谷川岳定着 烏帽子奥壁南稜&衝立岩中央稜 [アルパイン]


日付 2011/10/08(土)-09(日)

天候 08日 晴れのち曇
09日 晴れのち曇

パーティー構成 もり・かめやま・おれ
まやちゃん・とりい

アプローチ 07日 大船駅[21:00]==道の駅谷川[24:00]

ルートと所要時間 08日
道の駅谷川[5:00]起床[6:00]==ロープウェイ露天駐車場[6:25]--《0:50》--[7:15]一ノ倉沢出合[7:35]--《1:10》--[8:45]テールリッジ基部--《1:00》--[9:45]中央稜取付--《0:25》--[10:10]南稜テラス[10:30]--《2:45》--[13:15]南稜終了点--《3:10》--[16:25]テールリッジ基部--《0:45》--[17:10]一ノ倉沢出合--《0:50》--[18:00]ロープウェイ駐車場

09日
ロープウェイ露天駐車場[4:00]起床[5:00]--《0:40》--[5:40]一ノ倉沢出合[6:00]--《2:45》--[8:45]中央稜取付--《1:50》--[10:35]中央稜3P目終了点--《1:05》--[11:40]中央稜取付--《2:50》--[14:30]ロープウェイ露天駐車場

ルート情報 【アプローチ】
・ 雪渓がなくなったヒョングリの滝を高巻いてテールリッジ基部へ50m1Pで懸垂するが、先行PTがいなくてもテールリッジ基部まで1時間弱。2日目は5組ほどの先行PTがいたため懸垂地点で1時間以上の渋滞を食らう。
・ 高巻からの懸垂支点は上部のハンガーを利用した方が安心だが、残置スリングが古びているので新調した方がよいかも。
・ 雪渓がなくなり露出したテールリッジはスラブ状で慎重な登下降が必要となる。
・ ヒョングリの滝からテールリッジまでの各滝に支点が整備されてFIXロープが張られているが、擦り切れた箇所もあるため自前のロープでFIXを張るか懸垂をした方が安全。下降に利用できるが登高するとなると難しいと思う。

【南稜及び中央稜】
・ 残置のスリングや支点は古びたものがほとんど。捨て縄やハーケンやハンマーは携行した方が安心。
・ 南稜は後続がいなければ終了点からの6ルンゼに廻らずに同ルート下降ができるし楽。

報告&感想
一昨年の烏帽子南稜から中央カンテ・変形チムニーと登りましたが衝立岩中央稜に入るタイミングを逸していたので、「今更中央稜ですか」と渋っているやまちゃんに頼んで今回の山行となりました。

もともとの計画では、初日の中央稜で谷川に慣れて貰い、翌日の南稜をもりさんとみわちゃんにリードしてもらう算段でしたが、高巻きに時間が掛かったのと先行1組目があまりにも遅いとの事なので初日は南稜に変更しました。南稜テラスに到着しても先行も後続も見当たりません。懸垂中に1組上がってきましたが、登攀中は俺ら2PTの貸切で、結局この日は3組のみののんびりした南稜でした。

翌日は中央稜。とある渋滞予想サイトでは16:00頃から帰りの渋滞が始まるとの事。15:00には帰路につきたいため早めに行動を開始しましたが、高巻きの懸垂地点で1時間の渋滞とこの日も先行PTが遅いようで、2時間弱掛かってようやく3P目終了点に着いた時点でCLの撤退判断。もりさんとみわちゃんには核心ピッチが次回の宿題になりましたが、この判断が効を奏して関越の渋滞はほとんど気にならなずに神奈川に帰る事ができました。あのまま核心ピッチを抜けていたらルート中の待ち以外にも高速での3時間以上の渋滞に嵌った事でしょう。

今回、両日共に南稜より中央稜の方が取り付いているPTが多かったですね。6月に比べて比較的空いているようですが、出合まで車で入れない事、高巻するアプローチに時間が掛かる事、日が短い事、寒い事(初日は雪が舞っていた気がする)などの理由から、谷川に入るならやはり夏前がベストだと思います。今後、車両規制が厳しくならない事を願うばかりです。 みなさん、お疲れ様でした。



今回挨拶を交わしたパーティー:おかざきさんPT・雪童若い衆PT



1日目

ロープウェイ駐車場〜烏帽子岩奥壁南稜〜ロープウェイ駐車場
[ 11時間35分 ]


この時期だけなのか不明だけど、今回はロープウェイ乗り場より数100m下った露天駐車場に強制されてます。
出掛けに、ハンター発見(謎

AM7:00より開場のための入場渋滞

秋色の一ノ倉沢 衝立岩

こちらは東尾根

高巻があるため、一ノ倉沢出合で登攀具をつけました。
他のクライマーがいないぞ。

雪渓のなくなった一ノ倉沢沿いからヒョングリの滝の右岸を高巻きますが、沢から潅木帯に上がる岩場に問題あり。しっかりしたホールドがなく、登下降共にロープを出した方が良いところでした。

