谷川岳 烏帽子沢奥壁 変形チムニー [アルパイン]


日付 2011/06/04(日)

天候 04日 晴れ後雨

パーティー構成 変形チムニー隊 : 3B・おれ
中央カンテ隊 : しも・やま

アプローチ 04日 藤沢駅==谷川ロープウェイ駐車場

ルートと所要時間 ロープウェイ駐車場[3:00]起床==[3:55]一ノ倉出合[4:00]--《1:15》--[5:15]変形チムニー取付[5:15]--《2:30》--[7:45]中央カンテ合流(5P目終了)--《2:15》--[10:10]烏帽子岩の肩(懸垂下降点)[10:20]--《0:30》--[10:50]南稜終了点--《1:40》--[12:30]南稜テラス--《1:45》--[14:15]一ノ倉出合

ルート情報 ・ 指導センター前のゲートが開いた初週って事で20PTほど入山して南稜は大混雑してました。
・ 変形チムニーは俺ら1PTのみ。隣の中央カンテは2PT。混雑時はムズかしめのルートが空いててお勧めですね。
・ 雪の季節が終わった直後なので、全体的に染み出しが多く、チムニー内は苔で覆われていました。またどのルートも浮石・落石が多かった。
・ 烏帽子岩の肩からの懸垂は45mほどで大半は空中懸垂となります。
・ 懸垂下降してから南稜へ向う笹薮のトラバースも奥壁側が切れ落ちているので気が抜けません。初心者はスタカットした方が良いですが、そもそもここには初心者は来ない!?

* 文中のピッチ数は今回実際に切った数。ピッチグレードは自己評価したものです。

報告&感想



一ノ倉出合〜変形チムニー 8P〜一ノ倉出合
[ 10時間15分 ]

初日は幽ノ沢に入る計画だったのですが、
摩訶不思議な事に一ノ倉出合に到着したのが13:00。
どうすればこんな時間にと到着できるのでしょう?(涙

しも・やまPTは初日に南稜に入っているので降りてくる頃だと思って双眼鏡でテールリッジを探していたら、目の前でシートに座り込んでビール飲んでた。お互いにビックリ(笑

中央カンテ取付
しも・やまの他に男女の1PTが先行する模様。

変形チムニー取付
1P目 V級 40m 3B
1P目〜3P目までは残置も少なくていまいちルートがハッキリしません(どこでも登れます)が、上部の緩いハング帯を左から巻くように目指して登れば2P目終了点で核心のチムニーが見えてきます。

2P目 V級+ 40m おれ
問題ない緩い傾斜のスラブ帯をバンドまで。
後半は残置はないに等しく、出だしで2本ほどランナーを取っただけでビレイ点まで30mランナウト。染み出しが多く気持ち悪かった。

3P目 W級+ 45m 3B
トポの3-4Pを切らずに浅い凹角からチムニー基部まで。
適当にチムニー目指して登りますが、右寄りは残置も見つからず傾斜も強そうなので浅い凹角(確か残置があった)を抜けるのが順当だと思います。

取付いているのが浅い凹角。
傾斜もありホールドも細かいバランシーなこの凹角がW級+。
このピッチも染み出しが多い。濡れてる箇所を避けて、左に右に移動しても結局は濡れてしまうって状況でしたが、濡れてもフリクションがなくなる岩質じゃなかったのがせめてもの救いでした。

お隣の中央カンテ3P目をリード中のやまちゃん(黄○)
赤○は先行する男女PT

3P目フォロアービレイ中

緩傾斜だと思いつつも下を見れば案外急だったりしますね。

4P目 W級+ 40m 3B
チムニーを抜けたビレイ点まで。
俺の順番だけど濡れてるチムニーはイヤだし。
変チの言いだしっぺは3Bなので、当然お任せですね(笑
表記したグレードW級+は濡れていない時を想定してます。

むー、見るからに悪そう。
安定してカムを決めたと思った矢先に爆撃した。
かなりびびったぞ。残置ハーケンに感謝だな。


ほらほら、こんなに苔むしてるじゃん(涙
でもアンザイレンしてるから帰るに帰れない。
泣く泣く取り付きます。

足場が安定したので下を見て一枚。
安定したと言っても岩は湿ってますので、緊張しっぱなしです。
(えっ、そんなんで写真撮るなって?!

