五体をバラバラに、ドリルによって原型を留めないほど引き裂かれてしまっています。恐怖ロボに見捨てられ、虚しく瓦礫の街の中に転がっています。そして恐怖ロボは……大変です、恐怖ロボは今なお震えて動けない弟さんのほうに向かっています! 弟さんにも不条理な殺戮をもたらそうというのでしょうか!? ゆっくりと、ゆっくりと距離が縮まっていきます!」

「ああ、とうとう恐怖ロボの手が弟さんを捕まえ、空中に引きずり上げました! 弟さんは泣き叫んでいます、恐怖ロボから逃げようと必死に暴れて……」

「大変です、先程のお兄さんの時よりもさらに恐ろしい光景が繰り広げられています! なんと恐怖ロボ、生きている弟さんの体に直接ドリルを突き込んでいます! 壮絶な悲鳴が辺りに響き渡っています! なんと惨い、なんという非道な仕打ちなのでありましょうか!!」

「ああ、お兄さんのときと同じように右腕が千切れ飛んでゆきます……先程と違うのは悲鳴があることです。周囲に痛々しく響きます……いえ、痛々しいという表現はとうに超えてしまっているでしょう。ああ、今度は足が……どうやら右足を引き裂かれたようです。相手を生かしたまま五体を破壊してゆく恐怖ロボ、まさに悪魔の所業としか言いようがありません」

「あっと……遠くから音が聞こえてきます。どんどん大きくなって音が聞こえてきます……ああ、あちらをご覧ください! ミサイルです! ミサイルが飛んできます! ミサイルが、どうやら恐怖ロボを目指して飛んできて……ああ、着弾しました! 恐怖ロボに着弾し、大爆発です! 凄まじい閃光と爆音そして爆風が、恐怖ロボを中心にして、一瞬にして広がっていきます! お兄さんの死骸も、そして私の体も、もはや跡形もありません!」

「何も見えません! ものすごい爆煙です! そしてものすごい熱です! ところどころで炎のような揺らめきが見えます! とても人の耐えられる空間ではありません! 収まるにはもうしばらくかかりそうです! 恐怖ロボはどうなったのでしょうか、姿は未だ見えません!」

「どのくらいの時間が経ちましたでしょうか、ようやく煙が収まってきました……あちらに何かの形が見えます、何でしょうか……ああ、恐怖ロボです! 恐怖ロボが微動だにせず立っています! なんと、あのミサイルの直撃を受けても破壊には至っていないようです……ああ、歩き出しました! なんと歩き出しました恐怖ロボ! 破壊に至らないどころかまったくダメージを受けていないようです! あれだけの衝撃を受けながら、なんということでしょうか!!」

「恐怖ロボは微動だにしなかったようですが……ミサイル着弾直前まで弄んでいた弟さんは、どうやら消し飛ばされてしまった模様です。それどころか、私が『街の名残』として紹介した瓦礫すら、もはやこの場所には残っておりません。寂しい荒野に成り果ててしまった、と言うべきでしょうか」

「ああ、恐怖ロボが再び歩き始めました。まるで何事も無かったかのように、足音を響かせて前へ前へと歩いてゆきます。あれほどの爆撃をもってしても、あの歩みは止められません。恐怖ロボが出現してから半世紀、未だ、あの悪魔の兵器を止める有効策は見つかっていません。このまま世界が蹂躙されてしまうのか、それともこの先で打開策が見つかるのか、世界各国の対応が注目されています」

「以上、中継でお伝えしました」

がしょんがしょんがしょん。がしょんがしょんがしょん。

がしょんがしょん。がしょんがしょん。

がしょん。がしょん。がしょん。

がしょん。

がしょん。

がしょん。

――――がしょん。



       

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