日付 | 2010/08/08(日) |
天候 | 08/08日 晴れ |
パーティー構成 | 3B(CL)・俺 |
アプローチ | 08/07 こうの==[20:00]3B宅==[24:00]谷川ロープウェイ駐車場(車中泊) |
ルートと所要時間 | 8/08 [4:00]起床[4:55]発--《0:45》--[5:40]一ノ倉出合[6:00]--《0:30》--[6:30]テールリッジ末端--《1:20》--[7:50]中央カンテ取付[8:10]--《4:40》--[12:50]終了点[13:00]--《0:30》--[13:30]5ルンゼの頭下部(1Pスタカット)--《1:00》--[14:30]国境稜線 一ノ倉岳--《1:00》--[15:30]谷川岳オキノ耳・トマの耳--《0:15》--[15:45]肩の小屋[15:55]--《0:50》--[16:45]天神平ロープウェイ乗り場==月夜野IC付近焼肉弁慶==藤沢解散 |
ルート情報 | ・ 盆の時期は指導センター横のゲートが閉まり、ロープウェイ駐車場(500円)を利用する。 ・ ロープウェイの休憩所は冬季のみ開放との事。 ・ 一ノ倉沢の雪渓は、テールリッジ末端近くまで高巻き。両端が開きかなり悪い状態。 ・ この時期はバイル必携。 ・ 暑い。稜線に抜けるなら2リットル弱の水だと足りない。 ・ テールリッジ中間部で沢から補給可能だが、ルートに取付けば肩の小屋まで水場はない。 ・ 虫は少なめだった。 ・ 脆さは情報通り。先行Pがいれば常時注意が必要。 ・ 国境稜線への一ノ倉尾根は上部笹薮が身の丈程になるが、快適なバリエーションといった感じで、振り返れば素晴らしい眺めが味わえる。 ・ ロープウェイ(1200円)最終は17:00。肩の小屋から疲れていても必死に50分程。 |
報告&感想 | 藤沢3B宅を[20:00]に出てから約4時間、[24:00]に谷川ロープウェイ乗り場に到着。6Fの休憩エリアが開放してあるとの情報があったが、スキーシーズンのみの処遇のようで一ノ倉沢出合に向う。しかし指導センター手前で進入禁止の立て看板。夏の盆の時期は混雑防止のためかゲートが閉まっている。仕方なしにロープウェイ乗り場の駐車場(500円)に戻り、車中泊。 [4:00]起床、睡眠時間が少なく前日のボッカ疲れが残っているのか、朝飯がのどを通らないが[4:55]駐車場を発。本来なら車で入る舗装路を一ノ倉沢出合まで歩く。程よいウォームアップで[5:40]出合。駐車場にはテントが4張りほど。登攀具を装着して一ノ倉沢に入る。雪渓は部分的に残っている程度で雪渓上を歩ける状態ではないため、右岸の高巻きを進み、一旦沢に降りて左岸の高巻きからヒョングリの滝を巻く。衝立前沢からステップを切って難儀しながら雪渓に乗り上げたが、テールリッジ基部ではシュルンドが開きかなり悪い状態となっていた。神戸のパーティーは右岸から懸垂していたが、雪渓が崩れ、ジャンプしバイルを打ち込んで危うく難を逃れたそうだ。 テールリッジは乾いて難はないが、寝不足と雪渓の処理で難儀したためバテ気味で足が重い。下部スラブを登りながら、登攀後下降せずこのまま国境稜線に抜けようと計画変更。しかし暑い。稜線に抜けるとなると水が足りなくなりそうなので、衝立スラブの水流で水を補給し中央稜取付き点。出合まで車で入れないタイムロスを考慮し中央稜への転進案もあったが、まだ計画内の時間で動けているので予定通り[7:50]中央カンテ取付きへ。トラバース路を一段上がったテラスでアンザイレン。 中央カンテ: 1P目 V級 40m 3B: テラスから高さのある岩棚状を右にトラバースして、ルンゼ状の草付きフェースを直上。 2P目 V級 40m 俺: ルンゼ状の草付きフェースを緩く左上気味に直上。出だし1ピンのみでビレイ点までランナウト。 3P目 W級 40m 3B: 浅い左上ランペからルートの由来となったカンテというよりリッジを中間まで。 4P目 W級 25m 俺: リッジを直上。30mほどの残置支点で切ってしまったが、本来はハング左を越えた所に支点あり。ここまで伸ばさないと次のピッチに支障あり(汗 5P目 X級- 55m 3B: ハング左からチムニー左の脆いフェースを右上。チムニーを避けて残置がある左フェースを右上してチムニー上部に抜けたが、ボロボロのフェースで難しいというより緊張した。4P目を中途半端に切ってしまったため10mほど登り上げて伸ばさなければならなかった。そのためルート選びに時間が掛かってしまったようだ(謝 6P目 V級 35m 俺: 脆いフェースを正面ルンゼまで左上し、切り返してガレガレのフェースを核心部下まで右上。神戸の変形チムニーパーティーが追いついてきた。リードの女性は、変形チムニーが辛かったと泣きそうになりながらビレイしていた。 7P目 X級 30m 3B: 胸をつく直壁からコーナークラックを越してテラスまで。ムズいと云いながら直壁を越えていった3B氏。水分不足で腕が攣り気味の俺は、フリーで直壁のトライもせず素直に残置スリングをお借りしてA0突破。上部のクラックも然り。クラックの左壁には多々足がある。次回のためにも1回は挑戦すべきだったよな(汗 8P目 W級 35m 俺: 草付きを抜け、左寄りの凹角を直上。 9P目 W級- 50m 3B: 草付きからフェースを登り、烏帽子岩の肩まで。岩でビレイしたが、肩の裏に周れば残置支点があった。 10P目 W級 50m 俺: 烏帽子の基部から濡れてると絶対登りたくないのっぺり気味のスラブを直上し、笹薮に乗り上げる。乗り上げ箇所がヌメっていてカムを決めたが、ここで苦労してもしょうがないので一段上から回り込んだ。笹薮から稜線に出て中央カンテ終了。 ザイルのみ解いて、靴を履き替える。ここから懸垂岩の基部を廻り踏み跡がしっかり付いている烏帽子尾根から国境稜線に向う。早く抜けたい気持ちで振り返る事を忘れがちだが、背後には素晴らしい景色が待っている。基本は草付きの岩稜を辿り、小岩峰を右に左に巻きながら進む。この尾根自体も素晴らしいバリエーションルートだと思う。