県立鎌倉高校サッカー部


<コラム>

W杯 日本VSカメルーン(1-0)』

 

日本は初戦をしぶとく拾った。
遠藤の復調が大きかった。日本の生命線は遠藤。W杯前に調子を落としていたようなので心配していたが、良くなっているようだ。

遠藤が絡むことで味方に時間と勇気を与える。バタバタとするチームに“パスをつなぐんだよ”と、振り子をグイッと整えてくれる。


得点の場面は、遠藤から右サイドの松井へ。数分前に同じような場面で、阿部のパスが左サイドバックにインターセプトされていた。

そのため遠藤は0.何テンポのタメを作り、左サイドバックの動きを意識してからパスをした。タメた分、体のバランスが崩れたが、力を入れることで、ワンバウンドでボールをはねさせてパススピードを上げた。

松井はそのボールをワントラップでキチッと抑え、相手サイドバックに対して優位に仕掛けられた。

日本人の中距離パスの質が悪いことは、以前書いたが、対してヨーロッパの選手は濡れたピッチが多いせいか、ワザとボールをワンバウンドさせて、芝生の上をツーンと滑らせ、ボールに勢いをつけるパスも出す。

受け手にとっては勢いの増したボールをトラップすることは難しいが、おさまれば、対峙する相手に寄せる時間を与えないため優位に仕掛けられる。トラップの質、キックの質。こういったトラップとキックも意識して練習されるべきだし、言語化して世の中に出てくるべき。

土のグランドでは、雨で濡れていないとできないが。