涸沢岳 西尾根 [冬季アルパイン]


日付 2013/01/04(金)-05(土)

天候 04日 曇り晴れ
05日 快晴
パーティー構成 やまちゃん・おれ

アプローチ 03日 [19:00]自宅==[24:00]新穂高

ルートと所要時間 04日
新穂高登山者駐車場[6:15]--《1:25》--[7:40]穂高平[8:00]--《1:15》--[9:15]西尾根末端取付き[9:30]--《3:50》--[13:20]2300mBC設営地(幕営)


05日
BC[4:30]起床[5:50]--《1:20》--[7:10]南稜合流直下(ハーネス装着)[7:40]--《0:35》--[8:15]蒲田富士--《0:20》--[8:45]F沢のコル--《0:35》--[9:20]西尾根稜上--《1:00》--[10:20]涸沢岳山頂[10:25]--《1:15》--[11:40]蒲田富士--《0:50》--[12:30]BC撤収[13:20]--《0:45》--[14:05]西尾根末端--《0:50》--[14:55]穂高平[15:10]--《0:50》--[16:00]新穂高==帰路

ルート情報 ・新穂高の駐車場はバス発着場脇から一段下った登山者専用無料駐車場あり(案内板あり)
・トイレはバス発着場にあります。
・一般的な幕営適地の2400mより下で確認できた幕営可能な場所は、1800m(3張り)・2100m(2張り)・2300m(3張り)。これ以外にも1張り程度ならなんとかなりそうな場所が多々あります。
・西尾根の取り付きは登山道が尾根末端を回り込む場所(二抱え以上ある大木が目印)
・尾根上はそれこそ1m間隔でテープがあって適切なルートを示してくれています。
・森林限界まではひたすら急登で、立木に頼る場所も多々あります。
・蒲田富士直下は急な雪壁を右上します。FIXロープがありますが凍って半分埋まっていますのでアテにはなりません。ダブルアックスなら安心ですが、下降時は雪の状態次第でFIXの残置を利用して懸垂する方がよいと思います。
・蒲田富士からの雪稜は滝谷側に雪庇が張り出しています。後半はナイフリッジになります。
・F沢のコルの傾斜が緩い場所でも滝谷側にも雪庇がありヒドンクレバスができていたりします。
・F沢のコルから西尾根稜上にあがるルンゼの傾斜はそれほど急ではありませんのでロープは要らないと思いますが、左の岩稜帯は出だしがV級程度ありますのでここを登らなければならない場合はスタカット、下降する場合は懸垂となるでしょう。(このルートを辿っていませんので支点は確認できていません。)
・稜上に出れば難しい場所はありませんが、3-4mほどの岩場を越える場所が2箇所あります。

報告&感想
山ちゃんから冬季の穂高の様子を知りたいのだけど、と誘いがあった。俺も冬季には入った事がないから躊躇なく賛同した。

計画では初日に2400mでBC設営・中日に奥穂までのピストン・最終日に下山とする行程だったが、予報によると中日の夕方から崩れ始め最終日は風雪が強まるとの事だったので、風雪の中の撤収は面倒なので中日に涸沢岳までのピストンをしてその日のうちに下れるところまで下ろうと言う事になりました。結局、予報が大幅に外れて最終日も快晴に恵まれたので、余裕で奥穂まで行けたと思いますがそれは致し方ないこと。厳冬期の滝谷も見れたし、穂高西側の概念も掴めた山行になりました。







1日目


新穂高〜2300mBC
[ 6時間 05分 ]


新穂高のバス発着所のトイレ
登山者用の無料駐車場はこのトイレの裏(下)になります。



穂高平
冬季は避難小屋として開放して貰っているようです。

どこかに行ってしまうやまちゃん(笑


西尾根の取り付き
テープもありますが、やまちゃんの左側の大木が目印になります。


傾斜が緩いのは最初だけ。
新雪の下にザラメ雪といった悪い状態の急登が幕営地まで続きます。





2300m付近の平坦地
平坦地といっても4テン一張り+下段に2テン二張り程度です。

下段には73歳になるというソロの方が幕を張りました。
昨日は風雪が強く、フライを張る余裕さえなかったそうです。





2日目


2300mBC〜涸沢岳〜新穂高
[ 10時間 10分 ]


空には満天の星が煌いていますが、予報では夕方から天候が崩れるとの事。

今日のトレースはありません。



2400mの平坦地から暫しで森林限界になります。

笠ヶ岳方面

飛騨沢方面


この斜面を登ると南稜との分岐点


蒲田富士

蒲田富士直下の雪壁部
最初は右上トラバースしてから浅い凹角状の雪壁を抜けます。

蒲田富士からの雪稜
気持ちよくトレースを伸ばしてゆけます。









最後は10mほどのナイフリッジになっていました。

写真だとあまり傾斜がないようにみえますね。

F沢のコル
この写真では分りませんが西尾根上部から2人パーティーが下降してきています。

コルの滝谷側には雪庇があるのでしょうか。
山ちゃんがヒドンクレバスに脚をとられていました。


コルから必然的にここのルンゼ状に向います。

ルンゼ状を抜けて岩稜帯を回り込むと広い雪面になります。

岩稜部はこんな感じ。
出だしでV級+といったところでしょうか。

硬く締った雪面




挨拶を交わしたら、M&Cの山本さんだった。
昨日奥穂で泊まったとの事。
よく偶然の出合いをしますね(笑

厳冬の滝谷
中央のピークはドームの頭です。
一時間ぐらいゆっくり見ていたいところですが、天気が悪くなるので気が気ではありません。


ここまでくると大キレット〜南岳〜槍の先端が見えるようになります。


あのピークが涸沢岳山頂かなと思っていたのですがまだまだでした。



前出のピークから時間的には20分弱なのですが、まだかまだかと考えながらの行程はとても長く感じます。


ようやく涸沢岳のピーク

涸沢岳 3110m


涸沢カール
当然ですが誰もいませんよね。

北穂南稜


前穂北尾根

槍・キレット・ドームの頭など

今日は俺らの貸しきりです。

ここでもゆっくりしてしていたいところなのですが、
風が強くなって雲行きも怪しくなってきました。




蒲田富士直下の下降
雪が悪く斜めに下降してゆくので、ちょいと緊張しました。





穂高平まで到着。
おやおや、すごく天気が良いですぞ。これでいきなり悪くなるのか?と疑問符だらけの快晴になってます。

新穂高に無事下山
駐車場近くの日帰り温泉は格別でした。