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イーハトーブトライアルの七時雨山高原
1993年それまでキチガイのように毎日、野に山にと愛車ファンティックで
馬鹿のように駆けけまわっていたオラであった。
ある日の午後、1mくらいのわけも無いステアケースを
「こんなもの」と舐めてかかったのか
ハタマタ気を抜いたかステアリングバーの引付が足らなかったか
その腕を伸ばしバーを引きつけた態勢のままステアケースに激突。
その瞬間左肩に激痛。
思わずその痛さにバイクを投げ捨て、その場にうずくまるオラでした。
とてもじゃないがその夜の仕事、フライパンを振るのにも激痛が走り
得意のフライパンW字振りもできずに
右手でフライパンを持ちかえる始末
たいへんだった。

半年くらいして、ようやく痛みが引いてきたので又、ファンティックの
ハンドルを握ってみるものの、ダウンのセクションに行くと
肩に痛みが走る始末。
「こりゃもうだめだな」と感じた瞬間、愛車ファンティックの巨大な
トルクが急に恐ろしくなったのであった。
セクションに入っても、愛車の制御が思うように出来なくなり
バタバタと足を着くようになってしまい気持ちが萎えているようであった。
こうなって来ると完全にトライアルバイクから引退という文字が頭に浮かび
今度こそ、それが現実のものとなるのだった。
「ホンじゃ、なんかまた新しい事でも始めんべかな」と思いめぐらし
探してみるものの、残るものはヤッパ
「釣しかないねこのオラには」との結論。
そしていつも行き付けの店、はとば釣具店。
このお店は、ヘラ釣りが三度の飯より大好きな(なんで大好きかって?
それはね、朝もはよからヘラ釣りを始めたオヤッさん、店番をしなくちゃ
なんない午前11時になっても、あまりの面白さに帰りたくありません。
かみさんに昼前には帰るという約束を無視し、そのままヘラ釣りを続けたとさ。
朝から何も腹に入れてないオヤッさん、昼過ぎになって猛烈に腹がへり
こらえ切れずに思わずヘラの餌を食べったっていう話し。
もちろん食べたのはマッシュだけとは言っていたが、、、。
それとは別のある時、新製品のバラケを手に持って「このバラケは
チョット麩の焼きがキツイ」とか言ってました。
「どうしてわかるの」と、すかさず突っ込みを入れたオラに
「食べてみたらそういう味がした」と言っていたくらいでしたから
多分あの時もサナギ粉入りのバラケも食ったんでしょうな、たぶん。)
っていうオヤジがやっているだけあって、ヘラの用品がワンサカとある。
「そうだ俺もそろそろ40路、この辺で侘び寂びの境地
ヘラ釣を極めなくちゃ」と思い立つ。
ジジイになった時、急にヘラ釣りを始めても、ただのへタクソなヘラ鮒
釣り好きジジイと思われるのもしゃくだし。
そんな、へらビギナージジイになったオラなんか考えたくもないし。
今からビッチッとヘラ釣りをやりこんで行けば、ジジイになった時
ソコソコ上手くなっていて、偉そうな講釈でこう言えるだろ。
「オイ、そこの若いもんヘラは寄せ切らなきゃつれんゾ」なんてね。
で、今から老後の釣り人生設計の為にも
ヘラ釣りを始めようと固く決心したオラでした。

御所湖の夕暮れとヘラオヤジ
「ヘラ釣りなんてどうせジジイの暇つぶしに毛のはえたモンだろう」と
タカをククッタおら。
はとば釣具店の親父を、この釣りでオラの師匠にと勝手に決め付け
ヘラ釣りを始める事にしたわけです。
まず最初に思ったのがヘラ釣り用語ってのが、コレマタ業界の隠語
みたいでホンと分かり難い。
「バランスの底はしっかりタチを取れ!」とか、「宙は地合を作り出せ!」
地合って、勝手にあちら来るもんじゃないのかね?
と思ったら時合じゃなく地合なのね。
エサ作り一つとっても、せっかく軽量カップできっちりと計って作った
エサも「モドシテ練りを加え込み、麩を押し込む。」とか、ボウルの
ヘリで百コスリ?千コスリじゃね〜のか、とか、押しねりとか、、、、。
そのエサ一つ針に付けるのだって、カド付けだの芯ノコリするようにとか
底に行ってバラけるように丸付けとか言われてもコマル。
しまいにゃ「肩でウケテなじんでモドシてツン」とか「サワリながら
ナジミ、アタリ返しのカチッとアタリだけに絞る」とか急に言われても
オラはただニヤついてうなづくだけ。
究極は「陽気を食った。」なんだそれ!って感じ。

御所湖の名エリア、黒沢のワンド
はた目に見えるのは「デカイ椅子にどかっと座って傘なんぞ
さしたりして、タバコでもフカシながら放り込んだウキが沈むのを
待っている。」なんていう、のんきなものでは実際の話じゃ無かったりして。
ウキに出るほんのチョットのアタリに神経を集中しながら竿を握る右手は
いつ何時でも対処出来るように臨戦態勢におかなくちゃなんねぇ〜しさ。
針に付いたエサが溶け落ちて、ウキが上がり切る前に次の
エサ作りを考えながら、まとめなきゃならんし。
ウキの上がり具合など考慮しながら、ナジミ幅を少しづつ
決めんばなら無いし、ホントこんなに忙しい釣りとは思わなかった。
今までやってきた釣りのなかで、一番時間が経つのが早かった。
そんな単純なオラが、だんだんとこの釣りの深みに、はまって
行ったのはいうまでもありません。
当初、はとばのオヤジさん(これからは師匠と呼ばせて頂きます)に
連れられて行っていたのは、おもに野ベラ釣りっていうヤツで
ヘラ釣りの中では今思えば、やや忙しさが薄い釣りではあった。

