県立鎌倉高校サッカー部


<コラム>

『新人戦 VS神奈川朝鮮(3-1)』

 

神奈川朝鮮には、したたかな目を持ったポテンシャルの高い選手がいる。
そのボールまわりのプレーには本格感が漂う。鎌高の選手のプレーは幼い子供のように見えた。

相手が取りにくるからはたく。取りにこないなら顔を上げて、タイミングを合わせ前線のスペースを狙う。裏があけば裏へパス、相手がインターセプトを狙ってきたらブロック、そしてはたいて、相手のボール奪取の意欲をそぎ、いなしてしまう。

理にかなったプレーの選択、判断。個人技術の高さに対する自信から、顔を上がり、周りがよく見えている。

 

サッカーの重要な要素はそれだけではないので、総合力では鎌高が勝り、勝利は順当だった。

鎌高の選手の多くは、まだまだ周りが見えず、自分の都合でプレーしすぎる。味方がプレーしやすいようにパスを出す。味方の状況に合わせてサポートをすることが苦手だ。

例えば、裏がフリーだ。でもパスの出し手がトラップしてしまい、相手のプレッシャーがかかり、パスが出せない状況になった。それでも受け手はまだ裏を狙って走っている。

周りを見て、状況を判断していない。または、状況はわかっているのだが、悩が指令を出して体を動かせない。

パスの出し手を日常生活で考えてみると、
自宅のトイレでトイレットペーパーがなくなり、芯が残った。その時に、次に使う家族が使いやすいようにと新しいものを入れているか?
トイレを出る時に、スリッパを次の人が使いやすいように向きを変えているか?

次の人のために自分が行動する習慣があると、ボールを持った時でも次の人のことを考えてプレーできるだろう。

 

受け手を考えてみると、

先日練習ゲームであったことなのだが、グランド整備が間に合わない。ラインが引けていない。このままだと、キックオフに間に合わない。

早く来ていた2年生は、まだお喋りをしているものもいたが、状況を判断してライン引きをはじめるものが出てくる。そんな子は状況に合わせて判断できる選手。伸びていく選手だろう。

 

さらに言うと、慌ててグランドに走ってきて、ライン引きに加わる1年生は状況を判断しているので伸びていく選手だし、自分のことを最優先にしていた1年生は状況を判断していないので、停滞する選手なのかな。

 

2年生には自分でやるのではなく、1年生に指示を出してやらせることができる選手に成長して欲しいのだが。。