県立鎌倉高校サッカー部
<コラム> 『関東大会準々決勝VS三浦学苑(1-1 PK負け)』 残念なゲームになった。勝負という面では、暑い中、しぶとく戦い同点まで持っていけた。勝ちたいという気持ちも感じられたゲームではあった。PK合戦では、運をつかめず、次のステップを経験させてあげられなかったことは残念だった。 残念といえば、1年生が3人ゲームに出場し、3年生は4人しか出ていないこと。この時期に1年生がゲームに出場する、しかも3人。かつて、U-17リーグで3部にいた4年前にあったことだ。 3年生が出場できないことは本当に残念なことだ。2年間ともに過ごし、ボールを蹴り、練習や試合をしてきた選手が出場できず、名前も覚えきらない1年生がいきなり試合に出場する。もちろん、1年生はよくやっているが。。 3年生に力がないわけではない。グランドで自分の力を出せていない選手が多い。 “声を出せ”“競り合え”“取られたら追いかけろ”1年生の頃からいつも同じことを言われ続けている。 監督の言う言葉は決して技術を問うているのではない。サッカーに対する姿勢、こだわり、心から湧きでてくる意志があるのかを問うている。 その根っこに目をそむけ、言い訳を作って、自分を変えられてないだけ。本気になっていないだけ。“もっとできるはずだよ”と思うのは、私の見る目のなさなのだろうか。 もう一つ、残念だったということがある。当然の結果だったのだが、パス3本つながったシーンが数えるほどしかなかったこと。 ファーストタッチで相手に寄せられる。パスの強弱、パスコースの不正確さ。相手にプレッシャーをかけられ、相手の足に当てる。ビビって適当に蹴る。判断せずに大きく蹴る。ラインの外に蹴りだす。 普段の練習で、意識を持ってやれていないか、よくわかるゲームだった。 練習では、足を止めてプレーし、いい加減なファーストタッチ。パスがズレても適当に足を伸ばしてアウトサイドで軽くプレーする。体の向きもいい加減。パスしても動かない。 さらに言えば、いい加減な守備の中での練習で、パスが回っている、回せている気になっている。 大事な試合で通用するわけがない。必死の相手にそんなプレーでパスなんてつなげるわけがない。 相手をよく見て、ボールを動かし、自分も動いていく。つけて出る動き。ボールをつなぐために、ひと転がりしたら、角度と距離を意識してサポートに次々に入っていく。みんなが予測ベースに次をイメージして、ポジションを取り続ける。 良かったのは、センターバックが自陣ペナルティエリア内で相手をキチッと見て、ボールを止め、左サイドに展開パスを送り攻撃につなげたシーン。 一つのパスが次の局面を生み出し、また次のパスがまた違った局面を生み出し、展開を変えていく。大事なことは、一つ一つのプレーでミスをせず、次の局面に次の選手にバトンをつなぐこと。1本1本つながれていくと、違う世界が見えてくる。 ただ与えられた練習をするのではない。ポイントをつかみ、自ら考え、意識してやること。
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