これがその3本松道場
そのうち、オラの店に出入りしている精肉業者の、社長ならびに
専務、配達のお兄ちゃんまでが、ヘラ釣りの例会にバシバシ
出ている猛者連と知り、その方達の影響を受けそして師と仰ぎ
(はとばのオヤッさんの立場はどうなるの)
競技志向のヘラ釣りへとオラは傾倒して行く訳です。
その当時、ヘラ釣り専用の管理釣り場が無いこの街にとって
三本松と皆に呼ばれていた超人気のため池に
オラは恐る恐るデビューする事になったのだ。
ここは平日でも常に人が並び、休日ともなれば
池の周りにはビッチリとヘラ台が並ぶ所です。
何がなんでも人に負けたくない、しょうも無いオラは
来る日も来る日もこの池に通いました。
こうなると野ベラ釣りなんか、野暮ったくてやってられません。
そして宙のダンゴはエサのタッチが命だとわかり
底はグルテンの配合とずらし幅で
食わせアタリを出せると学びました。
そしてなによりも、ウキとなんとかお話が出来るようになり
ここで天狗になったオラは、この池を管理している
日研の支部会に入会するほど熱くなっていたのでした。

だが、この支部の例会にデビューという段階になって、腰痛が勃発。
そりゃ痛いのなんのって、言葉に言い表せれない痛みでした。
そりゃそうだよな、毎日毎日雨が降ろうと雪が降っても、池に氷が張っても
ものともせず朝の9時から昼の2時過ぎまで、おんなじ姿勢で釣りしてるんだモノ
痛くなん無い方がおかしいってモンだ。
パソコンも又おんなじ感じだな
あんまりやりすぎると肩から腰にかけて筋が痛くなるよな。
トライアルバイクでの負傷は肩で
フライパンが持てなかったのですが今回は腰で
オーブンに料理を入れるため
しゃがみ込むとズキッと背骨の脇と腰に走る激痛。
同じ病いを抱えるという肉屋の きくつぁん からも
聞いたんだけどヘラウキをジーッと凝視し
神経も筋肉も緊張している状態を同じ姿勢で
長時間続けるからだと言っていた。
そう言う彼は、この症状が悪化してしまい2ヶ月入院の末
手術までしたそうだ。
それに追い討ちかけるように右腕の腱鞘炎も出てきて、
遂にドクターストップ。
ホントこの時ばかりは、音に表すとバツンという防炎ドアーが
閉まるヨウな音でヘラ釣りに幕を落としたわけです。
それから2年ほどたち、腰痛が直ったらヘラ釣り再開だとは
思っていたのですが、いざ腰痛が納まっても、ヘラ釣りの道具に
なかなか手が伸びませんでした。
それは又、あの痛みを1年も引きずるのに懲りたからです。
1998年からパソコンを始めるようになり
ヤフーのオークションと
いうものにエライ興味が沸いて「オラもなんか売る物なかんべかな」
と回りを見渡しました。
有るんじゃございませんか、ヘラ釣り道具。
さっそくオークションにかけると、面白いように落札されます。
気が付いたらフラシまで売ってしまい
残るはへら台と竹竿が一本になっていました。
そして最後のカーボンロッド五天聖12尺をオークションに掛けていた時でした。
バス釣り仲間のたくちゃんから思いもかけない内容のデンワ。
「ヘラ釣り始めたばかりだから一緒にやろうよ」というお誘い。
その時オラは、ヘラ釣りにはもう未練が無く、きっぱりと自分の中で
見切りを付けていたものですから、「ン〜」と言う生返事。
それでもたくちゃんは、たたみ込むように言いました「チョットだけ
一緒にやってヘラ釣り教えて。」とオラの自尊心に、微妙にクスグル
バラケのような言いまわしで誘うものだから、「じゃチョットだけね」と
思わずグルテンに食い付くオラでした。
てなわけで、それから慌ててエサを買いに
はとば釣具屋さんへと走ったわけです。
そしたら師匠が大変嬉しそうな顔をして
「そうか、ついにまた始めんのか」と言いました。

なんで竹竿だけ残しておいたかと言うと
競技志向真っ盛りの熱く燃えていたあのオラの時代。
はとば釣具店のおやっさんに「そこまでヘラをやるんだったらシャレで
竹竿を一本くらい持っていてもいんじゃないの」と言われ
その話にオラは乗ったわけです。
買ってすぐにどんなモンかなと池に直行、釣り開始です。
ガチガチの五天聖に慣れきっていたオラには
この竹竿の振り込むタイミングがすぐに飲み込めませんというより
まったく異質のモノとしか写りませんでした。
道糸は絡むし、エサは落ちてしまうし、さんざんです。
「ン、チョット待てよこの感覚どっかで見覚えがあるぞ」
とここで思い出したオラでした。
ソウですバンブーのフライロッドその物です。
「これは竹の曲がりにシンクロさせた振りじゃなければどうもならんな」
と悟った訳です。
竹竿に慣れると、なんとエサの滞空時間の長い事
それに伴いコントロールも付けやすいし、エサの着水もソフトだな〜と感じた訳。
しかし、こりゃやばいともオラは感じたわけで
「このまま竹竿にはまり込んでしまうと大変な事になる」と思い
この日1日限りで、竹竿を使うことにオラは封印したわけです。
そんな思いもあって竹竿だけは、なかなかオークションに出せずにいたのです。
そんな竹竿とヘラ台を持ち出して、ヘラ釣りへと行く事になったのです。

