県立鎌倉高校サッカー部


<コラム>

『選手権準々決勝 VS平塚学園(0-3)』

 

ご承知の通り、この試合はとても残念な結果となった。3年生は悔いが残ると思うが、これも勝負の世界では常。次のステップで生かして欲しい。今回の選手権は、監督が小柴先生になって、最もいい結果をになった。結果だけでなく、ゲーム内容、そして選手権までの準備プロセス、最後の試合のタイムアップまでのプロセスともに、立派な戦いぶりだった。

 

見事な逆転勝ちで川和を破った。そして迎えた準々決勝の平塚学園戦。

ピッチは雨を含み、短めの芝でボールが思ったより走る。慣れるのに少し時間がかかりそう。スタジアムの雰囲気にも早く慣れてくれれば。。選手の顔色は良かった。

スタンドを見ると懐かしい顔のOBが後押ししてくれる。ユニホームを着てサポートしてくれるOBも。卒業していった選手達。OB及びその関係者の積み上げがあって、今の鎌高の力がある。私の一つ上の代の先輩も行くから頑張れ!と激励された。鎌高が三ツ沢のグランドを踏んだ最後の代になる。

 

難しい戦いになることは予想通り。平学は、前線からのチェック、そしてボールと選手の動きがシンプルにゴールに向かい、少し神奈川の強豪校とは趣が違うスタイルのサッカーをする。神奈川の強豪校の多くは、攻撃はオーソドックスなポゼッションとサイド攻撃の仕掛け。守備は、前線からの連動しチェックと、後ろはブロックを崩さずにゾーンの意識が強い守備をするチームが多い。その対応ができて、個の力で押されても、耐えながら、カウンタでチャンスを作れるよう準備してきた。特徴の違う平学は難しい相手であったが、リズムを作れるイメージはつかめていた。

 

キックオフすると、少しスリッピーなピッチに慣れないうちにペースを握られた。あっさり失点。リズムがつかめないことで、心理的に追い込まれ、繰り返しやってきたことができない。負のスパイラルに陥った。前半途中から少し落ち着いたが、前半の1失点は上出来の結果だった。

ハーフタイム、そして後半、ピッチに出ていく時の表情も少しスッキリしていたので、後半開始早々の失点は痛かった。

後半の30分間は、攻め立ててチャンスを作ったが1点を取れずタイムアップ。もうひと破りできなかった。

 

試合は残念な結果になったが選手達は立派に戦った。関東、インターハイ、U18と戦ってきて、最終的に激戦の神奈川の中でベスト8に残った。選手は、本当にこの1年よく戦ってきた。

もっともっと上を目指すように、とチャレンジしてきたが、もう1歩引き上げられず、考えさせられることになった。

 

3年生は鎌高で過ごした高校サッカーが終わり、次の目標に向けて新たなスタート。悔しさとつかんだ何かを胸に、次の目標に向かって新たな世界で戦ってほしい。

 

そして、1、2年生は泣いてスッキリされたら困る。この1年間、過ごしてきて、「負けること」「勝つこと」は、どんな味がするのか? 経験してわかったこと、感じたことも多かったはず。先輩達に感謝し、これからの行動を考えてほしい。これから何を成し遂げたいのか?そのために何をするのか? 普通の選手達が普通にやっていたら、普通の結果しか出ないだろう。