県立鎌倉高校サッカー部


<コラム>

『選手権2次予選 VS日大藤沢(1-5)』

 

1年の季節が流れていく中で、最も特別な日。 それが選手権で負けた日だろう。なかなか気持ちの整理ができないまま、数ヶ月たち、選手権の本大会の組合せも決まった。

勝つこと、それだけが選手に次の一歩を踏み出させ、先の世界を経験させることができる。

目標に向かい勝負をしていく過程の中で、日々やってきたことが子供を成長させ、将来の大きな財産となる。結果として勝負に勝つことが目標を達成していく成功体験の中で、喜びや自信を身につけていく。大事な試合で勝つことで自分にない先の世界を見にいくことができ、自分の立ち位置、ステージを引き上げていく。

 

目標を持って日々のトレーニングを繰り返し、準決勝・決勝の舞台に立つ経験をする。全国大会に出て、国立競技場で開会式に出る。正月に三ツ沢球技場で多くの観客の中で試合をする。試合に出られなくても、その環境に身をおいてチームの勝利に向かう経験をしていく。
サッカーを通じて、大きな自信を得ていくことは素晴らしい。


負けたことまたは試合に出られなかったことで得るものも、また大きい。数年前に選手権で早々に敗退し引退していった先輩が、大学サッカーで活躍をしはじめている。高校で成功した選手の集まりの中で、活躍をはじめている。高校の悔しい経験がその原動力になっていることは間違いない。それはサッカーに限ったことではないだろう。

 

3年生は悔しい思いをしながら、少しずつたくましくなり、自信が表情を変えてきた。何かをつかみつつあった。もっと伸びろと、水をまいてきたつもりだったが、力が足りず勝たせてあげられなかった。

ただ、最後のゴールは数人でボールを動かし相手を翻弄した見事なもので、他のチームではなかなかできない鎌高らしい美しいゴール。成長の証として、脳裏に刻んで欲しい。


試合に出た選手、出られなかった選手、思いは様々だろうが、鎌高でサッカーをやり遂げたという1割の誇りと9割の悔しさをバネに、次に向かう世界で活躍してほしいと思う。