左面はのっぺりしてスメア頼みですが、右面は岩角が出てホールドには困りません。湿ってなければ三つ峠の権兵衛チムニーより簡単かも知れません。

左の写真の位置から抜け口までは徐々に狭くなってきます。最後は右面上部のガバを取って強引に抜け切りましたが、効きそうなクラックに手を入れると濡れちゃう状態だったので、リードじゃなくてホンとに良かったとシミジミ。

中央カンテ5P目フォロー中のしもさん


5P目 X級 40m 俺
一段上がって中央カンテに合流するため右トラバース。
トポではV級程度だったと勘違いしてて1ピン目の残置に掛けて気軽に右にトラバースしていったけど、その後はランナーも取れないまま次第に傾斜が増して手も足もカチサイズが一箇所のみ。そこから1m先の縦ガバが取れれば中央カンテに容易に合流できるのですが一手一足が出ません。せめてランナーが取れていればと、戻ってみてもリスもクラックもなし。仕方なしに無理やり1cmほど打ったハーケンにタイオフしてリトライ。なんとか大丈夫だろう(実はまったく大丈夫じゃないけど)と勝手に思い込んで抜け切りました。本来はもう一段上がってからトラバースするのかも知れません。

「なんだよあのハーケン」って、残置だと思ったらしい。
つーか、あんなハーケンに誰も命託せないよな。


6P目 W級+ 45m 3B
ここから中央カンテ5P目。階段状からチムニーを抜けます。
前回は左のぼろぼろフェースを辿ったので、今日は間違えずに抜けてゆきました。

なぜか、びびった。

7P目 V級+ 40m おれ
ザレて浮石だらけのフェース(といっていいものかどうか)を左上〜右上。昨年より浮石が多かった印象を受けた。実際踏んだだけで2つ3つ落としてしまった。
8P目 X級 35m おれ
出だしがバランシーな直壁〜下部がハングしたコーナークラックを抜けて狭くなった四畳半テラスまで。
昨年は腕が攣ったため素直にA0で抜けたピッチだったので俺がトライ。しもさんの場所から上がったテラスから垂壁。左手の縦カチを頼りに右の一手を取ってランナーを取るまでのムーブがムズいが、ゆっくり手の感触を確かめて振ってゆけば何とかなる。その後は左面を主体にカチではあるけど楽しい攀じりが出来ます。

下半部は右面を攀じるとハング下で微妙な体勢になるが、それを耐えれば待望のガバあり。ハングからは左面に豊富なカチを拾えばこれまた快適。コーナークラックを使ってレイバックする必要性を感じないほどです。リードするなら左面をお勧めします。(たぶん

コーナークラックの抜け口

9P目 V級+ 40m 3B
傾斜はあるけどホールドに困る事はない階段状。

あと2Pです。


10P目 W級− 60m おれ
ここも傾斜はあるけどホールドに困る事はない階段状を烏帽子の肩まで。
しも・やまPTがいたので、9P目を短めに切ったら足りなかった。

先行するしも・やまPT


一人ぼっちの3B(笑

この辺りがW級−かな。

最終ピッチを省略して烏帽子岩の肩で終了。
ここから懸垂下降1ピッチで南稜終了点へ向います。

烏帽子岩

肩から見た一ノ倉出合方面。
早く帰りたい。

懸垂下降する出だしが怖いです。
ナゼ?って...、

真下の足場が見えないんです。
先に降りたったしも・やまペアが真下に見えます。

空中懸垂中の3B
出だしを過ぎれば、楽しいですね。

笹薮をトラバース中に見た、烏帽子岩全景

4人で懸垂下降して、南稜テラス到着

南稜テラスから見た変形チムニーと中央カンテ


中央稜取付あたりから雨がパラついてきたが直ぐに止んで大丈夫そうなのでそのままテールリッジを下降し始めたら本降りに。途中のスラブでは懸垂を1Pしましたが、鹿島槍の記憶が...。雷はイヤだぞ。

出合まではもう直ぐ。
タバコ吸いたい衝動で急いでます(汗

お疲れさまでした。


【おまけ】
FaceBookのネタを撮影中