県立鎌倉高校サッカー部


<コラム>

『新チーム始動A』

 

新人戦の3つのゲームは、最高の気づきの機会となった。
平沼・清流・厚木北。


初戦の平沼戦では、自由になった時にボールを動かせない。どう相手陣内に運ぶか、どうするとどこにスペースができて、どう攻略していこうか。相手がこうするなら、こうしよう。ああするなら、じゃあこうやろうと。考えなくても頭にあふれるイメージが湧くか。ゴールへの道筋をイメージして描いていけるか大きな課題がある。相手のプレッシャーに合わせてボールを動かすことはある程度できる。フリーになった時にボール保持者と受け手のアクションを合わせて、さらに有利な状況に持っていく。そんなイメージ。


2
戦目の清流は力のあるチーム。無失点で勝ちきったことは鎌高に力があることを証明した。得点を奪いゲームをコントロールできた。自信を持っていいゲームだった。


3
戦目の厚木北は個の力の高いチーム。個の力に対し、どのように個で対応しつつ組織で対応するのか。個で勝負しつつ、組織で突破していくのか。個と次のイメージをどこまで膨らませていけるか。守備に関しては、対応を間違えたため3失点した。最高の学習機会になった。


攻撃はまだまだまだ雑でミスが多い。しかも単純なミス。単純なキックミス。相手をひきつけすぎてしまう。自分が余裕を持つために、ワンコントロール多くなり、まわりの動きを止めてしまう。動きながらのプレーで、次のポイントへのパスがブレてミスをしている。

確実にパスを置いていくこと。現在3本パスミスしているところを1本減らすことができれば、展開は劇的に変わるだろう。

 受け側の意識、お互いの要求、意識レベルを向上し、厳しいプレッシャーの中で練習するしかないだろう。マイボールを失うことに慣れすぎてしまっている。ボールを失うこと、一つのミスをしないことがどんなに大事か!を監督はいつもいつも言っている。

韓国代表、オーストラリア代表を率いたオランダ人の監督の下、プレーした経験がある。私が一つパスミスすると、すごい勢いとボディランゲージを使って

ISHIHARAHAッ!!」

と怒鳴られる。今も耳の奥に残っている。一つのパスがどれだけ大事かを伝えたかったのだろう。

 

厚木北は神奈川のトップを狙い、チーム内で切磋琢磨しレベルアップしていくだろう。速いFWがいて、上手いアタッカーがいる。そういう選手がいれば、普段の練習の中で、その守備の対応方法が練習で身についていく。ドリブルの上手い選手がいれば、チーム内の守備も上手くなるし、ビルドアップが上手ければ、守備の追い込み方もレベルが上がる。

いい環境で日々の練習ができるので、レベルアップのベクトルはどんどん上を向いていく。

 

鎌高も日々の練習で切磋琢磨していくこと。レベルの高い相手がどうだったのか、忘れずに意識をもって練習できるか。自分の環境に甘んじた時点で先はない。鎌高の選手は成長は著しいが、他の強いチームはもっと成長していると考えるべきだろう。