阿弥陀岳 北西稜 [冬季アルパイン]


日付 2011/02/27(日)

天候 27日 晴れのち曇(南西の強風 AM6:00-7℃)

パーティー構成 3B(CL)・おれ

アプローチ 26日 JR国府津駅[20:00]==[22:00]道の駅こぶちさわ(車中泊)

ルートと所要時間 [4:30]起床[5:00]発==[5:30]美濃戸[5:45]--《1:25》--[7:10]摩利支天沢出合--《0:15》--[7:25]F1 10m滝手前--《2:35》--[10:00]森林限界付近(ハーネス・アイゼン)[10:15]--《0:45》--[11:00]小ピーク[11:10]--《0:25》--[11:35]南沢阿弥陀北西稜分岐[12:00]--《0:55》--[12:55]美濃戸==清里==帰路

ルート情報 ・摩利支天沢出合には青テープあり
・摩利支天沢側からだとトレースの期待は薄いが、案外楽しい。このアプローチもラッセルがなければ小ピークまで1時間半ほどか。
・一般的な北壁側北西稜分岐には赤テープが3つほどあり(樹林越しに北西稜が見える)
・今回は北壁側を下降で使ったがトレースは明瞭だった
・この分岐付近は平坦地でテントは3〜4張ほど可能

報告&感想 谷川に入る予定が流れた3Bさんからの誘いで阿弥陀北西稜に入ってきました。

前日土曜は天気が良かったがこの日は正午あたりから下り坂の予報。いつものように美濃戸まで車で入り、この時間はまだ快晴の南沢を進む。ご多分に漏れず必死で3Bさんを追ってゆくが右の踵がかなり痛む。先日の丹沢でもそうだったが、最近どうしたものだろうか。多少ペースを落として貰いながら1時間半で青テープがある摩利支天沢出合。ここからアプローチしたパーティーの記事がネットにあったらしく俺らも摩利支天沢に分け入る。薄いがしっかりしたトレースがある。暫く沢筋を詰めるとF1 10mの滝に達する。トレースはここで滝の左寄りと右岸のルンゼに分かれるが、アイスの装備はないのでルンゼに向う。5mほど登るとトレースがなくなり、早くもラッセル開始。薄くクラストした積雪は膝上程。出だしから内部はしもざらめでラッセルするステップが固まらない。そのうちに締ってくるだろうとお互い無言のうちに期待しながら進むが一向に改善する兆しもなく、逆に積雪が増してゆく始末。途中2箇所の傾斜が急な草付岩稜部を左に巻きながら更に高度を上げてゆく。樹林帯の中、傾斜もあるので時折胸辺りまで。短い間隔で交代しながら、2時間半で森林限界の雰囲気が出てくる。この頃になると風も強くなってきた。南沢が見下ろせる稜上で風を凌ぎ装備を付けるが、いかにも天気が悪くなりそうな空模様。この時点で10:00。計画では9:00に小ピークだが、この先まだラッセルを強いられ小ピークまでは更に1時間ほど掛かる見込み。ここで撤退を決めるが、次回のためにも小ピークまで伸ばす。背の低い樹林帯抜けると潅木交じりの広い斜面になる。ここでもまだラッセルが続く。南西の風が強く、気を抜くとよろけそうになる。そこそこ気温が高いので凍傷の心配はないがそれでも寒い。冬型が強まったタイミングではここのルートには入りたくないとしみじみ感じた。
小ピークの手前で左の稜から北壁側からのトレースが合わさってきた。ようやく小ピーク。見上げると正面のルートに先行Pが取り付いているがかなり難儀している様子。ガスも掛かり始めてきた。数枚の写真を撮って、下山開始。北壁側のトレースを下降してゆくが、傾斜はかなりキツイ。一歩二歩後向きになりながらも、30分程度で南沢一般道に到着した。

今回はラッセルと荒天のために小ピークまでで敗退となってしまったが、別段無念さがあるわけでもない。北壁側からアプローチすれば計画通りの時間で小ピークに達したかもしれないが、その後天候がどうなっていたか予想できない。精一杯やった結果で小ピークまで達する事が出来たと思えば、これもまたアルパイン。

帰りは清里まで回ってベーコンカレー。気温により値引き率が変わるらしく、本日は10%OFF。大盛りを頼んだが、食後に出る焼きマシュマロに達しなかった(涙



摩利支天沢出合
太目の青テープがあります。


F1 10m滝
トレースは滝に向っていますが、
右岸のルンゼを詰めあがります。

5mほどトレースがあったが、その先は皆無
いきなりラッセルに突入です。

クラストの下は膝上までのしもざらめ。
深い所は腰上までの困難なラッセルが続きます。

意外と傾斜があるかも。

時折堅く締った雪になるが喜びも束の間、
ほんの4〜5歩で深いラッセルに戻ってしまう。

途中2箇所ほど傾斜の強い草付岩稜部があり。
適当に巻けます。

傾斜の落ちた風を凌げる稜上で
ガチャを着けながら撤退を決めるが、
次回のためにも小ピークまで進む事に。

樹林帯を抜けるとようやく小ピークが見える。

僅かによろける程の強風の中、
まだまだラッセルを強いられる。
気温が高いのがせめてもの救いだな。


北壁側からの尾根はこの岩の裏側から合流してきます。

小ピークからの北西稜核心部

出だしのナイフリッジ状のピッチ
先行1組が取り付いていました。

一般的な北西稜分岐点
こんなふうに北西稜が見える場所です。

南沢