県立鎌倉高校サッカー部


<コラム>

『サッカーゲームの効用@』

 

鎌高のグランドは、ちょっとした自然のスタジアムである。グラウンドの横に土手がせりたち、最高の観客席になっている。こんなにサッカーの見やすい高校のグランドも神奈川随一ではないだろうか?さらに、海が見え、天気がよければ富士山も望む。こんな最高の環境でサッカーをやれる選手は、とても幸せだと思う。監督が常々おっしゃっているように、父兄の方々には、そんな環境でプレーする息子の姿を自然のスタジアムに見に来て欲しいと思う。

 

試合に出ない選手は、そんな観客席から試合を見ていると色々なことに気がづくと思う。右が空いているのに何故出さないのか?とかあそこにスペースがある等々。上からみると全体が見える。だが、いざ自分がグランドに立つと途端に全体が見えなくなってしまう。自分の目から入る平面の映像、特に、近くに見える映像をそのまま受け入れプレーする。私が現役の時、意識していたことの一つに、自分の視点とは別に、グランドを上から見た視点を常に持つようにしていた。グランドに立っている味方や相手を駒だと思って、全体がどうなっているのかイメージするのだ。その視点をグランドで持ち続けられると、おのずと、相手の配置やスペースの空いている場所が見えてくる。そんな意識でグランドに立つことは、とても重要なのだ。

その視点をもつには、いつも言われていることだと思うが周りをみること。これが何より大切。なかなか周りが見えないなあというなら、ちょっとしたコツを教えると、簡単にまわりを見る方法は、プレーが止まっている時にある。一番いいのはスローインのときだな。外に出たボールを誰かが取りに言っている時。スローインを投げる準備をしている時。その時に、逆サイドの一番奥にいる選手はどこにいるのか?相手は何をしているのか?自分の横にいる味方はどこにいるのか?相手はどこにいるのか?スペースはどこに生まれそうか?

スローインの時に見てみるところからはじめると、簡単に全体を見る意識が出てくるのかなと思う。