八ヶ岳 阿弥陀岳 中央稜 [冬季アルパイン]


日付 2012/12/23(日)

天候 23日 快晴
パーティー構成 もとい・さとう・きった・おーさわ・おれ

アプローチ 22日 [20:00]自宅==[22:15]道の駅こぶちさわ

ルートと所要時間 23日
道の駅[5:00]起床[6:00]--《0:20》--[6:20]舟山十字路[6:40]--《0:55》--[7:35]広河原沢二俣--《2:35》--[10:10]下部岩壁--《0:25》--[10:35]上部岩壁--《0:55》--[11:30]御小屋尾根分岐--《0:10》--[11:40]阿弥陀岳山頂[12:15]--《2:10》--[14:25]舟山十字路==入浴==帰路

ルート情報 ・3連休って事もあるのでしょうか、今回の舟山十字路の路肩は大混雑でした。
・取り付きは広河原沢二俣の平坦地から中央稜末端の右の尾根へ適当に取り付きました。
・出だしの1時間程は一気に高度を稼ぐために急登に喘ぎます。
・下部岩峰は、基部を終始右にトラバースして行き、最後は崩落地だと思われる急なルンゼ状から稜上に戻りました。
・下部岩壁の基部にて登攀ルートを想定してみましたが、一段上がるまでは潅木などもありW級ー程だと思います。しかし、それ以降は垂直に近い傾斜の圧倒的な岩壁ですので無理そうです。
・上部岩壁は、基部を左から裏側に回り込んで急な草付きを10m程登って稜上に上がります。
・終了は摩利支天、御小屋尾根の急下降が始まる地点。
・中央稜から見えた阿弥陀南稜P3のルンゼは大渋滞のようでした。目視できた限りでは、4-5人のPTが2組、2-3人PTが2組、単独1組って感じでしょうか。

報告&感想
阿弥陀南稜を軽装日帰りで計画していましたが、前日が荒天のためにラッセル敗退やP3ルンゼの雪崩れなどを考慮して阿弥陀中央稜に転進しました。俺も初めてのルートでしたが手軽で楽しいルートでした。

今季初めての前泊は久しぶりの道の駅こぶちさわ。翌日の長丁場を考慮して現地に22:00に集合しました。早めの現地入りでしたが、3連休で初日が荒天で日程をずらしたPTが多いためでしょうか、予想外に多くの幕が張ってありました。

計画の起床時間は4:00でしたが、入山祝いも盛り上がってしまい5:00起床に変更です。




阿弥陀 北稜や南稜に比べるとマイナーな中央稜ですが舟山十字路から日帰りで周回できる手軽さがあります。
この中央稜はロープが必要な登攀要素はほぼありませんが、急登・草付き・岩稜帯と初級者がステップアップのためにもっと入ってもよいのではと感じるルートでした。また入山者がすくないのでトレースは期待できませんが、それだからこそラッセルや局所的なルートファインディングの勉強にもなると思います。








舟山十字路〜阿弥陀岳〜舟山十字路
[ 8時間 25分 ]


舟山十字路

広河原側からの南稜分岐点

林道終点付近で阿弥陀岳が望めます。
西側からの阿弥陀岳は威風堂々としていますね。

二俣の平坦地
アイスクライミングのPTなのでしょう、8張ほどありました。
中央稜へは右の尾根の末端から適当に取り付きました。

取り付き直後は急登です。草付きもがちがちに凍っていましたので、早々にアイゼン着けます。

稜上に出ると傾斜も緩んで、右に南稜、左に御小屋尾根が樹林越しに見えるようになります。

過去には一般ルートだった面影でしょうか、樹林の中にルートが開けています。


下部岩壁が近くなってくると再び傾斜が強くなります。
2月頃になるとラッセルも厳しいでしょうね。

樹林の合間に南稜の青ナギ


木立が疎らになってくると下部岩壁が近くなります。


下部岩壁は基部のバンド状を右にトラバースしてゆきます。
トラバース途中には急な斜面や岩を回りこむ箇所があったり、途中で稜にあがれそうな斜面もありましたが、そのまま開けたルンゼ状まで伸ばした方が容易だと思います。でも最後のルンゼ状は傾斜もありますから、降雪直後なら雪崩を警戒して早めに稜にあがった方が安全かもしれません。

出だしはこんなバンド状です。


ちょっと急な斜面から...、
暫くトラバースして岩を回り込み...、

ルンゼ状を登ります。

トラバースを終えると上部岩壁が真近になります。

樹林越しに見える南稜P3ルンゼ
見え難いですが、渋滞中です。

再び稜上

上部岩壁
ここは左の斜面から岩壁裏側に回り込んで草付を登って稜上に抜けます。



下部岩壁からの稜線

10mほどの草付きは多少傾斜がありますが潅木が要所にありますので安心です。

上部岩壁の稜上に抜けると岩稜帯が御小屋尾根分岐まで続きます。

予想していたより長く感じますが、周囲の景色は最高です。


もう少し雪が積もると綺麗な雪稜になるんでしょうか。風で飛ばされるから無理かな。

先に見えるのが摩利支天


辿ってきた中央稜
八ヶ岳でもこんな景色があるんですね。

御小屋尾根分岐

摩利支天を越えて阿弥陀山頂へ

阿弥陀側から摩利支天岩峰にて
presented by o-sawa

2週連続の阿弥陀山頂(笑


御小屋尾根から見た上部岩壁の草付き部

御小屋尾根は長く辛いイメージがあったけど、阿弥陀から容易に下山する最短ルートなんですよね。前回は重荷を背負ってへべれけになってたので辛い記憶が先行していましたが、今回は快適に下山できました。

お疲れ様でした。
阿弥陀南稜はまたお預けになりましたが、
暇をみつけて日帰りしてきます。