県立鎌倉高校サッカー部


<コラム>

『時間旅行の途中』

 

先日、関東大学リーグのゲームを観戦してきた。私の母校の大学のゲームで、現在のスタッフはよく知っていて、監督が当時のコーチ、ヘッドコーチは私と同期の仲間がやっている。選手には、鎌高で見ていた子供達が数人在籍し、そのうち2人はメンバーに入るようになった。そんな嬉しいこともあり、何とか時間をつくり応援してきた。ゲームは負けてしまったが、当時の自分と重ね合わせ懐かしい思いで見ていた。ヘッドコーチとは、当時は一緒のチームでともに戦い、そして大学を卒業し、戦いの場を浦和・大宮に移して、スタジアムで対戦したこともあった。そして今は、私が高校時代に指導した選手達をつかいながら母校を指揮し、それを娘と観戦している自分がいる。20年。時計の針がずいぶんと回っていった。まさに、2012年5月21日の金環日食、20年前のドリカムの歌がとても懐かしい。

私は大学でサッカーを続けてみたことがずいぶんとサッカー人生を豊かなものにしてきた。(環境が人の意識を変え、人生の選択を変え、将来を変えていく)

そういえば、そのヘッドコーチは私の高校3年時のインターハイ準決勝の相手で、鎌高の「全国に出ていく!」という目標を打ち砕いた桐蔭学園の選手だった。当時から上手かったが一緒のチームになった時には、その能力の高さにビックリしたことを覚えている。

 

私が鎌高のサッカーに携わってから、もう6年になる。1つは、中学生がサッカーをやるために鎌高を目指す、高校サッカーで夢を持てる環境にしたい、そしてその先の未来にもつなげたい。もう1つは、鎌高を何としても全国の舞台にもう一度立たせたい、という思い。

成果として、中学生が目指すべき高校になってきたと思うし、卒業生の中から大学サッカーにチャレンジするものが出てきて、日本サッカーのトップを肌で感じ、夢を見られる環境にもなってきた。私はなかなか時間が取れていないのだが、微力ながらもそんな環境作りのお手伝いをしてきた。

そしてもう1つは、勝つこと。まだ目標とするところにはいけずに、道なかば。今までもそうだし、今回の関東予選もそうだが勝負は簡単ではない。関東に出るのは清流と三浦。

勝負が簡単ではないがゆえに、必ずチャンスもあるということ。自分がどうなりたいかの意識、勝負への執着、覚悟。どのくらいの思いをもって、日々の練習に望んでいるか。

全ては練習の質。

金環日食が終わっても、時間旅行は続く。。