県立鎌倉高校サッカー部


<コラム>

『キリンカップ 日本VSボスニア/W杯予選 日本VSタイ』

 

岡田ジャパンに興味があって時間があったので、先日のキリンカップのボスニア・ヘルツェゴビナ戦を観戦してきたので少し感想を。。

 

試合の内容としては、ボスニアの選手の動きが鈍く、日本がどのようにボールを動かしながら攻めていくか、いい練習となった。

日本は、前半はボールを動かしながら、岡田監督の目指すサッカーを“意識的にやろう”としているなという印象だった。3人目の動き出しが遅く、選手同士のイメージが上手く合わず、横パスが多い。数回、狭い局面でいい形ができていた。そして、いい形になりそうなときは、ナンバー14の中村ケンゴがいた。パス&ムーブで相手の背後にスルスルっと入っていく。自分が足元パスを要求する状況なのか、前にダッシュして背後を狙うべき状況なのか明確にイメージできている。イメージがパッと切りかわり、前方の相手の背後に素早く出て行くことで、その周りの空間に流れを作りだすことができる。ボール扱いの上手い選手ほどボールをもらいたがり、足を止めてしまい選手の周りの空間の流れを停滞させる。状況の変化に素早く対応できずに、1秒前のイメージでプレーしてしまう。今の高原がその状況に陥っている。少し心配だ。後半は、トップの1人がサイドのスペースに流れて、もう1人のトップにクサビが入れられるスペースを創出。サイドバックから斜めにトップに入り、周りの選手が素早く反応。ユニットを作って、遠藤、山瀬、大久保、ケンゴが絡み合い、流れができる場面があった。ボランチ、サイドバックから、トップにボールが入るか。今後の大きなポイントだな。もう一つ気になったのが、阿部のインサイドキック。本当に上手かった。

 

タイ戦について少し。。

前半の途中からしか見られなかったが、早い段階でフリーなサイドバックにボールを動かしてしまい、面白い形はあまり見られなかったように思う。確かに、サイドバックがフリーなのだから、パスを出すと表面的にはいい展開に見えるが、サイドバックが前に運んだ時、相手のサイドバック+カバーのDFの2人wをドリブルで抜けないと単純なクロスを上げるしかなくなる。日本の課題であるクロスの精度で勝負することになる。サイドの中盤の選手が素早く横にサポートに入って、ボールを引き出し中央に運ぼうという意識も見られたが・・。もう少し、縦パスを入れてから、相手のカバーの入れないタイミングでサイドバックを絡ませたい。また、せっかくバイタルエリアに入っているのに“接近”で勝負せず、サイドに振ってしまい、クロスで終わる攻撃も見られ少し残念だった。

結局、得点は入ったが4点のうち3点はセットプレー。それはそれで、強さを見せたということでもあるが。。

大久保の得点は見事。シュートも素晴らしいが、その前のプレー。中村ケンゴのプレスの角度。あのパターンだと、ぶつけられてゴールキックになる。でも、そうならないよう、体の角度を変えて、足を出す角度を変えて、自分にぶつかったボールがゴール方向にいくように調節している。だから、大久保のところにボールがいったのは、偶然でもなんでもなく中村ケンゴが仕掛けている。本当に賢いプレーヤーだ。