日付 | 2010/07/31(土)〜08/01(日) |
天候 | 07/31日 曇り 08/01日 晴れ |
パーティー構成 | やまざき・俺(CL) |
アプローチ | 7/30 やまざき==[22:00]新松田(こうの)==[26:00]沢渡中(車中泊) |
ルートと所要時間 | 7/31 [6:00]起床[6:45]沢渡中発==[7:08]上高地BT[7:12]--《1:15》--[8:27]徳沢(15)--《0:40》--[9:22]横尾(15)--《0:40》--[10:18]本谷橋(10)--《1:24》-[11:42]涸沢[12:12]--《1:30》--[13:42]5・6のコル(10)--《0:55》--[14:40]5峰ピーク--《1:25》--[16:05]4峰ピーク--《0:10》--[16:15]3・4のコル(幕営) 8/01 [4:00]起床[4:55]発--[5:10]3峰取付き(アンザイレン)--《1:50》--[7:00]3峰--《0:40》--[7:40]前穂本峰[8:20]--《0:20》--[8:40]紀美子平(5)--《1:05》--[9:50]岳沢小屋(20)--《1:50》--[11:40]上高地BT==[12:10]沢渡中 |
ルート情報 | ・ 涸沢の雪渓は一部のみ。(ほぼ夏道を利用して避けられる) ・ 事前情報では脆いはずの4峰だが、踏み跡を追わず独自のルーファイで簡単そうな稜線上の大き目の岩を選んで行けば、予想以上に安定して登りやすかった。(踏み跡はザレ気味のようだ) ・ 身体も馴染んでいない状態で最初に取り付く5峰は、切れ落ちたトラバースなどもあり高度感に悩まされる。(4峰より手強いと思った) ・ 5・6のコル及び3・4のコルに1張り分の幕営跡あり(整地すればもう1張り可) ・ 5・6のコルでは夜中にサルが出没するらしい。 ・ 3峰2P目の右凹角は崩落が進み危険との情報により、チムニー左のフェースを登攀した。 ・ 涸沢登山相談所で北尾根情報を収集すべし。 ・ 岳沢への下降路はドロが岩に付きスベリ気味。 ・ 新島々から来るバスは列車の接続により混雑するとの事。(案内所談) ・ 帰路のバスは13:00以降は混雑するとの事。(案内所談) ・ 夏の山は午前勝負。午後からはガスに隠れ始めていた。 |
報告&感想 | [7:10]上高地発。カラフルでカッコよい若者パーティーを快調にサクサク抜かしつつ2時間ほどで横尾に到着。涸沢までの道中、「風の谷」パーティーと前後しながら北尾根に取付くパーティーの動向を得る。勘案するに明日は8組程のようだ。風の谷Pはこのまま5・6のコルまで上がるという。明日の涸沢出発を3時頃にしないと、どうしても他パーティーと絡んでしまう可能性がある。暗いうちに踏んだ事のないガレ場を登るリスクもある。色々算段するも、最終的には5時頃の明るくならないと5峰に踏み出せないボトルネックで思案が行き詰る。涸沢ヒュッテが見え始めるころ、これまでの所要が休憩込みで4時間弱。まだ[11:00]。一閃、3・4のコルまで入る事を提案すると、すぐさま快諾。涸沢ヒュッテでの調達物資を考えながら、上高地から4時間30分で[11:42]涸沢に到着した。 登山者相談所で北尾根の情報を聞き、各自水2リットルとビールをザックに追加して、5・6のコルに踏み出す。GWの時の残雪期のルートをイメージしながら雪渓を避けてガレ場を登り詰める。ここでも前後する風の谷Pは、一段上を踏んでいるが俺らより容易に進んでいる。実は明瞭な踏み跡があったようだ。途中、5・6のコルまで1時間30分以上掛かるようなら5・6のコルまでと取り決めるも、辛うじて定刻着。3・4のコルの到着目標は16:00とし、[13:55]5峰に踏み出す。 《 5峰 》 基本的に稜線を絡めてルーファイしながら薄い踏み跡辿る。まだ3点支持に体が慣れていない状態で、片側が切れ落ちてるトラバースや部分的だが傾斜がある岩隗の乗越しはチト悩まされる。這松が茂る小ピークの手前で、5・6のコルを振り返ると風の谷Pが手を振ってくれた。その先はなだらかな稜線を進み、更に2つ目の小ピークが5峰のピークだ。[14:40]5峰の小ピーク群の後には4峰が大きな姿を見せる。予想以上にデカイ。一瞬、ヤバイかもと躊躇するが、時間の余裕はある。 《 4峰 》 4・5のコルに降り立ち、4峰取り付く。稜線下部は傾斜がキツイ。トポでは涸沢側からトラバース気味に進んでから稜に戻るとの事だが、実際、直接取り付いてしまうと所在がわからなくなる可能性がある。5峰ピークから大雑把にルートを確認しあった事が効を奏してくれて難なしに稜上に戻ったが、稜に戻るポイントのイメージが湧かないとそのままトラバースしてしまう危険もあるだろう。稜上に戻り、踏み跡に惑わされず、稜線を絡めて簡単そうなルートを選定しながら高度をあげる。一時小雨がパラつき、ビバークの可能な場所を模索しながらも[15:30]大岩直下まで辿り着く。足元を見ると稜線から離れた涸沢側から薄いが確かな踏み跡が続いていた。着実に登ってこれている。今日の予定は達成できそうだと一安心し、大岩を奥又白側に乗越える。バンドを進み、ルンゼを詰めた先を再び涸沢側から巻いて、岩隗を乗越えてテーブル状の岩がバランスよく載った[16:05]4峰ピークへ。 すぐ先の3峰はガスにまかれていたが、一時ガスが抜けて壮観な姿を見せてくれた。ここでも明日のルートを確認する。 