県立鎌倉高校サッカー部


<コラム>

『日本VSオーストラリア@』

 

久しぶりに代表戦を観戦してきた。岡田ジャパンのチーム作り、日本サッカーの方向性のイメージを共有に。
内容に入る前に、ユース年代を指導する立場から興味深いなと思ったことがあったので、まずそちらから。

このゲームで、グランドに立った13人の代表選手の全てが高校サッカー出身の選手。Jユース出身者が1人もいない。岡田監督の趣味か偶然か。

Jリーグの開幕が1993年で現在2009年。16年目になる。開幕の時、中学3年生が14歳とするとその子は現在30歳ぐらいか。中沢と俊輔がその年齢かな。


若い才能の多くはJユースを選択している時代である。中学3年の時点で才能を認められた選手(早熟の選手達)が伸び悩み、大器晩成型の選手が代表に入っているのか?

ユースの育成は日本のトップの成績に直接関わってくる。育成年代を充実することこそ、日本サッカーの未来そのものだ。 早熟の選手達をしっかりと育成しないと。

J
ユースの指導者は、Jを選手として引退しジュニアの普及やジュニアユース/ユースのコーチ等をしながら指導者ライセンスを取得し、監督に就任するケースが多い。そして、そこは将来のトップの監督になるためのステップアップの場でもあると思う。
対して、高校の監督はほとんど学校の先生であり、選手としては一流ではなかった人が多いと思う(例外はあるが)。先生という職業を選んでいることで、サッカーだけでなく人を育てるといった志を持った教育者系の人が多い。

なぜオシムがジェフを育てたか?
色々な要素があると思うが、オシムは人生とか人間であるとか、サッカーの技術だけでない部分に刺激を与えた教育者系の人だと思う。才能ある選手に対しても、厳しい言葉で刺激し続け、成長を促すことができた。

いつもメディアに対し、若い選手をスター扱いするなと。勘違いするだろと。
いま日本では抜群の技術を誇る遠藤に対しても、世界のトップクラスの選手と比べると、もっと走らないといけないという名指しで厳しいコメントを出している。

成長を促すために、遠藤や中村俊輔、中沢に厳しい言葉を浴びせないといけない。その厳しい言葉は、実は愛情たっぷりの言葉なのだろうが。

高校の先生がJユースの指導をする。Jユースの監督が高校を指導する。
または、レンタル移籍ではないがJユースの選手が高校サッカーに混じってトレーニングする、高校の選手がJユースのクラブに行ってトレーニングするとか。刺激する仕組みがあればと思う。

数年前に滝川二高の監督であった黒田監督がヴィッセル神戸の育成部長になったことは、面白い試みだと思う。どう変化があったのか?ぜひとも、教えてもらいたいものだ。(サッカーマガジンさんよろしく)

Jリーグのクラブは安易にJの引退選手を雇用していないか。当然、サッカー選手引退後の雇用確保はクラブの使命でもある。ただ、プロとしての経験や、色々な監督のもとでサッカーをしてきた経験とか、それに頼りすぎるのは危険だ。指導者側から見れば自分の選手としての経験に対する驕りはないだろうか?

Jリーグのクラブは、教育者系の血を入れて学んだほうがいい。もちろん全てである必要はない。その血も入れるべきだということ。早熟の才能を勘違いさせないで、一流に育成していかないと日本サッカーの未来はない。

鎌高の選手の将来を考えると、これからJリーガーそして日本代表になる選手が出てくる可能性は十分あると思っている。いわゆる大器晩成型の選手達。
大事なことはまずは大学でサッカーを続けること。続けようと思うことはその子が持つサッカーの才能のひとつ。“日本代表なんて”と思うかもしれないが、志ひとつ。自分が代表に入りたいと本気で思えば、視点が変わる。視点が変わると行動が変わる。何をすべきかおのずとわかってくる。

今の日本代表を見てみろ。高校でサッカーをやっていることは日本代表への近道だ。