先を見れば神戸の南稜パーティーが傾斜のあるリッジを登ってる。30分ほどで傾斜のある5ルンゼ頭のフェース基部へ。ここでアンザイレン。 5ルンゼの頭: 1P目 V級+ 30m 3B: アプローチシューズのまま、一手むむっと言いながらフェースを登りピークまで。 ザイルを解いて、再び岩稜歩き。広い尾根になる頃から身の丈の笹を掻き分けるようになるが、掻き分ければ先人達が残したしっかりとした踏み跡があり、傾斜も落ち藪漕ぎの難儀はない。更に進み笹も腰ほどになると程なくして国境稜線。一ノ倉岳は右に20mほど。 一ノ倉岳から小ピークをいくつも越えて、初登頂の谷川岳オキの耳・トマの耳ピーク。左手の草原状の山腹の景色に歓喜しながら、疲れと残り少ない水の緊張の中の1時間はかなり長く感じた。待望の肩の小屋で缶ジュースを3本買って飲み干し、普通に歩いても50分だよと言われた天神平ロープウェイに急ぐ。下降主体ではあるが疲労した足には堪える。普通に歩いていたら50分では到着しないぞ、とぶつくさ云いながら[16:45]乗り場着。 月夜野IC付近で焼肉とノンアルコールビールで祝宴。 渋滞も覚悟したが、それなりに点在した渋滞も解消に向かいストレスなく藤沢解散。 進入禁止のため否応なしにどんよりとロープウェイ乗り場に駐車したが、結果的にはこの過程が利便な方向に向いていると感じさせられた。出だしの1時間の歩きはあるものの、雪渓下降を避けさせ帰路のロープウェイ利用までを考えた不思議な力が働いていたのかもしれない。単なる偶然かも知れないが、今回は谷川の山の神様の配慮に感謝したい。 ** 寝不足と水分不足は厳禁だぞ!** |
[5:00] 指導センターのゲートが閉まっています。 |
[5:40] 一ノ倉沢出合 テントは4張りほどありました。 |
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一ノ倉沢へ |
衝立前沢の雪渓 |
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雪渓上からテールリッジ基部に |
中央カンテ取付き |
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1P目 |
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2P目 |
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3P目 |
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変形チムニーの神戸パーティー |
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カンテといっても、こんな感じ |
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5P目 |
チムニー上部から |
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6P目 |
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7P目 直壁を越えたテラス |
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コーナークラック |
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8P目 |
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烏帽子岩と9P目 |
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烏帽子岩の肩 |
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はだしのゲン(古っ! |
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10P目 |
振り返ると、張り出したリッジ。 絵になる一枚だね。 |
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左上の笹藪へ |
烏帽子岩 |
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中央カンテ 終了点 |
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烏帽子尾根の稜線 |
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振り返る景色は格別 |
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5ルンゼの頭 スタカットで1P(複数残置あり) |
稜線から切れる5ルンゼ(?) |
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堅炭尾根 |
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腰ほどになると、程なく国境稜線 |
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一ノ倉岳 |
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草原状の谷川岳山腹 |
谷川岳 オキの耳 1977m |
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同じく トマの耳 |
天神平ロープウェイ乗り場 |
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