3・4のコルまではザレてはいるが明瞭な踏み跡を下り、[16:15]3・4のコルへ到着。1張分幕営跡を整地し直して設営。担ぎ揚げたビールで乾杯するタイミングで、ようやく日差しを受ける事ができた。 雨は降っていないが風が強まる中、[8:30]就寝。 《3峰》 [4:00]起床。風がフライを煽る音が雨音に聞こえる。テントから恐る恐る顔を出すと、白み始めた夜空には全天に星が見える。雲もない。よっしゃ!期待通りの好天だ。軽い朝食を摂りすぐさま撤収。登攀具を身に付けて一段上がり、残置がある地点でアンザイレン。 1P目:W級 右の凹角を抜けてテラス状の岩でビレイ。下部はホールドは多めだが、覆い被さるような感じなので、背の高いザックが邪魔になりルートの選定が難しかった。言い訳ではないがルートが確認できず、一段上がった所で左に回ってしまったが、トラバースで戻る時もザックが引っ掛かり緊張した(弱!) 上部は開いたチムニー状。背中を押し当てながら、ふた足がちょっと緊張する程度。4峰を見ると風の谷Pが奥又白側からトラバースしてきていた。挨拶してビレイ続行。 2P目:W級− 正面チムニーの左の浅い凹角からチョックストーンを右から乗越えて残置でビレイ。リードなら楽しいピッチだな。チョックストーンの上に立つと気持ちよい。涸沢側を見ると、朝日を浴びた奥穂〜槍が素晴らしい。この角度で穂高連峰を見れるのはバリエーションの特権だね。 3P目:V級 ビレイ点うしろのクラックは見た目が三つ峠のクーロワールみたいで緊張して取付くが、手足が豊富で簡単過ぎだった。5mほど登ったあとは傾斜の落ちた斜面を歩いて中間部の岩でビレイ。3峰直下の凹角下までロープいっぱい伸ばせば、残置支点あり。 4P目:V級 3峰直下の凹角下まで歩いて、凹角を一段上がり左の岩隗を乗り越すとテーブル状の岩がある3峰ピーク。岩でビレイ。ピーク下に残置支点があったので、稜線左側からもルートがあるようだ。3峰は今までような明瞭なピークではないため、その先の2峰を3峰と間違えていた。 《 2峰 》 岩隗の稜線上をコンテで進み、涸沢側を巻き気味にピーク下まで登り、短くスタカットしてピークに乗り上げると目前に本峰。ここまで来て始めて間違いに気付いた。尾根を振り返ると3峰と4峰にそれぞれパーティーが見える。 《 本峰 》 10mほど先の懸垂ポイントまでコンテで進み、懸垂。ザイルを束ねて岩隗を登り詰めて、[7:40]本峰。 下降は、紀美子平〜岳沢〜上高地。[8:20]最初から飛ばすも、疲れているのか腿が上がらずスピードがでない。汗だくの中、十分注意しながら1時間30分でオープンしたての岳沢小屋へ。スイカの誘惑を振り切り再び下降。下に見える上高地までは飛ばせば1時間程かもしれないが、もうだめなので適当にゆっくりと下る。[11:40]上高地BTでゆっくりするつもりが、到着早々に出発間際のバスに乗り込み上高地を後にした。 ルーファイは楽しい。前穂北尾根は初見のルートだが、ところどころで、「こっちじゃない!」「あれかも?」「この先はダメだ!」、などなど緊張の中にもルートを見出して登高してゆく楽しさが味わえた。 また、今回は脚が揃ったパーティーのためすべての行程を前倒しで動けた事が余裕に繋がり、充実した山行になった。やまちゃんに感謝。 今回はルート中で幕営したが、幕営指定場所じゃない場所での幕営は山との一体感もヒトシオ。病み付きになりそうだが、本来はいけない行為ですよね(汗 |
■■■ 1日目 ■■■ |
■■■ 1日目 ■■■ |
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上高地バスターミナル |
徳沢 |
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横尾 |
本谷橋 |
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涸沢中間部から涸沢ヒュッテ方面 |
わずかな雪渓を登れば涸沢ヒュッテ |
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涸沢ヒュッテ |
今日のテント場は予想したほどじゃないね。 |
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吊尾根 |
5・6のコルへ |
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雪渓脇の薄い踏み跡を追って ガレ場を登ったけど...(汗 |
草付きの中のしっかりした トレースを辿る風の谷パーティー |
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5・6のコル |
5峰へ |
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岩場を越えると一旦なだらかな稜線 |
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3つ程の小ピークを越えると5峰のピーク |
振り返る5峰の稜線 |
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梓川 横尾方面 |
5峰から見る4峰 ここでルートの確認をしましょう。 |