たくちゃんとこおいっつぁん。
そんな たくちゃんは中学、高校生の頃
どっぷりとヘラ釣りにはまっていたそうで
「教えて!」なんてのは本当はウソで
「オラと勝負!」と思っていたようでした。
さてその決戦の場ですが、たくちゃんは
雫石川水系にある御所ダムを指定してきました。
「ナヌ!野べら釣りカイ」と一瞬気が引いたオラでした。
池専門にやってきたへラ釣りのオラに
いきなり野ベらとは「こりゃ自信ね〜な」と
思いつつ御所ダムにのこのこと勝負に出かけた、お馬鹿なオラでした
さてさて野ベラ釣り開始です。
たくちゃん達は夜明けと同時にエサを打ち始めたようで
もうヘラを何枚か釣り上げていました。
ソウです、ヘラを完全に寄せ切っていました。
オラはチョット焦りましたが、そこは先生風をふかして余裕のポーズ。
するも、釣れて来るのはモロコ、ハヤ、マブナにコイッ子、しまいにゃ
虹鱒にブラックバス、コラッーなんなんねん。
肝心のヘラ鮒は釣れません。
がっくしです。
しかし、ここで思うトコがありました。
以前やっていたヘラ釣りの感覚と
今の感覚エライ違う物があります。
それは何かなと考えました。
そうなんです。
小物が釣れている間はナントも思わなかったのですが
コイッコやマブナを針掛かりさせてからの
手に来る感覚がナントも言えないいい感じなのです。
それにウキのトップがツンと入って、バッシッと合わせた瞬間の衝撃が
実にソフトで良い感じなのです。
「ウ〜ムこれはあの時の始めて竹竿を手にした時の感覚だ」
と気が付いたわけです。

腰が落ちちゃってるよ、こおいっつぁん。
何回かヘラを掛けてはみたものの、最盛期の野べらの
それも尺上のパワーの前には池の魚じゃねんだから
0.3号のハリスは太刀打ちできません。
ハリスを0.5号に上げたら。今度は道糸0.8号がウキ上からブッチリです。
大事にしていた月山のボデー16号がおさらばです。
結局この日はヘラは一匹も釣れないままに、この一世一代の大勝負に
負けてみじめに帰る事となりました。
こうなるとすぐに熱くなってしまい、金銭感覚が吹っ飛んで大事な
虎の子をパチンコ台に次から次と振り込むオラでした。
モトイ、ヘラ鮒釣りにのめり込み始めたオラでした。

6時に来たのにもう釣っている、たくちゃん。
もちろん次の日も朝早くからこの場所に行きましたが
たくちゃん達はもう場所を占領していて
ヘラも釣り上げていました。
しかし今日は作戦があります。
池では通用していた0.3号のはリスを、0.6号に上げてきました。
もちろん道糸は1,5号です。
エサを打ち始めてまもなくです。
待望の鮮やかな力強いツンアタリ。
バッシッと合わせるも、手に来る衝撃は強くありません。
それからの竿の曲がりは、釣っているオラには分かりませんが
わきで釣っていた、たくちゃん達は歓声を上げています。

もりおかの野ベラさま
合わせた時の態勢のまま竿をこらえていると、掌の中で野ベラ鮒が
抵抗している感覚が心地よく伝わってきます。
始めての気持ちいい感覚です。
後は竿まかせで堪えると湖面にヘラ鮒が浮いてきます。
竿を寄せるとヘラ鮒は抵抗しないままスーッとたもに納まります。
これを何回か繰り返していたら、隣のたくちゃんが言いました。
スンゲー竿の曲がり具合だな、そういうのを満月って言うんだな」と
そしてこういっつぁんは、こう言いました。
「竹ってヘラが暴れないで、たもまで寄って来るんだな」と。
確かにそう言われてみると、水面に顔を出したヘラ鮒は
暴れることなくすんなりとタモに納まります。
オラは人に言われて新発見です。
野ベラと竹竿、しびれるまくるマッチングです。
こうなるとはとばのオヤッさんが常日頃言っているように
池のへら鮒なんぞ釣って喜んでいる場合じゃ御座いません。
はとばのオヤッさんには、オイラの野ベラ釣りの師匠に
マタ返り咲いて戴きました。
試しにカーボンロッドと比べるべく
伯天弓16尺を買って使ってみました。
ナント軽い事、羽毛のようで竿を持っていないようです。
その代わりエサの重量感も伝わりづらく、エラク振り込み難いのです。
合わせた後の感じもスカスカでモノ足りません。
スカスカと言えば、ヘラ鮒をすくいそこなった時の竹竿もスカスカだね。
寄せてくるヘラもいいように暴れて、おとなしく寄ってきては
くれません。考えようによっちゃ、こっちの方がオモロイかもね)
という訳で、第2期ヘラ鮒釣り黄金時代に、どっぷしと浸かリ始めた
体中故障だらけのオジジなオラでした。
そして後は、ご想像の通りヘラ貧乏になって行くオイラです。

