県立鎌倉高校サッカー部


<コラム>

『成長のバロメーター』

 

選手達のプレーを見ていると、彼は成長したな、とか変わらない奴だなあとか、色々なことを感じる。

 

選手の成長してくる一番わかりやすいプレーは、単純な練習に取り組む姿勢。

インサイドでトラップして、インサイドでパスをする。次のプレーのしやすい場所にボールを置けて、地を滑っていくような美しいインサイドパスが蹴れる。

こんな練習の大切さに気がつく。単純な練習(行為)で自分の技術の“質”を高めていく。

意識して練習を始めた選手はグッと伸びてくる。つまり、毎日練習できる高校生は、たとえ技術の低くても、センスがあるとかないとかよりも、意識の持ちようでいくらでも伸びてくる。自分で早く気がつけるかが問題。

 

昔と違って、サッカーの情報がメディアからたくさん露出してくる。とてもいいことだが、小学生のうちからシステムがどうのとか、戦術がどうのとか、そちらが語られおかしな方向にハシってしまう。それは選手はもちろん、選手をとりまく環境。親であり、コーチであり監督。本当に大事なことを履き違えてはいけない。

 

     シュートを打つこと(プレーの優先順位を理解すること)

     止めて蹴るの“質”をあげること

     パスしたら走ること(相手の背後に走ること)

     取られたらすぐ取り返すこと(攻守のキリカエ)

     相手にプレッシャーをかけて、自らボールを奪いにいくこと

 

私の高校時代の監督に言われて、サッカーを続けていく上で常に反芻し、自分の成長を支えてきたキーワードがある。

『もっと正確にパスを出しなさい』

『もっと味方の取りやすいパスを出しなさい』

『相手が取れなくて、味方がギリギリ触れて、相手と入れ替われるようなパス』

自分ではいいパスだったかなと思っていても、監督からはそんな言葉を言われていた。

 

高校を卒業し、大学、社会人でサッカーをやっていく上で、

どんなにいいパスを出しても、もっと質の高いパスを出すんだ、しかも受け手のとりやすい球筋で。

いいアシストでゴールが生まれても、次は味方が頭をカスるだけでゴールできるパスを。全く同じボールを常に連続して蹴れるように。

常々、そんなことを意識してボールを蹴っていた。すると、だんだんできるようになってきて、その質、精度がどんどん上がってきたことを実感できた。

“カーブをかけて、サイドネットに叩き込む”と自分で設定し狙うのだが、昔は小さく見えていたサイドネットが、大きな的として脳に明確にイメージされるような感覚。。

 

やはり自分を高めるために意識して練習すれば、グングンと成長できる。間違いない。