京王バス運転士の過労死に逆転労災認定
弁護士 
尾林 芳匡
 京王電鉄の関連会社『京王バス東』のバス運転士(当時32歳)の過労死ついて、8月17日、東京労働者災害補償保険審査官は逆転の労災認定をしました。
 運転士は2004年1月に自宅で虚血性心不全で亡くなり、労災申請について新宿労基署長は不支給決定をしていました。これに対し労災保険審査官は、出勤し制服に着替え点呼前までの準備の時間、入庫後に携行品を戻したり制服・制帽から私服に着替え退社するまでの時間は、それぞれおおむね10分程度は実労働時間であると判断し、勤務実態は過重であったと判断したものです。労働時間に即した珍しい判断で、長時間拘束されているバス運転士の健康問題の改善に大きな影響があります。
 請求人である運転士の奥さんは『生後2ヶ月と4歳だった2人の子どもを残して亡くなり、つらい日々でしたが、労災認定されほっとしています』と話しています。
 昨年は他に、アルバイトを掛け持ちする青年編集者の過労自殺、トラック運転士の心臓疾患などで、労災認定を得ています。 
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