放流モノ無しで純野ベラが釣れる、四十四田ダム
又の名を南部片富士湖。
野べラ釣りは剣術のごときなり
されど相手は野ベラにして人にあらず
これ全身全霊を傾けて勝負するものなり。
と、師匠(はとばのオヤッさん)は説いています。
2019/6/3
師匠の教えじゃないけれど

と言う事で、ヘラ釣りフライフィッシャーマン達は
あ〜だこ〜だと言い合いながら、楽しく野べラ釣りをしていたのだが
それまでフリーターだった、たくちんは
フライショップで働いていた経験を生かし
ロッドビルダーとして稼ぎはじめたのを期にして
御所湖のヘラ釣りから遠のき始めた。
だから音頭取りというか、やかまし社中というか
たくちんが居なくなった御所湖畔は、シーンとし寂しくなってしまった。
だから今まで集まっていたヘラヘラ仲間も
ひとりふたりと欠席するようになって
いつの間にやらオイラ一人となって
おおいに盛り下がってしまった御所湖のヘラ釣り。
まぁオイラは一人飽きもせずシューっと和竿を振りながら
秋の紅葉のごとく赤く燃え上がる事も無く
淡々と野ベラを追っていた。
時を遅くして張り合いの無くってしまった御所湖からは
オイラもしだいに竿が遠のくのであった。
あれから6回目の鮎釣りシーズンも終わった狩猟解禁までのアイドルタイム。
ネットでサーフィン、金髪巨乳パイパン裏モノ動画を検索
じゃなくて、御当地ヘラの釣りを検索していた時
「盛岡 綱取ダム ヘラ」とググってみたら
ドッヒャッー なんと40アップのしかも50cmに届く
ヘラの画像がドーンと出た。
そんな家から10分で行ける綱取ダムには
今まで何回と無くチャレンジしていたものの
未だにヘラの顔は拝んでいなかったオイラとしては
まことにもってビックリこいたのだ。
さっそく綱取ダムのヘラ釣り画像をもとに場所を特定っていうか
綱取ダムでヘラ台を組める所は決まっているので
「あぁアソコか」と、竿を担いで三年ぶりに行ったわけ。
銀閣を組み立て、芸舟の十六尺を振る事二時間も過ぎた頃
ピクリとも動かなかなかったウキのトップが
ムズっとヒトメモリ沈んだ。
そこでバシッと竿を突き刺し合わせを見舞ったら
穂先が水面下に刺さったまま、持ち上がりません。
一瞬、根掛かりと思えるほど、ウンともスンとも言いません。
グイグイと竿をあおると、重い引きがズンズンと来て
グググッとコラエながらも、なんとか水面まで竿一本くらいまで持ち上げると
すぐさまヘラ様は急転反転直下潜水。
その底へと突っ込むトルクは半端ないものだった。
まぁ、それからはヘラ台からズリ落とされそうになりながらも
何とかこらえ、非常に危ないヤリトリをそうだなぁ10分位したのかなぁ。
どうにか持ち上げれたなと、やっと竿掛け先2mくらい先まで浮き上がらせたバスは
じゃなくヘラ様は、水面凸レンズ効果を差し引いても
50センチとは言わないが、軽く40センチは越えた
化け物みたいなヤツで、その体の幅はシャレになんないくらい幅広パンパン。
ギョェエッーと思った瞬間、急反転してラインブレイク。
08のハリスが切れたかと思ったら、無念の針外れ。
手元に寄せた仕掛けを見たら、4号の針は伸びてません。
さすが、がまかつGハードは強い。
んで、使っていた芸舟作の十六尺竹竿は
曲がったまま元には戻らないくらい強烈な引きではあった。
竹竿の弱点、曲りは一晩寝かせなきゃ治らない。
だから反発力がマッタク無くなってしまい
それからのエサ打ちのやり難い事と言ったら、、、。
だから、この竹竿では五十かみ勝負はキツイなと思い
一本だけ持ってる唯一のカーボンロッド「伯天弓17尺」を
納戸から引っ張り出して来たってわけだ。
その日から半月以上、雨が降らないのをイイ事に
毎日3時間くらい綱取ダムに通ったが
その間ウキのトップが沈んだのは、たった二回のみ。
その二回っていうのも、尺ッパヤだけという極貧果。
そりゃもうストレスは溜まる一方で、10円ッパゲができそうになったが
唯一、楽しめたのがバス釣り少年達とのカタライっていうかカラカイ。
平日でも、ここ綱取ダムには何艘かのゴムボートが浮かんでいて
それに乗っている少年達は、ブラックバスの顔を拝もうと
必死にオールを漕いでいるわけ。
岬から回り込んできた少年達を乗せたゴムボートは
岸辺で餌を打ち込んでいるオイラを見つけると
少々遠慮気味に迂回するのだが、ウキがピクリとも動かないので
暇なオイラは「お〜い、バス釣れたか〜」って大声を出す。
ホトンドの少年達は「いや〜、今日はダメですぅ」って、答えるわけ。
オイラは「ブッシュ脇にバーチカルにワームをフォールしてもバスは釣れネェぞ」と言うと
少年達は「そうなんですか」って、半信半疑で答えるわけ。
続けてオイラはへラ竿を振りながら
「秋の初めはなぁ、ハードルアー、そうだなぁ6フィートくらい潜る
クランクを使って、ロックとかのハードストラクチャーを
じかにコンタクトするようにトレースしなきゃな釣れねぇぞ」と言うと
ほとんどのバス少年たちは
「なんだこのヘラオヤジ妙にバス釣りに詳しいじゃねぇか」って
目をパチクリする。
「クランクはな、根が掛かり覚悟でストラクチャーをタイトにガンガン攻めねぇとな」
と続けて言うと、大きな声を出して「わかりましたっ」って
必死にオールをこいで「これ以上、変なヘラオヤジとは係わり合いたくねぇ」
とばかりに走り去って行く。
そんなカラカイだけが楽しみの綱取ダムのヘラ釣り。
「ハ〜ア、今日もピクリともしねかったな」と思いつつ
例の大助がのっていたサイトのページに戻ってみると
使っているロッドが21尺ときたもんだ。
21尺かぁ、竹竿で二十一尺なんて竿はお目に掛かった事がないっていうか
考えただけで、その重量に耐えかねて手首が痛くなってしまいそう。
ちなみにオイラは「芸舟十七尺三寸 川波」って言うヤツを持っていたが
餌の振込みも数回で手首が痛くなってしまうほど重くて重くて
虚弱体質なオイラとしては扱いかねる竿だった。
だからと言ってはなんだが、元竿はタモの柄にして
余った竿で春の乗っ込み護岸ルート用の短尺十一尺の竿にした。(芸舟さん御免)
だから、竹竿は長くても十六尺までだなと思い込んでたわけ。
そうなるとカーボンロッドしか選択肢は無いなと思った今日この頃
まったくヘラが寄って来ない綱取ダムに愛想を尽かし