懸垂地点から見たテールリッジ末端

懸垂ポイント

中央稜の予定でしたが、取り付きで待機中のPTの話によると先行PTがめちゃくちゃ遅いとの事。南稜を見れば誰も取り付いていないので、急遽南稜に転進しました。

気のせいなんだろうか?、今回のトラバースは悪くなっていた気がする。

誰もいない南稜。
山崎隊が先行、俺らは後続します。

チムニー下のテラスまで俺が延ばして、もりさんがチムニーからそのまま2P目のフェースを登りました。最近はこのピッチの切り方が主流になってます。フェース上部ではランナウトしたとの事だけど、しっかりピンを追って行けば正解の右寄りに導かれるのですが...。

チムニー上部から見下ろした南稜下部。
後ろ髪を引かれる思いで転進してきた中央稜を見ると、1組目のリードが3P目のトラバース地点でトラバース箇所を間違えて行き詰ってるようで、1組目と後続するPTの6人が入り混じって混沌としています。烏帽子奥壁のトラバースと南稜3P分の時間を費やしてまだ3P目のスタート地点にいるなんて、あんなPTを後続していたら何時に帰れるか予想もつきません。南稜にきてよかったよかった(笑

2P目のフェースをセカンドでフォローするみわちゃん

4P目のハング下のフェースをもりさんが伸ばした後、5P-6Pの馬の背は俺が核心部下のテラスまで続けてリード。

他のPTの姿もない馬の背をフォローする2人

先行山崎隊に追いつけた(笑

7P目はもりさんのリード。
核心部が濡れていてA0してしまったらしいけど、俺らはお気軽に楽しめましたよ。

先に同ルート下降をする山崎隊

下降途中の2P目終了点で1PTとすれ違った。谷川では遅い時間から登ってくるPTとよくすれ違うけど、セッカチな俺らには考えられない行動時間だと思う。

以降は沢沿いのFIXロープの設置箇所です。
テールリッジ基部衝立沢を渡った地点からFIXが設置されています。最初は左岸のスラブ上部をトラバースし、滝横の垂直な壁の基部まで伸ばされています。高さのあるトラバースは何も手掛かり足掛かりがないので、FIXにカラビナを掛けた方が安心です。自前のロープで懸垂するとなると、トラバース途中で振られると沢まで落ちてしまいますから、ランナーをとるなど的確な手段が要求されます。

1つ目を降りたら対岸にある2つ目の滝のFIX
支点から岩の上部を越えてスラブを下降します。

その先、沢の真ん中にドカんとあるCSのFIX。CSの左右にFIXがありますが、左岸は残骸が残ってるだけ。右岸のFIXも下部まで届いていない長さです。下部がえぐれて下降するのに躊躇しますが、CSに背中を付け、フェースを足で突っ張りながらゆっくり降りればなんとかなります。

これも右岸にある4箇所目のFIX。
FIXで滝の肩から基部に降りて、水際をヘツります。

最後はヒョングリの滝の左岸。
多少手掛かり足掛かりのある立ったフェースを下降します。

高巻きから降りてきたメンバー。
立っている場所からクライムダウンするのですが、スラブ状でホールドが乏しい箇所なのでロープを出した方が安全でしょう。

山崎隊

俺隊

2日目

ロープウェイ駐車場〜衝立岩中央稜〜ロープウェイ駐車場
[ 9時間30分 ]


今日は早めに中央稜。
出合でも数組のPTが見受けれました。

沢に入って直ぐの右岸巻き道。
出合からは先行するPTを目視できなかったのですが、この先の懸垂地点では1時間以上の大渋滞(涙

取り付き。
今日も山崎隊が先行しますが、1P目終了点に先行PTがいるようです。先ほどテールリッジ基部にいるときからチラホラ見えていた数名のPTがまだ1P目付近にいるなんて、昨日といい今日といい、今回の中央稜はどうなっているんでしょうか。

ビレイ点から見下ろした1P目
後続は若い衆2人組みの雪童PT。

2P目のルンゼにトラバースするみわちゃん。
ビレイ点から見えなくなり20mほどロープが伸びましたが、その後全く動きがありません。20分ほど経過した頃にビレイ解除。

2P目上部
先ほどの待ちはめちゃ遅の3PTが先行しているようで、ビレイ点が空くのを待っていたらしい。


3P目、稜をトラバースするとりい
ガッチりくるホールド多数ですが、気が抜けてると意外にコワいです(汗

稜を跨いだ場所から。

3P目上部。
3P目終了点はこの上です。

ここまで2時間弱。俺が3P目終了点に着いた時も先行3組目がリード中でした。横に見える南稜には2-3PTほど取り付いていましたが、渋滞もなくスムーズに登っているようです。昨日の1組と今日の3組。悲しい事に今回は南稜より中央稜に取り付いたPTの方が技量が下だったようです。

この先の核心部を抜けるにも何時間掛かるか分からないし帰りの渋滞も回避したいため、核心4P目をサクっと諦めて帰ります。


予定通り15:00には帰路につけそうです。
お疲れ様でした。