県立鎌倉高校サッカー部


<コラム>

『東北の地でA』

 

生まれ持った才能と努力する才能。

 

いわゆるサッカーセンスとかボール扱いの上手いといわれる選手は、闘えないとか必死さが足りないとか走らない等が、課題となりやすい。今までの育ってきた環境でいわゆる“うまい”と周りにチヤホヤされ、変なプライドを持って勘違いしてしまう。

逆にサッカーセンスがないとかボール扱いが下手だといわれて育った選手は、必死にボールや相手にくらいつき、一生懸命走る選手が多い。変なプライドを持っていない。

 

サッカーセンスがあってボール扱いが上手く、必死に闘えて、走れる選手。これがいい選手。

 

その基準を自分でどこに置いているのか。

小さな地域の中であったり、中学校のサッカー部であったり、クラブの中であったりと、小さな単位の中で自分の基準を置いてしまう選手が多い気がする。

 

例えば、今回対戦したジェフユースの選手達。鎌高の選手よりもセンスがあって、闘えて、走れる選手が揃ってる。

それはあくまで鎌高の選手との比較であり、日本の中、世界の中では、はたしてセンスがあって、闘えて走れる選手なのだろうか?

世界という視点で見れば、ジェフユースの選手達は、ボール扱いが下手で、闘えなくて、走れない選手になるのだろう。(全てではないだろうが・・・)

 

何が言いたいかというと、どこを基準にしているか、どこを見ているか、どこを目指しているかということ。

鎌高の中で上手いなんてのは、神奈川はもとより全国にでたら、当然まだまだ。変なプライドを持たずに、高いレベルで自分の立っている位置を見てほしい。いま自分はどのレベルにいるのか?それが感じれば、何をしなければならないのか、おのずと見えてくる。

 

最終的には、努力したものが勝つ。自分の殻を破って、必死に取り組んだ奴が勝つ。

謙虚にひたむきにプレーする。それをやり続ければ、気がついた時に、いいプレーが勝手にできる選手になり、グッーと成長してくる。

謙虚にひたむきにプレーに取り組める環境が鎌高にある。ただ、取り組むのは本人次第。もっとサッカーに情熱をかたむけて欲しいと思う。

高校生活、そしてサッカーに本気で取り組める時期は人生の中で本当に短い。

 

いまの自分達の立っている位置、そして何をしなければならないか、再認識させてくれた秋田遠征だったように思う。