伯天弓17尺カーボンロッドを持って御所湖でヘラ釣りを楽しんでいたら
隣で話し込んでいるヘラ師のオッサンの話を小耳に挟んだっていうか
オイラは耳がダンボ。
「ここんところ、ヘラが全然釣れまへんな」とヒゲオヤジ。
「そうなんだけど先週、誰も竿が曲がらない中
佐々木ちゃんだけが21尺でひとり入れが掛かりしていたぞ」とメガネのオヤジ。
オイラは、その21尺の佐々木ちゃんって
もしかしたらあの画像をアップした21尺使いの巨ベら師かなと思って
メガネの親父に聞いたら「そうだよ、巨ベら狙いの佐々木ちゃんだよ」と言った。
「オイラも巨ベら狙いで綱取ダムに通っていたんですがハヤ2匹しか釣れませんでした」
って、報告したら
「あぁ佐々木ちゃんは、綱取ダムの巨ベらは雨の日しか釣れないって言っていたよ」と言い
「それも、お日様が落ちる夕方がいいみたいだぞ」と言った。
な〜るほど、大助は警戒心が薄れる雨の日
それも夕方近くしか岸近くに寄ってこないんだなと納得。
というわけで、巨ベらが釣れる21尺。
誰も釣れない中で一人入れが掛かりする21尺って、聞いた日にゃ
欲しい欲しい病が、ニョキニョキと発症したってわけだ。
今回の物欲品は21尺もある長い竿だから
最軽量なロッドが良いな思いつつ、カタログとニラメッコ。
モチロン狙うは、ダイワかシマノか、がまかつの三大メーカーから。
もちろん、ヤフーのオークションも、こまめにチェック。
三大メーカーのカタログを眺めていたら
そのなかでヒトキワ目を引いたのがダイワ「長元坊・黒炎21尺」
なんでかっていうと
鮎竿の中でも競技竿ではジョーシキのスーパーSVFカーボン、スペシャルV
ジョイント。
そして決定的な購買意欲を誘う、エアグロスフィニッシュときた。
このエアグロスフィニッシュは、最高峰の鮎竿にしか取り入れていない仕様で
その妖艶な艶加減と、その手触り感は持った者しか分からない。
そう言えば「この輝きはブラックダイヤモンド」と誰かが言っていたな。
だから一回でもエアグロスフィニッシュの竿を触ったら
女の子がティファニーのリングを幾つも欲しがるのと同じくらい
おおいにハマってしまう魅力的な輝きを放っているのだ。
そして長元坊・黒炎21尺。
21尺竿では110g台が多い中、その総重量が、たったの90g。
まさに鮎竿の最先端ロッド設計技術が、ヘラ竿にもフィードバックされたのだ。
まさに、ヘラ竿界の競技スペシャル仕様だ。
それとネーミングもいいやね。
ハヤブサじゃなくチョウゲンボウつうのも。
と言う事で、さっそく注文したってわけなのよね。
オイラが最初に買ったカーボンのヘラ竿は
ダイワの五天聖の9尺12尺15尺だったが
これまたガチガチのヘラを遊ばさずに引くための競技竿で
バシッとヘラの当たりを取っていくと、手首にビシッと衝撃が来て
腱鞘炎になってしまうほどガチガチ竿。
って、よーく考えたら、ここ盛岡市周辺にはヘラの管理釣り場
いわゆるハコっつもんが無く、こんな竿を買わなくてもよかったのでは
っていうのは後々から分かったわけ。
なので、ここら辺ではヘラが多いとされている溜池で遊んでいた。
そんな溜池の掛かりヘラは抵抗するわけでもなく
雑巾のようにスーッと何の抵抗もなしに寄せて来れるわけで
趣なんていうモノがまったく無い。
ただ単にトップの目盛、ビミョウな黒帯ヒトメモリのアタリを取るのだけが
楽しみのヘラ釣りではあった。
でも必然的に強烈な引きを楽しみたいオイラは
釣れなくてもイイやという覚悟を決めて
引きの強いヘラ様がいるダム湖に通うようになったのだった。
もちろん、溜池と違ってヘラの寄りは遅いし
3時間エサを打っても、来るのはモロコにハヤにクチボソ
来たかと思うと、マブナにコイ。
おおおっ、やっとヘラ様が来たかと思うと、泣きの半べら。
まっ、半ベラでも来れば良いほうで
場所の選定を間違えばボーズが当たり前のダム湖のヘラ釣り。
ドMになりそうな自虐的な釣りではある。
それでも通うのは、モクモクとエサを打ってはジャミを寄せ
高価なエサを食わせたくないのだが仕方なく食わせ続けていると
突然、ジャミの反応が無くなるわけ。
ウッシシ、来たかなぁとエサを打ち込んでいると
シーンとなったヘラウキの周辺にプクっと泡が出ると
オイラの頬が思わず緩んでしまうのだ。
さらにその泡がシュワシュワと出た日にゃ、大群襲来の合図。
で、トップが突然ムズっと沈み待望のアタリが来て
バシッと掛けてからの野ベラの引き味がタマラナク良い。
それに掛かったヘラ様の美しいことも惚れ惚れする。
そんなのが立て続けに10枚も来た日にゃ
オイラはドピュッと昇天しちゃいやす。
ほんで次に買ったのが伯天弓17尺、これはハトバ釣具店のオヤッさんが
「半額にまけるぞ」の一言で勢い買いしてしまった品。
これは今もそうなんだが、ダム湖のハタキが始まった頃の
根掛かりが多い場所の大助狙いとか
鯉の野郎がよく掛かる川ベラを釣るときに使っているが
やはり硬式カーボンの竿は、今ひとつヘラの急反転に付いて行けないしタメも悪い。
それと一日中振っていると、合わせの衝撃で手首が痛くなってくる。
なのでハトバのオヤッさんに相談したら「そんなら竹竿だな」と言って
竹竿を飾ってあるガラス戸をガラガラと開け竹竿を一本出してきて
「この一竿師って言う竿は、今年の春に作者が死んで
アフターが悪いから三割引きにしてあげる」の一言で決定購買。
さっそく御所湖に一竿師十三尺を持って試し釣り。
カーボンロッドのように、エサを振り込むと
ピューンとエサだけが飛んでいったり、手前に落ちたりタイミングが外れる。
そうなんだ、フライロッドのバンブーロッドと同じように
仕掛けの重みを手に感じ取りながら
エサの振込みスピードと、竿をシンクロさせなきゃダメなんですね。
そしてウキのトップがムズッと沈み、バシッと合わせ竿を上げると
カーボン竿では、ヘラがメチャクチャ暴れるわけだが
これぞ竹竿
バシッと合わせて竿をあげ始めると目茶駆茶な暴れ方はしないで
まさに踊るが如く優雅に、しっかりと抵抗するのだ。
カーボンロッドでのシャッカミ野べラの場合
水面近くまで上げても、竿の弾性が有り過ぎるので
それからのシャッカミは、竿の強すぎる弾性に対して暴れまわる。
そしてノシ始めたヘラ様の引きに、竿が吸収できずっていうかタメきれずというか
