県立鎌倉高校サッカー部
<コラム> 『新人戦 VS逗葉』 点差ほどの差はなかったが、残念ながら勝負は順当な結果だった。 というのは、自分にないものを経験によって得ること、だそうだ。 監督から言われたことをやってみる。チャレンジしてみる。 やってみて、どうだったのか?後で考えてみる。その積み重ね。 うまくいけば成功体験として体と脳にその感覚が残り、自然にレベルも上がっていくはず。 でもチャレンジできない選手も多い。何でやろうとしないのだろうかなぁとよく考える。サッカー以外のことで成功体験をしていて自分を変えられない(鎌高生特有だな)。子供の頃からのプレーが体に染み付いてしまっていて、なかなか変えられない。そもそも意図がよくわかっていない。サッカーに対してこちらが要求するレベルの真剣さがない。考えるためのベースがまだできていない。基礎技術がなく、要求するレベルに追いつかない。色々要因はある。 鎌高のグランドにはコツがたくさん落ちているから、貪欲に自分のものにしようとコツを受け入れてやってみる子供は、伸びるのも早い。 私が20代半ばでまだ現役選手の頃、コーチからあるプレーを指摘されたことがあって私はこう答えた。「そのプレーが正しいとわかっているのだけれど、ボールを取られるのがコワいからやれない」と。 私はコーチが指摘したプレーの大切さを本当に理解していなかった。今は練習して改善すべきだったと思っているが、その時意識はしていたものの、本気で改善しようとしていなかった。 私のような選手を作らないために、現役時代のうちに本人に気づかせ、改善させてあげるのが私のコーチとしての仕事。 ところで、学校の勉強とサッカーを比較してみたくなった。 サッカーは、ボールがひと転がりすれば、状況が変わり、プレーの選択肢は変わる。学校の試験は、問題用紙が配られれば、問題も答えも変わらない。サッカーは、0.1秒の間に問題も答えも変わってくる。なので、状況(問題)の変化を見て、つかんでおかなければ、答えは間違える。もちろん、答えの選択肢は問題には書いていないので、頭に入れておかなければならない。状況に応じて、ベストな選択・ベターな選択と優先順位をつけて、プレーを選択していく。 試験をやると、“問題をよく読みましょう”なんてよく言われるフレーズ。 サッカーでいえば、“状況を見ろ!まわりを見ろ!”ということ。 問題を見ていなければ、答えは間違える。そして、選択肢を暗記していなければ答えは間違える。 頭の整理ができていて、ボールの転がりに応じて、プレーの選択肢が次から次へと頭に浮かんできて、自然にプレーを選択していく感覚。 プレーの選択肢を覚えていないことには、答えは見つからない。 グランド以外のところで、こういう状況ならこんな選択肢があるなと常々イメージを膨らませて、暗記しておくことが大事だな。
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