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5峰の小ピーク群 (最右が5峰ピーク) |
4・5のコルへ下降 |
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4・5のコル |
4峰の登り |
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大岩を奥又白側に乗り越す |
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バンドを左上 このままバンドを左上すると4峰の左肩に出て、 ピークを踏まずに 3・4のコルへトラバース可能 |
浅いルンゼ状を詰め上げて、 再び涸沢側から巻き上がる |
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ルンゼ上部のチムニー X級ほどあるかも...。 |
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涸沢側に出たところ。 |
更に岩隗を乗り上がると、 |
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稜線に出て、 |
4峰ピーク |
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3峰全景 |
下部(1P目) |
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中間部(2P目) |
上部(3〜4P目) |
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3・4のコル |
4峰の下り |
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ひとまず、乾杯! |
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■■■ 2日目 ■■■ |
■■■ 2日目 ■■■ |
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家財道具一式 |
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コルから見上げる3峰 右壁には残置されたスリングや クイックドローが確認できますよ。 |
一段上がった残置支点 ここでアンザイレン |
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1P目 |
フォロー中の山ちゃん |
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4峰の肩から、コンテでトラバースしてくる風の谷P |
2P目 |
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朝日に照らされる穂高連峰 |
1P目 左凹角を見下ろす なんて事ない階段状だね。 |
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2P目 ビレイ点 |
3P目のクラック |
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4P目 |
ロープいっぱいで3峰ピークへ |
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山ちゃん&3峰ピークと奥穂高 |
2峰 |
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涸沢側からコンテで進み、 ピーク下で短くスタカット |
2峰ピークから本峰 |
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振り返る3峰と4峰 それぞれにパーティーが見えるのですが。 |
10mほど先に懸垂ポイント |
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本峰へ |
懸垂せずにコンテでクライムダウンする風の谷P |
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待望の本峰! |
よっしゃ、前穂初登頂 |
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本峰から見る北尾根2峰と3峰 |
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岳沢へ下降 |
紀美子平 縦走路は賑わっています。 |
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オープンしたての岳沢小屋 |
風穴 暑い夏の日にはサイコーです。 |
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沢渡中第二駐車場 |
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