竿が曲がり切った竿は、鉄棒のよに固くなってしまい
フレキシビリティーが失われ、ダンパー効果が無くなってしまった挙句
ブチンとハリス切れがおこるわけ。
これが竹竿だと、水面近くまで上げたシャッカミはソフトは弾力の為か
そんなに暴れないし、暴れたとしても
竿自体それを充分に補って余りあるほどの曲がりの余裕を見せてくれるし
最後にヘラがヒトノシしたとしても、竿自体がさらに曲がって
余裕で引きを吸収してくるから、ハリス切れはホトンド起こらないのだ。
一竿師の穂先は四枚合わせの、合わせ穂。
本式の和竿は、削り出しの一本穂先。
じゃぁってことで、チョト奮発して買ったのが芸舟十五尺。
これホンマにいいねぇ。
釣っても釣っても手首が痛くならないし、さすがに本式竹竿は釣趣が違います。
竿を振っているだけで、ゆったりとした気分にさせてくれる
この優雅な竹竿に合わせる為、竿受けも成光段巻きにした。
万力もモチロン匠のモノにおごった。
というわけで、和竿を握ってしまうとカーボンロッド
特に硬式って表示のある竿にはマッタク興味を失ってしまう。
でも、この長玄坊黒炎は硬式の表示が無い。
カタログでは、深い底からの竿いっぱいでの釣りで
掛けてからの衝撃もソフトで、竿をゆっくりとためながらヘラを浮かす竿
っていうカタログの解説にも、妙に心をソソラレるしな。
たぶん、竹竿のイメージに近いカーボンロッドじゃないかと
期待を込めつつ、釣具屋に注文したのであった。
初釣りはヤッパリ50オーバーの大助がウヨウヨいる
綱取ダムにしようかなと思ったが
竿が届いた次の日はドピーカンの晴れだったので
ヘラ様が岸に寄る条件が整わず綱取りダムは期待うす
なので毎年スズメの涙程度、へらを放流をしている御所湖に変更。
銀閣に座り、さそっく継ぎ足してみると
さすが21尺の長さにしては軽い、頼りないくらいに軽い。
さて、ごちそうのエアグロスフィニッシュだが
ハッキリ言って、これにはダイブがっかりした。
鮎競技スペシャルシリーズのエアグロスフィニッシュとは違って
磨き込みがゼンゼン足りない。
だから妖艶な輝きが、ういてこないのだ。
これは、ハッキリ言ってエアグロスフィニッシュではないな
ただのアンサンドフィニッシュである。
まぁ鮎競技スペシャルの1/4の値段だから
こんなもんなのかねと落胆溜息。
JAROに言い付けるゾッ。
さっそくエサの振込みだが、伯天弓のように振り込んでみる。
竿が長いせいか、振込みスピードがちょっと♭する。
ちょっとコツっていうか修正が必要だった。
まずは、下エサのハリスを左手で持ち、竿を構えスタンスを決める。
このスタンスは、下エサを持つ左手が真後ろに来るように構える。
振込みスタートからマックススピードで行くと
エサが振り切られ落ちてしまうので
始めは初速を上げないようにサイドスロー気味で
ゆっくりとエサの遠心力を感じながら振り込み始める。
エサが135度くらいの位置で、スピードがマックスになるようにスナップ微調整。
それから竿を立てて行って振込み地点に目をやる。
それは竿受け先のフタマタと、山立てした対岸ポイントを結ぶ線上にある
落とし込み位置下、直径20センチの着底地点にエサの山を築くようにだ。
だから、この円の中に正確に毎回振り込まなければ
美味しい地合いができないのだ。
そして最後の着水には、スピードが果てしなく0になるように振り込む。
長玄坊黒炎は全体的に柔目、竿先部分もかなりソフトと言っても
それに続く2番3番の節は、ふにゃふにゃの腰抜けの柔さじゃなく
筋っぽさもある固さなので、エサの重さを感じる感度は竹竿並みにイイ。
あ、言っとくけどオイラのエサは、マッシュにペレだんごのセット。
そのエサの大きさは、ビール瓶の王冠より少し大きめだ。
さらに言うと、ウキは3g背負える「ジャミ弐式スパイラル」の萱ウキだ。
口さがない友人達はオイラのエサを見て
「なに薄皮饅頭投げてるの」とか「しょうゆだんご食いてぇなぁ」
太いウキを見て「菜箸までくっ付いてるなか」とか言いたい放題。
そんな重量級のエサの振込みはチョト厄介。
だから竿それぞれクセを読み、それに合わせて振込みのスピードやら
竿の振込み角度なんか変えて行かなくちゃなんないのね。
オイラ思うんだが、エサの振込みっていうヤツは
野球のピッチャーの投球とヒジョーに似たとこがある。
12尺くらいまでの竿だったら、野球のピッチャープレートに例えれば
キャッチャー側に5mくらい近くに寄った距離感くらい。
だから距離が近いので寸分狂わず毎回同じ所に投餌できるが
15尺を超えはじめる長さの竿だと、イレギュラーが発生する。
ピッチャーで言えばボール玉とかワンバウンド、はたまた暴投とかデッドボール。
不思議な事に、ボール玉で投餌してしまうと又、ボール玉を放ってしまったり
ノーストライク3ボールなんて感じかね。
堀内投手の暴投かっ(古)。
これが21尺の竿だと、ピッチャープレートから
さらに5メートルくらい後退した位置にあるのと同じ感じかなぁ
とにかく遠い。
だから、エサを打ち始めて2時間も過ぎたあたりから
長い竿の風切り抵抗から来る腕の疲労が出始め
突然20センチの円の中になかなか入らなくなってくる。
2008年日本シリーズ第3戦、西武ライオンズの涌井投手の心境がヨ〜ク分かる。
感想としては、竿自体が軽い分コントロールはたやすい。
いわゆる昔から言われている良い竿の条件、ホソカルピンシャンそのモノだから
エサの飛行線の修正とウキの返しも案外ラクに出来る。
全体的な感じとしては、竹竿とカーボン竿の中間くらいの感じかなぁ。
現時点でカーボンシート最高峰スーパーSVFを使っている割には
鮎竿のようにパキパキンとした感じを出さない設計は評価にあたいする。
結果、竹竿派のオイラも好感が持てるカーボン竿。
っていうか、この長さでこの自重から考えると
これくらいしか固さを出せなかったっていうのが正解かもね。
この長玄坊黒炎つかってみて、ウキがはるか遠くに感じる。
鮎竿でいえば11mクラスの竿と同じ感覚で
友鮎さんがどこまでも泳いで行く、水面上のすべる目印というとこか。
だから、今まで使っていたウキトップの目印は見え難くなったので
おもわず目印の荒いトップに交換したってくらい遠い。

という事でエサを打つこと1時間半。
ジャミの攻勢が静まり返った。
ムフフフ、ヘラ様の登場ですな。
と思った瞬間、ムンズとウキトップの目盛が力強く一つ分沈んだ。
シュッと差し合わせをくれると、穂先が水面に突き刺さり
手に伝わってくるのは、底でヘラ様が嫌がっている鈍重な動き。
それは竿を通して伝わってくる情報が鮮明なので
ヘラ様の動きが、まさに手に取るように分かるのは
スーパーSVFのなせる技か、まさに脳内はブルーレイ&ブラビアの画像並み。
それにしてもヘラ様の引きにスピードは無いが、とにかく重い。
ひょとしたら、40カミがついに来たかと期待が大。
竿を見ると、綺麗な半円を描いている。
竿を持つ右手がピキピキと悲鳴を上げ始めたので
左手を添えて、ヘラ様をリフトアップにかかる。

硬式カーボンロッドにアリがちな、水面まで浮いてから
掛かりヘラの無茶苦茶な暴れ方はない。
そして浮いて寄せたのが、尺一寸の野ベラ。
そっか、竿が長いぶん手に感じる重さが、手にズシンと来るのね。
ここでもまた、鮎竿の竿が長い分20センチの鮎でも
そうとう引きが強く感じるのと一緒だね。

次に来たのが推定40カミ。
プチっと沈んだ、ひと目盛。
ピュッと合わせたが、先ほどのヘラ様と違って
微動だにしない手応えは、まるで根掛りのよう。
それから竿を絞り、ゆっくりと持ち上げる。
そのまま持ち上げ続け、水面で腹を打ったのはドデカイ幅広の銀白色。
竿が竹竿なみにフレキシブルなせいか、目茶苦茶な暴れ方はせず
ゆっくりと確実に重く抵抗するのは竹竿と同じ感覚だ。
5分くらいの持久戦で抵抗が弱まったので、一気に寄せに掛かったが
それからの抵抗は、竿がピキピキと言いそうにならない余裕だったが
手前4mくらいの所でギュンギュンギュンとの一気にノシた。
竿の握りは垂直に立てたまま堪えると、竿身はまさ半月。
その半月のまま、最後のヒトパッシリでは
竿の握りの付け根あたりから曲がったそれは、まさに満月。
こんなカーブを描いた竿は初めて見た。
それでも折れんばかり耐えたが、そこでブンとハリス切れ。
仕掛けを寄せるとハリスではなく
1.5号のフロロカーボンラインとタルカンの結節から切れていた。
やっぱり、フロロカーボンラインは結節が弱いね。
もしくは、酔っ払って仕掛けを作ったので弱かったのね。
という事でヘラ様の引きに、どこまでも従順に付いて行く様は
まるで竹竿みたいだった。
気を取り直してエサを打ち続けると、ウキの周りに下品な泡が立つ。
「ヤッベェ、鯉とちゃいまっか」と思った瞬間
ウキトップが全部、スーィと水面下に沈しちまいやした。
しょうがなく合わせると、一気にビューっと十数メーターくらい横飛び。
普通だったらここでハリスが、こらえ切れずにゲームオーバー。
でもねコチトラ、ロングロッド。
余裕で、野郎の走りにどこまでも付いて行けるのよ。
グググイッとこらえて、力まかせに水面まで引き上げたら
やっぱし、薄茶色に光る鯉の野郎。
それからは、10mくらい左に走っては岸近くで止め
右に走っては頭を横にして止めたんですが
先ほどの40カミのヘラ様のようには簡単には行きまへん。
でもね、こういう時のために竿の保険にもバッチシ入ってるし
ここは強引にヤリトリして竿が折れてもいいやとばかりに
握りを立てたままガツンと応戦。
両手で持つ握りの根元も曲がるくらいのストップを掛けなければ止まりへん。
それでも竿はチャンと仕事をしてくれて
走れば走っただけ、どこまでも追従する曲がりを見せてくれる。
それは竿が負けての曲がりじゃなく
グググッという力強いタメとか、トルクフルなタメというわけでは無いのだが
いつのまにやら不思議と魚が止まる竿ですねん。
最後の突っ走りにも、竿が折れてもいいやと覚悟を決めて
握りを更に自分に傾け、勝負を掛けた。
そして弱まった野郎を銀閣のそばに寄せた感じとして
竹竿にありがちな、腰がまったく入いらないスカスカな感じはゼンゼンありまへん。
そこは、まさにカーボンロッド、たよりになりまっせ。
そして、やっと寄せた鯉の野郎は一尺八寸。
頼りない自重90gこの竿にしてはハリスも切られずに、よく寄せました。
やはり、高弾性100tカーボンシート・スーパーSVFのスジ筋のなせる技か。
ところで適正ナイロン糸は何号だったかいなとカタログを調べるも
そんな表示は出てないので、ウェブカタログからメールでメーカー直に問い合わせ。
「適正ハリスは0.6号なのですが、0.8号までは行けます」という返事。
オイラは0.8号の常習者なので、ギリギリOKか。
という事で、引きが弱い養殖肥満ベラの数釣りに使う竿ではなく
まさに野ベラ一枚一枚とじっくりと対峙し
その野性味溢れる引きをたっぷりと堪能しながら釣るには
竹竿といい勝負ができる竿だなぁと思ったしだいである。
2001/6/21
にゃにゃぷす。
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